2020年8月24日発売の週刊ヤングマガジン2020年39号で、『アンダーニンジャ』第39話が掲載されました。
『アンダーニンジャ』第39話は、ひと仕事終えたばかりの九郎が、いきなり敵ボス?本陣へ乗り込みます。
蜂谷が保健室でマコに戯術を施している頃、九郎は主事がいる場所を探していた。
野口とカメラ女子・佐藤から主事のいる場所を教えて貰った九郎はその場所へと向かう。
敵本陣に単身乗り込んだ九朗は……
本記事では、『アンダーニンジャ』第39話[オカルト好きは語りたい]のあらすじと感想を紹介していきます
※ここから先はネタバレ注意です。
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アンダーニンジャ39話のあらすじネタバレ
敵のギャル軍団のボス・マコに続き、瑛太をいじめていた連中も撃退。
ひと仕事終えた九朗としては、このままアパートに帰って寝たいところでしたが、思うところあって踏みとどまります。
【校舎内・廊下】
以前所属していた”イケてるグループ”からハブられている野口。
教室に自分の居場所がなく、廊下でスマホを見ているフリをして休憩時間が終わるのを待っていました。
今さら下に見ていた別のグループに入っていく勇気もなく、こうして廊下で何かをしている人を演じているほか無かったのです。
野口とは反対方向から廊下を歩いてくる佐藤。
偶然見かけた「上半身の無い男子」のことを誰かに話したくてウズウズしていました。
(それは摩利支天を起動させた九郎のことですが、もちろん彼女はそのことを知りません)
けれどオカルト好き女子と思われ、クラスの居場所が無くなってしまうのではないかという疑念が拭いきれず、誰にも話せません。
さらに佐藤は「上半身の無い男子」を目撃したことで学校のことを色々調べてもいました。
ダストボックスに男子がふざけて入ったきり行方不明になった話…
学校の森のビオトープが底なし沼で男子が行方不明になった話…
これら学校の黒歴史と上半身の無い男子について誰かとディスカッションしたいと思いながらボーっと廊下を歩いていたその時、
互いの存在に気がついていなかった野口と佐藤は危うくぶつかりそうになります。
驚いて立ち止まり、顔を見合わすふたり。
お互いに面識はあるものの、野口は佐藤をクラスの地味な子としか思っておらず、佐藤も野口をクラスの派手な子としか認識していません。
これまで特に接点もなかったため、ばつが悪く、何か話さなきゃと焦るふたり。
野口が先を制し、何してるの?と廊下を歩いていただけの佐藤に的を外れた質問。
何してるのって…戸惑う佐藤はとっさに「外で…」と上半身の無い男子の話をしようと返答。
「外」と聞いた野口は佐藤が話を切り出す前に外に何か?と窓から外の中庭を見下ろします。
するとそこには偶然にも九郎が。
九郎くんだ…と呟く野口に、佐藤も中庭を見下ろして九朗を確認。
雲隠さんだ…と九郎の名字を呟きます。
佐藤と九郎は席が隣同士。
転校初日の挨拶を終え、九郎が席に着いた時、教科書を持って来ているのか心配して話しかけていた佐藤の姿を偶然遠目から野口は見ていました。
そういえば…と、佐藤にあの時 九朗と何を喋っていたのかを訊ねます。
九郎からいきなり名字を聞かれたことを話す佐藤に対し、何故か対抗心が沸きあがる野口。
佐藤が九郎との親密さをアピールしてきたと捉えた野口は、私なんか九朗のアパートに行ってるんだから!と内心思いながら佐藤に見せつけるかのように窓から九朗の名を叫びます。
どう?私は下の名前で呼んでるのよとばかりに…
九郎くーんと呼ばれ、校舎階上の窓から顔を覗かせている野口と佐藤に気づき、丁度よかったと思う九郎。
九郎がアパートに帰らず学校に踏みとどまったのには理由がありました。
それは敵のボスと思われる主事と会うため。
しかし、まだ校舎の間取りを把握していないこともあり、主事が何処にいるかわからなくて困っていたのです。
九郎はふたりに主事の居場所をたずねます。
佐藤と野口は、主事がボイラー室によくいることを九郎に教えました。
ふたりに礼もそこそこに、九郎はボイラー室を目指します。
【ボイラー室】
十分に注意を払いつつ、ボイラー室に入る九郎。
室内に人の姿はなく、ボイラーの音だけが鳴り響いていました。
そこへ突然、何の気配も九郎に感じさせず主事が登場。
対峙するふたり。
忍務初日にいきなり敵本陣に入って来たことを一応は褒める主事。
九郎の今日の働きぶりに敬意を表し、主事はあえて忠告します。
キミ達忍者お得意の透明化は自分には通用しないからねと……。
アンダーニンジャ39話の感想と考察
忍務地が学校ということもあり、いかにもアオハルな場面が随所に散りばめられていてキュンてします。
教室に居場所を感じられなくなって廊下やトイレで時間を潰す姿。
イケてるグループにいた子がハブられ、他のグループに接近している姿。
誰でも実際に一度くらいは見覚えがある場面が今回描かれていました。
それもクラスのヒエラルキー構造に異変が起きた時、部外者といえどもそれを敏感に察知することまでサラッとご丁寧に。
もはや学校の風物詩みたいなものなのでしょうが、印象に残る場面であったと思います。
さて、九郎の狙いは何でしょうか。
ボスとおぼしき主事を討つつもりでボイラー室に乗り込んだとは思えません。
摩利支天の電池も切れていますし、雌雄を決することが目的ではないでしょう。
となると、情報収集以外にありません。
つまり「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」ということ。
九郎は戦わずして勝つことが可能ならば、それが一番だと考えているのかもしれません。
これまで作中の端々で語られてきた情報から、雲隠一族は死からどれだけ逃げられるか、死なないためにはどうすればいいかを極めようとしていた一族なのだと考えられます。
一族一の使い手と目される人物のコピーとまで言われている九郎ですから、死を避けることに関しては超一流なはず。
そんな九郎ですから、ボイラー室に乗り込んで主事と会ったのは、この忍務で死なないために足りない情報を補う必要があると考えたからではないかと考えます。
もしくは…
九郎は過去に主事と同じ「順風耳」使いと戦ったことがあって、何か「順風耳」対策があるのかもしれません。
その場合は主事と雌雄を決した上で、情報を聞き出す算段なのかも。
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