2019年11月25日発売の週刊ヤングマガジン2019年52号で、『アンダーニンジャ』第27話が掲載されました。
『アンダーニンジャ』第27話は、水遁の術を繰り出すも「五色米カンニング大作戦」を完遂することが出来なかった九朗が、合格をかけ面接試験に全力で挑みます。
同じ教室で補習を受けていた野口に邪魔をされ、渾身の水遁の術も空回りに終わった九朗。
国語・英語・数学の内、解答できたのは国語だけ。
試験管の先生に国語の結果だけをもって学科試験の合否を決めてくれるように口約束はしてあるものの心もとないのは確か。
残るは面接試験のみと追い詰められます。
学科の失態を取り戻すには、面接試験で完璧以上の成果を上げる以外にありません。
しかし、面接用のカンニングなど用意されてはいません。
忍者でなくても、身につけている人は身につけている”あの術”を発動させるしか…
はたして、九朗は忍務初日で早々にお役御免とされてしまうのでしょうか。
本記事では、『アンダーニンジャ』第27話[九朗、小便漏らしたってよ]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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アンダーニンジャ27話のあらすじネタバレ
九朗は先生に付き添われ、トイレで濡れたパンツを履き替えます。
使用済みパンツの入ったビニール袋片手に、飄々とトイレから出てくる九朗の姿を見て先生は思うのでした…
堂々としてるなぁ…漏らしたくせに。
教頭先生の面接があることを伝え、ノックと挨拶はキッチリするよう九朗に言い残し、先生は採点のため職員室へ。
ガチャ
ノックも、まともな挨拶もせず、教頭の待つ教室に入る九朗。
教頭は九朗の資料を見ている最中でした。
ノックも挨拶も無かったことを軽く咎めますが九朗も軽くそれをスルー。
席に座り二人は対峙します。
教頭は九朗の無精ひげを見て、高校生なのに何でヒゲのばしてるのと質問。
それに対し九朗は、ハナ毛はいいんですかと聞き返した後、顔を教頭に近付け、小声で教頭の鼻の右の穴から1本のび出ていると教えてあげます。
えっ、うっそ、といった感じで教頭は慌ててハナ毛を探しはじめます。
九朗はそんな教頭を見つめ、ハナ毛一本はみ出させることで、ユーモアと閉塞感のある今の世の中には寛容さが必要だと、身を持って伝えているとは…そう聞こえるように呟き、感服したと伝えます。
えっ、そう、そうかも、といった感じで教頭は何の話をしていたか忘れ、次の質問に移ります。
志望動機を訊ねられた九朗は、兄 雲隠八郎の母校であり、兄から先生方の指導が素晴らしいと聞いていた話し、今日 教頭先生のお話を聞いてそれが嘘ではなかったとしみじみ。
えっ、兄さん卒業生なの、といった感じで今度は九朗の兄弟の話に移ります。
九朗の兄が八郎だから九人兄弟なのかと訊ねる教頭に対し、八人兄弟ですと答える九朗。
一、二、三、五、六、七、八、九の八人だと。
えっ、四郎は?と、もはや「郎」確定で九朗の兄弟の名前を決めつけている教頭。
九朗も九朗で四は縁起が悪いとかなんとかでいないのですと話を合わせていきます。
そんな面接状況を学校の外で盗聴していた加藤。
適当なことを喋る九朗のせいで後で資料の変更など、話の裏付けを作らねばなりません。
余計な仕事を…
そう思いながら、ふと昨日同じ中忍仲間と話した会話が頭をよぎります。
加藤は九朗たち下忍の忍務内容が自分には知らされていないことに不満を持っていました。
他の中忍仲間には知らされていたからです。
そんな不満を仲間に話す加藤。
おそらくそれは、今回潜入する下忍4人の内3人は中忍の弟子、いわば師弟関係で結ばれているが、九朗は加藤の弟子ではない。
だから加藤には何も知らされないのではないかと仲間が言います。
加藤はその説明に全く納得してはいませんでした。
盗聴している内容を聞き、九朗の潜入成功(合格)を加藤は確信します。
この場を後にしようとワゴン車のキーを回しますがエンジンがかかりません。
車の外に出て後部を調べると、マフラーに冷凍バナナが詰め込まれていました。
いったい何者が…
その頃、面接にしては長すぎると思った先生は様子を伺いに九朗のいる教室へ向かいます。
九朗は教頭を次期校長と呼び、昔はモテモテだったんじゃないですかぁとヨイショ。
えっ、校長?まだ早いよキミィってな感じで膝ではなく肘を突き合わせて話す教頭。
まるで酒場にいるかのような二人の姿に先生は驚きます。
面接を終えた九朗が生徒用玄関口から外に出ると、突然背後から声を掛けられます。
振り向くと講談高校の制服を着た見知らぬ男。
その男は来週から楽しみにしているとだけ言って姿を消します。
アンダーニンジャ27話の感想と考察
今回、九朗がお披露目した術は”人心掌握術”でしょうか。
まんまと教頭は術にかかっていたように見えましたね。
それにしても九朗の話す事はどこまで本当で、どこまで嘘かわかりません。
以前に一人っ子であると言っていました。
九朗の名前の由来も”苦労”であると。
野口には母親は夜の仕事をしていると語っていましたが、九朗が生まれてすぐに家を出たとも以前に話しています。
忍者たるもの、易々と身の上を話さないってことなのかもしれませんし、単に意味のない嘘を着くのが好きなだけかもしれません。
ただ、微妙に符合するような事も話してもいます。
以前に中学の時、無二の親友がいたが落雷で命を落としたと話していました。
これなんか最後の部分を除けば殆ど合致しています。
九朗って未だになかなかつかみどころがないですよね…
そして、気になったのが今回の忍務における加藤と九朗の立ち位置。
九朗に制服を届けた時が初体面であったことからも、二人が師弟関係でないことはわかっていました。
ですが、加藤が任務内容を聞かされていなかった理由が、九朗とは師弟関係に無いからだけだったとは…
てっきり加藤がアンダーニンジャと何かつながりがあるからだと思っていましたよ。
これはつまり、関係者以外には味方でも情報を与えない、流さないっていう忍者の掟なのでしょう。
そうなると可哀想なのは九朗です。
他の潜入下忍3人は、師匠である中忍から高校に潜入して何を探るのか目的を聞かされているでしょう。
けれど九朗は潜入の目的も知りません。
それを自分で探らなければならないのです。
これは見方を変えれば、九朗の能力を高く評価しているからとも考えられますね。
手助けなどなくてもやり遂げる能力があると。
同じ理由から加藤にも何も知らされてはいないのかもしれません。
それだけ二人は優秀だということでしょうか…
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