『二月の勝者-絶対合格の教室-』は2018年からビッグコミックスピリッツにて連載の高瀬志帆先生による人気漫画です。
22~24話では、偶然会った灰谷に、佐倉は黒木の意外な話を聞いてしまいますが、どうにも黒木が言った事とは真逆の事を言っていて困惑する事になってしまいます。
本記事では、『二月の勝者-絶対合格の教室-』22~24話のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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漫画『二月の勝者』22~24話のあらすじネタバレ
22話「五月の嘘」
実家に着いてみると、祖母のためにバリアフリーにしたり綺麗になっていたりと、色々リフォームされて変わっている事に驚かされました。
さっそく祖母に会いに行くと、そこには50年前に佐倉の祖母から教わったという元生徒さんが訪れていました。
教職を退いて20年も経つ現在も、未だに生徒たちの来訪があるという佐倉の祖母は元・学校の先生でした。
兄夫婦の子どもとも遊び、『小学校受験』をさせようと思っていると、兄嫁に聞かされた佐倉は驚きますが、その為の塾通いも、佐倉が塾で働いている事も内緒にされています。
小さい頃の夢だった学校の先生になったと嘘をついている事を兄の修治は謝りましたが、涙を滲ませ喜ぶ祖母に佐倉も本当の事は言えませんでした。
郷土料理でもあるほうとう鍋を振る舞われながら、佐倉は教育ママになっているという兄嫁に『進学塾』について聞かれます。
モチベーションを持たせる為には早いうちから塾漬けにするよりも、興味を持たせる事が大事と話し、自然体験や博物館と言った例を挙げます。
そんな流れから、兄家族と一緒に県立博物館に行く事になりました。
23話「五月の出会い」
早速走る子どもを追い掛ける兄夫婦と、顔はめパネルに気を取られてはぐれてしまった佐倉。
そこで佐倉は先日ファミレスで見たフェニックスの講師を会い、思わず『フェニックス』と呼んでしまいます。
自分の名刺を渡すと、フェニックス講師の灰谷はすぐに黒木の名前を出します。
同業者と会ったのも何かの縁という灰谷の提案で、佐倉は一緒に回る事になります。
宇宙飛行士が夢だったという灰谷は、宇宙マニアを自称し、地方の宇宙関連の博物館に訪れるそうです。
小惑星コーナーになり、『イトカワ』のパネルを見つけた時には語り始め、授業でもつい脱線してしまうと灰谷は笑います。
黒木先生もよく脱線しませんかと聞かれますが、怖くて授業を見た事がないという佐倉。
顔を近付けて変な圧をかけると言うと、ド近眼だからよく見ようとして近付いているだけという意外な返答がありました。
以前サッカーのリフティングをしたと聞くなり、灰谷は態度が変わり黒木に気を許してはいけない、平気で子どもを裏切る人間と言います。
子ども『は』裏切ると以前黒木が言っていた事を思い出し、佐倉は困惑する一方です。
しかし、子どもの夢を進学校の選択の指針にするという佐倉の考えには、黒木同様に灰谷も論外だと否定的です。
子どもの夢はコロコロ変わるもので高学歴の学校を目指すべきだと断言します。
夢は『宇宙飛行士』だった灰谷も実際には塾の講師をしている現在があるように、夢を叶えられるのは一部の人間だけなので、せめて色んな職業が選べるように高い学歴を子どもたちに与えるべきだと灰谷は言います。
黒木の事で相談に乗ると名刺を渡し、灰谷は帰って行きました。
24話「五月の回答」
桜花ゼミナールのお茶の水本部を訪れた黒木は、社長の白柳徳道に桜花の感想を尋ねられます。
学ぶべきことが沢山ある良い環境と言う黒木に、白柳は『あの子』の話を持ち出します。
吉祥寺校では、佐倉が休日に会った灰谷との事を桂に話しているようです。
トップ中学を目指すべきという、フェニックスの講師ならではの考えに桂はうちにはうちのやり方があると気にしていない様子です。
しかし、お金や時間を掛けてトップじゃなくてもいい理由を佐倉は考えてしまいます。
そんな悩みを抱える佐倉に、桂は志望校を選ぶときに『どんな大人になって欲しいか』を尋ねると言いました。
私立中学の学費500万円前後のお金をかけて手に入れたいのは学歴だけですか? とそんな桂のヒントを元に、佐倉は中学受験ガイドを改めて読み直します。
偏差値以外の所を注目するように言われ見てみると、どこには様々な校風や、制度が紹介されていました。
将来の夢の作文に悩む浅井に、ある学校のパンフレットを渡しました。
あくまでも『お花屋さん』という夢を信じていた佐倉は、園芸の授業がある学校を勧めますが、本気で花屋を目指しているわけでも園芸が好きなわけでもないと言われてしまいます。
親の希望と本人の希望が合致した学校だっただけに、佐倉は肩を落としますが、偏差値の高い学校よりも本人にあった学校を勧めて行くという方針で決意を固めたようです。
一応渡されたパンフレットを見た浅井は、制服が無い事や、クリスマス礼拝といった園芸とは別な所で興味を持ったようです。
そんな夜、黒木は例の家を訪ねていました。
この日は返事が無いようですが、黒木はのんびり待つよとドアの向こうに語りかけます。

漫画『二月の勝者』22~24話の感想と考察
佐倉の帰省から始まった22話。
塾に対して祖母がどんな思いを抱いているのかは語られませんでしたが、良いように思っていないのは確かです。
そして再び出逢った佐倉と灰谷。
一緒に博物館を周る中、黒木が授業中よく脱線するという意外な話が聞けました。
プライベートとは違い、塾では堅いキャラなので雑談をするイメージがありませんが、元々ラフな話し方をする人なので一体どんな授業が行われているのか見てみたいです。
小学生の夢はコロコロ変わると言われていて思い出しましたが、自分が小学生の頃にあるバラエティ番組でゲーム開発の現場を紹介する回がありました。
作ったゲームのバグチェックをする『ゲームテスター』という仕事に、その年の男子のほとんどが将来の夢をゲームテスターと書いた程の人気でしたが、翌年にはもうほとんどその夢を書く人はいませんでした。
それくらい小学生の夢なんてコロコロ変わるし、それなら将来の選択肢が広がるようにしておいた方が良いという灰谷の考えも理解できます。
そんなフェニックス方式とは違い、あくまで桜花は桂が言うように『どんな大人にしたいか』を考えた志望校選びを勧めます。
親の思う理想の大人になれる学校選びか、選択肢が広がる高学歴の学校選びかという2つの学校の校風が顕著に表れていると思います。
そして初登場の桜花の社長も、黒木が訪れる『あの子』のことを知っていました。
やはりそれが黒木というキャラクターのキーになっているように思えます。
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