2020年7月27日発売の週刊ヤングマガジン2020年35号で、『1日外出録ハンチョウ』74話が掲載されました。
『1日外出録ハンチョウ』74話は、新型ウイルスの影響により、突如地下で始まった持ち回りの給食当番制。
各班の代表がそれぞれの経験を活かして料理の腕を振るう中、様々な料理を食してきた大槻は一体何を作るのでしょうか。
本記事では、『1日外出録ハンチョウ』74話『自炊』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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1日外出録ハンチョウ74話のあらすじネタバレ
地上での新型ウイルスによる外出自粛やソーシャルディスタンスの確保など、地上同様に地下も様々な寄生が敷かれ始めた前回。
日数が経ち、地下から感染者が出なかったことにより次第に規制は緩和され始めました。
しかし、地上からウイルスが持ち込まれ地下で感染が拡大してはいけないと、一日外出や黒服の監視は以前よりも厳令化されました。
そして、地下での給食にも変化が訪れました。
それまで厳重防備した黒服によって行われていた調理が行われていましたが、各班持ち回りでの自炊制になりました。
感染予防の為とはいえ、帝愛のこの対応に地下の不満は爆発するかと思われましたが、以外にも受け入れられました。
規制が緩和されたとはいえ、未だに続く地下経済の停滞により様々な娯楽が禁止されている地下住人にとって『料理』という新たな作業は気分転換にもなりました。
加えて、前給食長の鉄人・柳川の意志を受け継いだ現給食長の川井が今回の為に安価でコスパの良いワケあり食材や香辛料などの調味料を仕入れていたので、料理の質と幅も必然的に上昇し地下住人たちも大盛り上がりです。
初日、A班は一時期ハマっていたというパスタ作りの腕前を披露した若手の島田。
翌日のB班は、スーパーで惣菜作りを経験していた奥田が天ぷらを振る舞いました。
地下で天ぷらが食べられるという事にも、その味にも絶賛する住人たちですが、翌日に控えたC班の班長小田切は冷静でした。
料理をする山木はパスタや天ぷらを美味しいと言いつつも、ボクの料理の前座と言い、笑みを浮かべます。
地上にいるときは自堕落で手間をかけると言うこととは真逆の適当な生活を送ってきた多重債務者たちですが、この突然訪れた自炊の機会に手間など惜しまずに、料理の魂が燃えていました。
そしてC班の山木が作ったのは、海南鶏飯(ハイナンチーハン)と呼ばれるタイのチキンライス『カオマンガイ』でした。
山木は荻窪のエスニック料理店で働いていた経験があり、その力を存分に発揮しました。
モモ肉と間違う程ジューシーなムネ肉に、次元が違うと驚く住人たち。
翌日のD班は、小2の夏の将来の夢が一流シェフだった吉田による和風麻婆豆腐と続き、ついに大槻のいるE班は翌日に出番が回ってきました。
しかし、数日分の食材を一度に仕入れたことにより日持ちする根菜や缶詰系だけが残ってしまい、E班の料理は限られたものしか作れません。
沼川はそんな食材を前に何を作れば良いのかと、既に負けを認めたような悔しげな表情を見せます。
そんな不安も気にせず、大槻はカレールーもあった事からみんな好きだしカレーでいいとあまり気にしていないようです。
これまでの料理や、グルメと知られていることで期待されてしまっている状況に、沼川はカレーではインパクトが無いと反論しますが、大槻は多分大丈夫と意に介さない様子です。
ルーは市販で見た目は普通のカレーに、C班の山木と小田切は今回の勝負は投げたと判断し笑みを見せますが、後方から突如聞こえた絶賛する声が聞こえました。
カレーなんて誰が作っても同じと山木は一口カレーを食べてみると、その味に言葉を失います。
小田切と二人で戸惑っているところに、大槻がやってきました。
玉ねぎやじゃがいもやトマト缶をたくさん入れ、それらの水分だけで野菜本来の甘みが際立つ濃厚な『無水カレー』の説明に、余裕の表情を見せていた山木は反論も出来ません。
幸いなことに前の班の方たちがそれらの食材をふんだんに残していてくれたと言う、悪い笑みを見せる大槻。
続出するおかわりの声に、ついに山木も負けを認めおかわりをしました。
未だに地上も様々な問題を抱えていますが、地下もなんとかやっているようです。

1日外出録ハンチョウ74話の感想と考察
前回の新型ウイルスによる自粛生活はまだ続いています。
現実世界に合わせて行くとすれば、コロナが落ち着くまで外出出来ないのなら『1日外出録』という作品名すら危うくなるような気もしますが、どうなっていくのでしょうか。
そんな自粛生活が続く中で突然始まった持ち回りによる料理。
兼ねてからライバル関係にもあったように見えるC班小田切と大槻は自然に勝負するような形になってしまいます。
各人経験を活かした料理を振る舞いますが、スーパーで働いていたりエスニック料理店で働いていた人も地下にいる以上は多重債務者ということで、さりげなく深い闇が見えます。
まともに働いていても生活できない給料だったのか、ギャンブルによる借金なのかわかりませんが、現実もそんな人が多いのかもしれません。
食事シーンが多かったこともあったり、規制緩和ということもあったり地下の住人たちはマスクをしていませんでしたが、現実も同様にマスクをしていない人がチラホラいたりします。
未だに終息の目処が立たない新型ウイルスによって、この作品でも外出出来なくなってしまっているので、また外を楽しむ大槻たちの姿が見られると良いなと思います。
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