2020年8月31日発売の週刊ヤングマガジン2020年40号で、『アルキメデスの大戦』第231話が掲載されました。
『アルキメデスの大戦』第231話は、連合艦隊への赴任が決まり、軍港へと足を運んだ櫂に運命の?出会いが待ち受けていました。
山本の一存で連合艦隊への赴任が決定した櫂。
この辞令は赴任とは名ばかりの事実上の左遷。
外務省の丹原に和平協定の事務作業を託し、櫂は軍港へ向かう。
軍港で建造中の戦艦「大和」を感慨深く眺めていた時、運命の悪戯が…
本記事では、『アルキメデスの大戦』第231話[運命の悪戯]のあらすじと感想を紹介していきます
※ここから先はネタバレ注意です。
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アルキメデスの大戦231話のあらすじネタバレ
【海軍省】
海軍大臣・吉田から辞令を言い渡された櫂。
それは連合艦隊への赴任でした。
思いもよらぬ辞令内容に驚きつつもこれを受諾。
しかし、今は日米和平合意案の実務作業を早急に進めなければいけない時。
櫂は条約の実務作業をするため、時間的猶予を貰えないかと大臣に願い出ます。
これに即座に反応したのが吉田の横にいた連合艦隊司令長官・山本でした。
山本にしてはめずらしく語気を荒げ、櫂の申し出を突っぱねます。
全権大使を解かれた以上、和平協定への関与は許されないと櫂に言い放ち、直ちに辞令に従うよう命令。
櫂はこれ以上ここで何かを言ったところで実務作業への参加は認められないと判断し、大人しく山本に従うことに。
こうして暴力事件についての処罰と辞令を言い渡された櫂は田中と共に大臣室を後にします。
廊下に出た後、櫂は田中に連合艦隊でもよろしく頼みますと頭を下げました。
田中は自分の付きである以上、当然一緒に連合艦隊に赴任となったと思っていたからです。
しかし、田中に櫂に同行する辞令は降りていませんでした。
田中への辞令は空母「飛龍」への乗船。
そのことを櫂に告げ、世話になったことの礼を述べた後、あっさり櫂のもとを立ち去る田中。
田中は暴力事件の真相を隠す櫂に対し、依然わだかまりがありました。
櫂もそれは感じ取っています。
そっけない事例的な挨拶をする田中を寂しく思うも、櫂は田中の将来が明るいものであることを心から願わずにはいられませんでした。
田中も内心では櫂が事情があって自分に真実を隠していることはわかっていました。
それでも、自分には全てを話して欲しかったとの思いがどうしても拭いきれず、別れを惜しむ素直な気持ちや感謝の思いを表すことが出来なかったのです。
櫂と田中、互いへの思いを内に隠したまま、それぞれの道へと向かうでした。
【外務省】
海軍省を出た櫂はそのまま外務省を訪れます。
丹原を外に呼び出し、辞令を受けたことを説明。
和平合意案の実務作業に直接関われなくなったことを話し、一冊のノートを手渡します。
それは櫂が考えた条約の案文でした。
櫂は日米和平のためにくれぐれも頼みますとお願いし、丹原もこれを承知します。
【軍港】
連合艦隊へ赴任した櫂は早速建造中の戦艦「大和」を拝みに軍港へ。
そこにはまだ建造中ではあるものの、七割方完成した大和がありました。
大和を眺めながらこれまでを振り返る櫂。
巨大戦艦の建造を阻止するために海軍に呼ばれ、紆余曲折を経て今となっては建造を推し進める立場。
まさに運命の悪戯としか思えないと感慨にふけります。
櫂が大和を見つめながら和平協議に思いを馳せている時、海軍少佐・桑野と遭遇。
桑野とは大和設計の時以来、久しぶりの再会でした。
互いの近況を話しながら軍港を歩くふたり。
そこで偶然にも鏡子の父親・尾崎と、櫂とは真逆の見た目をしたデブでブサイクな人物が一緒に向こうから歩いてきました。
尾崎は櫂に驚くも、帽子を取って挨拶。
鏡子の事があって櫂を敵視していた尾崎ですが、すでに和解してそれも昔の話。
もはや互いにわだかまりはありません。
尾崎は一緒に歩いていた人物を櫂に紹介します。
尾崎の横にいたその人物は興洋銀行の副頭取である渡辺春彦でした。
その名前を聞いてピンときた櫂。
以前、新聞で鏡子の結婚記事を読んだ時、そこに相手の職業や名前が記されていたからです。
すぐにそれを思い出し、鏡子さんのご主人ですねと春彦に話しかけ、櫂は自分の名を名乗ります。
櫂の名前を聞いてピンときたのは、今度は春彦。
櫂 直という人物が鏡子の元家庭教師であり、鏡子が恋した相手だと聞き及んでいたのです……

アルキメデスの大戦231話の感想と考察
今回で田中とはお別れになってしまいましたが、またどこかで再会しそうな気がします。
その舞台がミッドウェー海戦でないことを祈るばかり…
田中が赴任する空母「飛竜」は「蒼龍」共々、艦船ファンからとても人気のある空母です。
「赤城」のような重厚感とは違い、形状から受けるイメージは実にスマート。
気品を感じるといったら大げさですけれど、田中のイメージに共通するものがあるかもしれませんね。
さて、山本が櫂を連合艦隊に押し込んだ意図はまだ謎ですが、櫂は赴任早々にして、また身勝手な敵意を向けられそうです。
藪本がそうであったように、春彦もまた櫂に対する妬みや嫉妬から櫂憎しの感情を増幅、爆発させてしまうのではないでしょうか。
春彦が櫂が困ることを企むとしたら…
それは戦艦「大和」建造にお金を出してあげないという意地悪が考えられます。
”櫂の”「大和」が完成しないことを望む人間が海軍内にはいますので、それら勢力と結託して櫂を苦しめることになる可能性はありますね。
その時、はたして櫂の味方はいるのでしょうか…
これまでは山本が強力なバックとなって櫂を支えてきましたが、今の関係性でそれは期待できません。
和平条約は”櫂の”「大和」でなくてはならず、”別の”「大和」では契約不履行となってしまうでしょう。
この先の展開として、春彦の妬みに乗る形で山本や嶋田が”櫂の”「大和」完成を潰しにかかることが考えられます。
櫂の知らないところで作られている”別の”「大和」を米国に売ろうと画策するのかも?
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