2020年7月9日発売の週刊ヤングジャンプ2020年32号で、『少年のアビス』18話が掲載されました。
『少年のアビス』18話は、似非森と再会したチャコはある場所に連れていかれて大興奮の表情を見せてくれます。
そんなチャコの本名や、ナギの事も少し明かされ似非森が作品の重要キャラになり始めたようにも思えます。
本記事では、『少年のアビス』18話『朔に待つ』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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少年のアビス18話のあらすじネタバレ
ある過去のひと時。
部屋にいるナギに、お土産として『ベタ』という1匹の熱帯魚を買って来た野添。
静かな水の中で1匹しか飼えないというその魚は、綺麗で孤独でそっくりという事から、野添は『凪』と名付けました。
ただただ水槽の中にいつ熱帯魚を眺めるだけで、野添の言葉にナギは何も言いませんでした。
令児が見たあの熱帯魚にはそんな話がありました。
その令児は学校の進路指導室で、担任の柴ちゃんから家の合鍵を貰いました。
いつでも逃げて来られるようにという事でしたが、令児の表情は暗いものでした。
令児とたくさん話し合い、母親にばれずに進学して町を出るために、慎重に進めないといけないことを柴ちゃんは話しますが、令児の様子に帰宅後に母と何かあったと察します。
尋ねたところで令児はいつも通りと答えますが、柴ちゃんはいつも通り哀れで一人ほっておけないお母さんだったと解釈して再度尋ねます。
令児は何も言えませんでした。
言葉を無くす令児を後ろから抱き締め、高校を卒業するまでの間懐柔し続ける母親に負けちゃダメと言います。
自分と共に戦い、勝って町を出ると令児を説得しキスをする柴ちゃんは、今日来る? と聞きます。
令児は新月の次の日に友達を会う約束をしているからという事で、新月が過ぎたか聞くと、変な約束とぼやきながらも柴ちゃんは調べてくれました。
その結果、新月は今夜と言う事でした。
そんな新月の夜に橋の欄干で、嫌いだった彼岸花が満開に咲いている事すら喜んでいるのはチャコでした。
似非森に会い、彼岸花を貰った日に名前を聞かれたチャコ。
店が秋山茶舗と太っているからぽちゃこでチャコになったというその名前を、似非森はかわいいと言いました。
本名よりもマシと言うチャコに、本名を聞くと『朔子』と答えました。
花が咲くではなく、新月の朔というその字は真っ暗で月のない夜を表し、可愛くないし古臭いしとチャコは不満たっぷりです。
そんなチャコに次の新月にここで待ち合わせしようと、似非森は提案し、その日がやって来たのです。
煙草の煙を燻らせ現れた似非森に、チャコの表情は明るくなります。
行き先を聞くと、似非森は自宅に案内するという事で驚きと、行って良いのかと言う戸惑いチャコの足は止まってしまいます。
奥さんのいるマンションではなく、実家の執筆部屋を見せてあげると似非森は言うと、結婚していた事にほっとするチャコ。
こんな子豚を女性として見るわけがないと自分に言いながら、どんな相手かを尋ねるチャコ。
お金があった頃は女優なんかも寄って来たものの、今は慰謝料で借金まみれということで何度も結婚するものじゃないと似非森は笑って言います。
それでも去年結婚したと言う事から、相手はよほど素敵な人なんですかとチャコが尋ねると、空っぽで寂しい人と応える似非森。
小説の世界のようなそんなエモい表現に、自分とは生きている世界が違うとチャコは心を鷲掴みにされました。
ついた自宅に入ってみると、退廃的似非森ワールドそのものの家の中にワクワクするチャコ。
執筆部屋に入ると興奮冷めやらぬ表情です。
母の足腰が悪くてほとんど実家で過ごしているという似非森に、奥さんがマンションで一人暮らしみたいだと、チャコも興奮してばかりではいられませんでした。
始めは二人でここに住む予定で、介護をするつもりで勉強までしていた奥さんでしたが、母が嫌がったという事でほとんど別居状態になってしまいました。
似非森の本を読んで投稿した読書感想文を読んでもらおうと、嬉々として鞄から出すチャコですが、その辺に置いといてという雑な反応にショックを受けた表情を見せます。
しかし、ベッドに座りおいで朔子と言う似非森に、嫌いだった自分の名前が結構いい響きだとこの時は思いました。

少年のアビス18話の感想と考察
冒頭のシーンがいつなのかはわかりませんが、似非森がチャコに言ったように空っぽで寂しい人という言葉がそのまま絵になったようなナギの表情でした。
そうなるとどうして結婚したのかという事も気になって来ますが、生きたい理由も死にたい理由も無いというのと同じで、結婚を断る理由もする理由も無いという事なのかもしれません。
そして学校での密会とも言えるような柴ちゃんと令児のやり取りはいつか他の生徒や先生に目撃されて終わりを迎えるような気がしてなりません。
令児もあまり柴ちゃんに対しての印象が良いようにも思えないのですが、どうなのかまだわかりません。
新月の次の日に友達と会うという事だったので、この日は柴ちゃんの家に行く事になったのでしょうか。
そんな友達であるチャコの名前がようやく明かされました。
お茶屋さんだから『茶子』ではなく太っているからという由来のチャコはある意味イジメとも捉えられますが、そんな理由なら言い出しは令児ではないだろうし、由来もわからずに令児は呼んでいるような気がします。
そして、似非森によって嫌いだった彼岸花や名前に対する想いがどんどん変えられて行き、ベッドで呼ばれるチャコは貞操の危機が待っているかもしれません。
次回似非森の部屋で何が起きるのでしょうか。
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