2020年8月31日発売の週刊ヤングマガジン2020年40号で、『1日外出録ハンチョウ』76話が掲載されました。
『1日外出録ハンチョウ』76話は、今回は一人で解放された大槻ですが、そこに待っていたのはマイカーを購入した黒服・宮本でした。
渋々ドライブに連れ出された大槻と、マイカー購入でテンションの上がっている宮本の一日が始まります。
本記事では、『1日外出録ハンチョウ』76話『一惚』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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1日外出録ハンチョウ76話のあらすじネタバレ
前回の灼熱の暑さとは違い、太陽の眩しさにも穏やかな気持ちで解放されたのは、大槻一人でした。
一人で解放された大槻はとりあえずメシ……と歩き出すと、そこに待っていたのは監視役の宮本でしたが、いつもの黒服ではなく私服姿でした。
そんな服装よりも大槻が気になったのは、宮本が寄りかかっている車でした。
車の事を尋ねてもククク……と不敵な笑みを見せるだけで語らない宮本でしたが、マイカーを購入したようです。
突然の車購入に加えて、それが外車であることから大槻は驚きを隠せません。
この後の予定を聞かれた大槻は、池袋にハンバーガーを食べに行こうとしている事を告げると、宮本が車で連れて行ってくれる事になりました。
車を買った高揚感から、ともかく運転したくてたまらない宮本による、半ば強制的なドライブの始まりです。
信号待ちの間に、唐突にどうよ? この車と切り出す宮本に、大槻はあまり気乗りしない様子です。
外車なんて買うつもり無かったと否定する宮本ですが、話したくてしょうが無い宮本は信号が青になっても気付きません。
元々は国産の軽自動車を買うつもりで、色々ディーラーを見て回って試乗していた宮本は、今の軽自動車の広さや運転しやすさに感心していたようですが、赤信号も見ていないほど話に夢中で大槻が慌てて指摘します。
試乗を重ねた宮本は、どうしようかと思案していたところ、たまたま目に入ったこの車に冷やかし半分で試乗したと言います。
確かに運転席に座ったのに、そこにあったのはコックピットだったと驚愕した事を熱弁するのですが、大槻はどっちでもいいと全く興味がありません。
運転席に座ればわかると思うと言われ、駐車場で半ば無理矢理座らされた大槻でしたが、空腹も手伝って宮本の車熱は全く伝わりません。
しかし、宮本が見せる笑顔にいつまでもそうは出来ず、コックピットですねと表向きは理解してあげる大槻でした。
店に入ってからも、車を購入したことで車フリークになってしまった宮本の車トークは止まらず、大槻は少々うんざり気味の様子。
それでも、二人は宮本の家に向かい車話を肴に晩酌を始めました。
宮本がアルコールではなくジンジャエールを飲んでいる事に、飲まないんですかと大槻は尋ねます。
この後まだやってみたいことがあると言う宮本に連れられ、午前0時に二人が向かったのは濃紺の夜に街灯が流れる深夜の首都高でした。
首都高をぐるぐるして東京の街を堪能するナイトクルーズをやってみたかったと言う宮本に、酒が入ったせいか大槻はようやく乗り気になっていました。
自分の選曲ではなく、ラジオから偶然流れたジャミロクワイの曲も夜の首都高ドライブを彩ります。
その偶然の選曲に大槻も満足し、自分のプレイリストから流すよりもラジオでその曲に出会った方がテンション上がると言う宮本に、大槻も同意します。
街中でばったりクラスメートに会う感じと大槻が例えると、宮本もその例えに同意します。
静かに迎えた夜のドライブは横浜ベイブリッジを渡り、車に興味なかった大槻も楽しそうです。
そんなドライブの最高潮で宮本は静かに切り出します。
去年のクリスマスの時、大槻達の外出の際に彼女と別れたばかりの宮本は彼女との思い出を引きずりながら監視していました。
その時のお礼を言う宮本に、本当はそれを言いたくてドライブに誘ったのではないかと大槻は思いました。
大人には車の中でしかドライブしながらでなくては言えないことがあるのです。

1日外出録ハンチョウ76話の感想と考察
車を運転する立場ですが、全く車に興味が無いので最初の方の大槻の冷ややかな感じをものすごく理解出来ます。
運転席かコックピットかなんてどっちでも良いんです。
本当に自分が乗りたい車に出会えたら宮本サイドになるのかもしれませんが、特に何に乗りたいとかも無いし出来たら人が運転してくれるか全部タクシーに乗れるような生活が理想です。
まず運転したくないです。
それでも話に乗ってあげた大槻は優しいというか、恐らくそうするしか無い空気だった上に、せっかくの外出を延々と車トークで終わらされたのではたまったもんじゃないなと思いました。
ただの車トークならまだしも、高揚感からくる妙なうざったさも加わって余計にうんざりしそうなものでしたが、晩酌も終わってナイトクルーズに出かけた時には楽しそうでした。
夜景を見るのは単純に楽しいですし、ラジオの曲にテンションあがるのもわかります。
自分もよくラジオを聞きながら運転するのですが、トーク番組に当たると話に集中してボーッとする事もあるのでドライバーの方は要注意です。
街中でクラスメートを見掛けたらテンションが上がるどころかすぐ逃げるようにしていたので、大槻の例えはわかりませんでした。
最後にはしっとりと良い終わり方が待っていたので、大槻も良い一日になったのではないでしょうか。
宮本の熱さは車に対してだけではなく、大槻との友情にも熱さを感じました。
あらすじの最後の一文は本編にあるものですが、自分は話に集中すると運転がおろそかになるので、大事な話ほど車の中では言えません。
話とは関係ありませんが、夜の車内で街灯が当たっている描写が凄く上手いなぁと思いました。
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