2020年9月7日発売の週刊ヤングマガジン2020年41号で、『マイホームヒーロー』第111話が掲載されました。
マイホームヒーロー第111話は、軟禁されていた哲雄がいかにして茶室を脱出したかが描かれます。
窪が村に現れたことを知り、歌仙と零花の身を案じる哲雄。
一刻も早く二人と合流しなければ…
哲雄は身の回りにある物を使い、茶室からの脱出を試みます。
その時、哲雄を見張る半グレと甲斐は…
本記事では、マイホームヒーロー第111話[哲雄動く]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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マイホームヒーロー第111話のあらすじネタバレ
【脱出前日・鳥栖家別宅茶室】
甲斐と半グレが茶室を脱出する哲雄を見かける一日前。
哲雄は何とかして茶室から抜け出さなければと思案していました。
教団の監視は二人。
一人は常に哲雄を確認できる距離で見張り、茶室の外にも見張りが一人。
ずっと近くで監視されている中で哲雄が一人になれる時間はトイレの時だけ。
必然的に逃げるならトイレからしかありません。
しかしトイレの窓には開閉防止用の金具が取り付けられており、これを外さない限り外に出ることは不可能。
開閉防止具は窓枠に二つのネジで固定されていました。
哲雄はこれまで監視の隙を見てはネジを回せそうな物を茶室内で探し、トイレに入る度にネジを外せないかと試していたのです。
ですがどれもネジ穴には入らない厚さの物ばかりで、開閉防止具を外すには至りませんでした。
【脱出当日・鳥栖家別宅茶室】
脱出を諦めない哲雄は今日も何かネジを回せそうな物は無いかと茶室を物色。
すると畳の縁と縁の間に輪ゴムを発見。
ネジ穴に輪ゴムは当然入りませんが、ゴムの滑らない性質を生かしてネジを回すことが出来るのではないかと考えます。
怪しまれないよう時間を稼ぐため、監視に大きいほうをしたいと申し入れトイレへ。
トイレに入り、すぐさま行動開始。
まず開閉防止具を止めている左側のネジに輪ゴムを巻きつけた親指を強く押し当てながら左に回します。
ぐぐぐ…
ビクともしません。
ならばと今度は右側のネジ。
ぐぐ…!!
手応えを感じる哲雄。
ネジが微かに動いたのです。
逸る気持ちを抑え親指に力を込め、ついに右側のネジを外すことに成功!
哲雄は外したネジの頭の縁がネジ穴に入る厚さであることに気づき、それを使って左のネジを回せないかと試します。
その読みは当たりました。
ネジで左のネジが取り外せたのです。
窓枠から開閉防止具を取り払い、静かに窓を開けて外の様子を窺うと、トイレの外には見張りはいない模様。
躊躇することなく窓から外へ出ます。
哲雄の頭の中には歌仙と零花のことしかありませんでした。
【茶室外の林】
哲雄を監視していたのは教団だけではありません。
窪も茶室の外から哲雄の監視をさせていました。
なぜなら窪にとって哲雄の抹殺も教団への強請り同様、請け負った仕事のひとつだからです。
林の中から哲雄を監視していた半グレ。
背後で枝が折れる音を聞き、振り返るとそこには甲斐がいました。
甲斐は哲雄が自由に動けるよう、小沢から監視の半グレの始末を頼まれて来たのです。
しかし甲斐には小沢や哲雄のような、人を殺すまでの覚悟がありませんでした。
殺しなど出来ないと思っていた甲斐は、監視の半グレが顔見知りだったことに胸をなでおろします。
コイツなら殺さずとも言いくるめて哲雄の監視を止めさせることが出来ると…。
二人が顔を見合わせ、お互いに話しを始めようとしたその時、
半グレは茶室の外へ抜け出そうとする哲雄に気が付きます。
半グレは甲斐との挨拶もそこそこに、哲雄を追いかけるためダッシュ。
半グレの右手には、もしもの時に備えて拳銃が握られていました。
当然、甲斐も後を追います。
【林の中】
オジサンの哲雄よりも全然若い半グレと甲斐。
あっという間に哲雄に追いつきます。
哲雄の名を呼び、待てと声をかける甲斐の声に反応し、一瞬振り返る哲雄。
追いかけてくる二人が監視の村人には見えません。
もしやスマホで見た小沢といたヤツか?と、もう一度振り返り二人を見やると、一人が銃口を自分に向けていることに気が付きます。
村人ならばオガミメの家族である自分に銃口を向けることはありえません。
これで哲雄は追いかけてくる二人が村人ではなく、窪の手下である半グレだと確信。
とにかく逃げることだけ考え林の中をひた走ります。
靴も履いていないため、小石や小枝で足の裏はズタズタで血まみれ。
逃げて逃げて、逃げのびて歌仙と零花、かけがえないのない家族を自分が守らねばと強く思う哲雄。
しかしすでに膝はガクガク、さらに足裏の痛みで思うように走れない状態。
膝を地面に着き、足が止まった哲雄は、偶然木の上に”ある物”を発見します。
追いかける半グレと甲斐。
甲斐がどうにかして半グレから銃を取り上げなくてはと考えていたその時、二人の前に突然哲雄が立ちはだかります。
二人は哲雄が今、目の前でしようとしていることに何それ?ウソでしょと絶句。
哲雄は採り立てホヤホヤの”蜂付き蜂の巣”を半グレと甲斐めがけて思いきり投げつけるのでした。
マイホームヒーロー第111話の感想と考察
推理小説家を志していた哲雄らしい、小物を使った機転が描かれていた回でした。
ネジを回すための輪ゴム。
拳銃に対しての蜂の巣。
使えそうなものは何でも使ってみるという脱出劇ではおなじみの展開。
やはり哲雄の思考は小説や映画、演劇といったものの影響が大きいようです。
これで蜂の襲撃により、監視の半グレと甲斐は足止めを喰らってしまうことでしょう。
甲斐にとっては半グレから銃を取り上げるチャンス。
蜂に刺された半グレから銃を受け取り、自分が始末をつけてくるとか言い残して哲雄を追いかけるのでは?
そして哲雄に追いつき、現状を説明するのかもしれませんね。
半グレから奪った飛ばし携帯で小沢とも連絡を取るでしょう。
その場合、拳銃を哲雄に渡すのか、渡さないのかの話になるかも。
甲斐としては小沢と村を脱出するために万が一のことを考え、拳銃はあったほうがいいので渡すことに反対するでしょう。
しかし小沢としては拳銃を哲雄に持っていて欲しいハズ。
もちろん窪を殺す手段のひとつ、その成功率を上げるための道具として。
いずれにせよ、甲斐には可哀想ですが、小沢は窪が死ぬのを見届けない限り村からは出ないでしょう。
小沢はスマホを使って遠隔から哲雄を援護していくつもりです。
甲斐は哲雄のなりふり構わなさを目の当たりにし、そこに小沢の頑固さも加わり、結局二人の「覚悟」を見せつけられて協力していくのでしょうね。
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