2020年9月3日発売の週刊ヤングジャンプ2020年40号で、『少年のアビス』23話が掲載されました。
『少年のアビス』23話は、真っ直ぐな気持ちを向けたチャコに対し、抱え込んだ秘密のせいで更に自己嫌悪に陥ってしまう令児。
再び死へ向かおうとする令児の前に、光は灯りました。
本記事では、『少年のアビス』23話『嫌悪』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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少年のアビス23話のあらすじネタバレ
東京行きを絶たれ、絶望の中にいるチャコに対し、自分が東京に出してやると宣言した令児。
そのまま引き寄せられたように2人はキスをしました。
令児はすぐに謝ってしまい、チャコはどうして謝られなければいけないかを問いました。
自分は汚いからと言う令児に、涙と鼻水と汗だくで自分の方が汚いとチャコは言います。
もちろん令児の言葉にはそんな意味は無かったのですが、チャコがお互いの『ファーストキス』の思い出を壊すようなこと言うのやめようと言うと、その言葉は令児に突き刺さりました。
浮かない表情を見せ続ける令児に、チャコは嫌だった? と聞きますが、令児はいきなりすぎて戸惑っていたような返答をします。
嬉しかったからお礼とチャコが言うと、これ以上一緒にいると照れくさいからと、令児が送ろうと申し出たのも断って一人で帰ろうとします。
人生で一番くらいクッソサイテーな日になるところだったけど、ファーストキスをした日に変えられたとチャコは言いました。
令児が励ましたように、まだ時間はあるからとチャコは諦めない決心が出来たようです。
一人になったチャコは、令児のことをずっと可愛そうだと思っていたと回顧します。
東京に行ってしまえば普通に疎遠になるような仲でしかないと、はっきり自覚もしていました。
可愛そうと思いながらも自分は見捨てていたことに気付き、何をやってでもこの町からチャコを出してやるといった令児に対して、汚いのは令児ではなく自分の方だとチャコは呟き、好きって言い忘れたことを思い出します。
一人、まだ公園の滑り台で座る令児は膝を抱えたままでした。
立ち上がり、歩き出しながら真っ直ぐな瞳で見つめるチャコの顔を思い出して、こんなことになるとは思ってもいなかったと否定します。
自分なんかにそんな目を向けるのはやめてくれと、令児は思いながら、足取りは以前ナギが働いていたコンビニに向かいました。
違う店員に『髪の長い女性の店員』を尋ねると、先々週辞めたと告げられました。
秘密を言い合う告解ごっこですらチャコに言わなかった令児の秘密。
本気で死のうとしたこと、担任の先生に助けてもらえるとわかったからやめたこと、その担任の先生に助けてもらうためにセックスをもう何度もしてお金も貰ったこと。
それらが全部気持ち悪いと自己嫌悪に陥った令児は、努力して夢を持って東京に行こうとしているチャコと一緒に行くなんて言っていい人間じゃねーだろと自分に言い聞かせます。
お前に居場所なんかねーよ、早く死ねよと心の声が続いたとき、目の前に灯りがあり、その中に1人立っていました。
自宅のベランダで煙草を吸うナギを見つけ、立ち尽くす令児に気付いたナギもまた、「遅かったね」と笑顔を向けました。

少年のアビス23話の感想と考察
ナギは1話が始まった時や単行本の表紙になっていることから考えてもヒロイン枠なのですが、ここまで読んでくると完全に悪というかそっちに行ったらダメだ! という感じのキャラになってしまっています。
今回自己嫌悪に陥っている令児に対して闇の中の光のように描かれていましたが、大魔王登場のようなイメージで荘厳なBGMが頭の中で流れました。
死を望む令児にとっては、それを受け入れて認めて許してくれるナギが本当に光の存在なのかもしれませんが、一方で助かりたいと思う気持ちもあるからこそ担任との関係を続けているのかもしれません。
そんな令児ですが、チャコにとって今は光の存在であり、もうただの幼馴染みや男女の仲というよりははっきりと『好き』という気持ちが芽生えています。
もっと前からそれはあったのかはわかりませんが、所々で表情が可愛らしく描かれていたりするので、ヒロイン枠になって欲しいところです。
ものすごく真っ直ぐな目で見つめられた上に『お互いのファーストキス』という言葉が、令児には刺さったと言うよりも貫かれたレベルで痛かったと思います。
やめてあげて……と読みながらチャコに対して思いましたが、秘密を隠したままの令児も悪いから仕方ないと思いつつ……自分がその立場だったら秘密にしたままにすると思います。
令児は自殺願望などの暗い面をチャコには見せないようにしているので、ただ心配をさせたくないからか、令児にとってのチャコはそういう相談が出来ない関係なのかというところです。
そんな1人抱え続けた闇を、会ったばかりで見透かして受け入れてくれたナギはやっぱり令児にとって自分の全てを受け入れてくれた人であり特別なのでしょう。
今回も「遅かったね」と、来ることがわかっていた=自分を理解してくれている人という印象です。
自分もそんなナギに惹き寄せられて作品のファンになったので、再会した2人の展開が楽しみです。
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