2020年8月31日発売の週刊ヤングマガジン2020年40号で、『センゴク権兵衛』185話が掲載されました。
センゴク権兵衛185話は、石田治部少輔三成を始めとした奉行衆は一旦奥州から京へと戻ったのだが、政権中枢の問題が山積していたので頭を抱えていたのです。
特に奉行衆の頭を悩ませていたのが、唐入りに関する事でした。
外交関係は小西摂津守行長が対馬国と高麗が親交関係があるので、そのつてを使って連携を図ろうとしていたのだが、奉行衆達は外交内容を知らされていないので余計に頭を悩ませていました。
果たして、奉行衆は一体どんな決断を下すのでしょうか。
本記事では、センゴク権兵衛185話『齟齬』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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センゴク権兵衛185話のあらすじネタバレ
奥州一揆が起こり始めた10月、石田治部少輔三成を筆頭に増田右衛門尉長盛、大谷刑部少輔吉継は浅野弥兵衛長吉を残して、京へと戻りました。
まだ一揆が完全に鎮圧したわけでないし、不穏な状況にしたまま帰洛したのだが、一揆の事を後回しにしなければならない程大量の政権中枢の問題があったので、そっちに取り掛からざるを得ませんでした。
特に奉行衆の頭を悩ませる問題は、帰洛早々に豊臣関白太政大臣秀吉から唐入りを来春に決行すると言われた事でした。
その間にも大音新介が奥州の新報、新港調査、南蛮巡察使の件、千利休の動静、諸大名への報告と次から次へと仕事を持ってくるが、増田右衛門尉長盛は、後回しで良い、と言います。
そして高麗使の一件は石田治部少輔三成が、時がないから高麗外交以外は他の者に任せる、と決めると共に、唐入りならば高麗を通るほかない、と言います。
小西摂津守行長は豊臣政権とは親交はない高麗と親交のある対馬国との連携を要すると言っていたが、自分達は内政しかしておらず、外交は全部小西摂津守行長しかしてなかったからその内容が分からない状況になっている、と言う石田治部少輔三成。
増田右衛門尉長盛は、10年の猶予があるはずが来春になるとは、と頭を抱えていたが大谷刑部少輔吉継は、今更言っても仕方ない、と言います。
石田治部少輔三成は、唐入りを自分達が散々棚上げにし、渋っていたツケが回ってきた、と呟くと長束利兵衛正家は、自分達が政権を纏める体制を作らなかったが故に豊臣関白太政大臣秀吉に事を急がせる結果になってしまった、と嘆いたのです。
石田治部少輔三成は、自分達が算術に優れていても先々の予見は出来ないし、仮にこうなると分かっていたら忍城攻めの際には強攻策で落としていれば良かった、と口惜しそうに呟いたのです。
そして現在に至り、唐入りの一件に自分達は蚊帳の外にされた故に、内容不明の外交事案を抱えながら政権を支えないといけない、と石田治部少輔三成は言うと共に、大音新介に対して、自分達が唐入りについて渋っているのを漏らしたのはお前だろう、と突然言いました。
対する大音新介はその通りだと言わんばかりに冷や汗を掻いていたのです。
石田治部少輔三成は大音新介に対して、大音新介はこれからも自分の役目を果たせばいいが、自分達は豊臣政権の安寧のみを望んでいる、と真実を述べたのです。
それから11月7日、朝鮮使節が参洛して、豊臣関白太政大臣秀吉に謁見していました。
そして奉行衆の元には朝鮮からの国書が届いたので、その内容を写すために取りあえず所司代を務める前田民部卿玄以が確認すると唖然としていました。
その理由は国書の内容が天下平定の祝辞であり、今日来た使節は服属の使節ではなかったからでした。
その結果、朝鮮使節は豊臣関白太政大臣秀吉に対して天下統一の祝辞に来たのだが、豊臣政権側は服属のための使節だと誤解を招く結果となってしまったのです。
何故そうなったのかと言うと、日本、対馬国、朝鮮の飛び石外交が原因でした。
豊臣政権は服属の要求をするように対馬国に指示したが、対馬国と小西摂津守行長は朝鮮がこの要求を呑むわけないと判断したのか、使節参洛と言う形で誤魔化すしかありませんでした。
それによって齟齬が生じ、服属の使節が来たと勘違いした豊臣政権は唐入りの際に道案内するように書かれた答書を会見の後に渡したのだが、使節は内容改変を求めるも認められないまま帰国せざるを得なかったのであります。
そして使節は豊臣関白太政大臣秀吉は狂乱の一夫とみなし、唐入りも冗談だと思い込んでしまいました。
この後、対馬国を治める宗氏が朝鮮に渡り、案内はいらないから道だけを使わせてほしい、と頼んだが朝鮮は要求は受け入れませんでした。
そして交渉は膠着状態のまま、刻限の翌々年を迎えざるを得なくなったのです。

センゴク権兵衛185話の感想と考察
この外交においては豊臣政権側が悪いなと思いましたね。
高麗こと朝鮮とは何の親交もないのにいきなり服従を迫れと言われたら、誰だって拒否すると思いますし、下手すれば態度を硬化させる可能性もあったわけです。
それ故に小西摂津守行長達は豊臣政権を、豊臣関白太政大臣秀吉を騙した状態で使節がやって来ると言う形にしたのだと思います。
本来はこう言うのも良くないとは思いますが、小西摂津守行長は豊臣関白太政大臣秀吉は絶対に服従と言う条件を撤回しないだろうと察して、悩んだ末に誤魔化したのでしょう。
次回は、朝鮮へと攻め入る事になるのではないかと思います。
朝鮮が条件を呑めない今、何としても唐入りをしなくてはいけないと考えている豊臣関白太政大臣秀吉は朝鮮を完膚なきまで攻め滅ぼしてでも唐入りをすると言い出すのではないでしょうか。
しかし、そうなると仮に朝鮮を攻め滅ぼしたとしてもかなりの被害が出るだろうし、その状態で唐入りをするのは不可能だと石田治部少輔三成達は反対すると思いますが、豊臣関白太政大臣秀吉は有無を言わさずに決行すると思います。
そして、九州に集結した豊臣軍の大軍が一斉に朝鮮へと攻め入る事になるのではないでしょうか。
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