『私たちはどうかしている』は、漫画雑誌『BE・LOVE』(講談社)にて、2016年24号から連載されている安藤なつみ先生による人気漫画です。
2020年には浜辺美波と横浜流星主演でドラマ化されるなど、話題の作品です。
6巻は、催事に出すわらび餅の完成に奮闘する七桜。
そしてまさかの真実が七桜を襲います・・・。
本記事では、『私たちはどうかしている』6巻のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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漫画『私たちはどうかしている』6巻のあらすじネタバレ
26話 覚悟
催事担当の松原におめでたですかと聞かれ、慌てる七桜。
もし、もし妊娠していたら椿はどう思うのだろうか、覚悟して嘘をついたのに、何一つ真実は見つけられていない、結局自分は昔と変わらず、どうしようもなく椿のことが好きなんだと七桜は思いました。
家に戻り、妊娠しているかもしれないと思いながら、厨房でわらび餅をなんとか完成させようとしている七桜。
そこへ女将がやってきて、催事に出すのはわらび餅ではなく、光月庵のお菓子だから作るのをやめるよう言います。
しかし七桜はわらび餅を作りますと言うと、女将が手を上げようとした瞬間、椿がやってきて女将を止めます。
催事にわらび餅を出すことは自分が認めたと言い、女将は厨房から去りました。
椿は何にしろ、このわらび餅は練り過ぎて固くなってると言うと、七桜は集中するわと言って無駄にしてしまったわらび餅にごめんねと謝ります。
翌日、薬屋さんで妊娠検査薬を買った七桜はチェックすることにしました。
妊娠判定の結果を知った七桜は催事に向けてさらにわらび餅作りに精を出します。
すると女将が城島にお金を渡し、お母さんの入院費はこれで足りるかと聞き、さらにやってほしいことがあると言います。
そして催事前日、作ったわらび餅を椿に食べてもらうと、3年前に食べた味だと言います。
悩み事は解決したのかと椿が言うと、今はわらび餅を作ることに集中しなくちゃと思ってと七桜は言います。
そして七夕が終わったら椿と話がしたいと言うと、そういえばちゃんと話をしたことがないなと椿は答えました。
催事当日の朝、厨房に行くと、作ったわらび餅が全て下に落ちていて、食べることができない状態になっていました。
青ざめる七桜に女将は富岡が作った光月庵のお菓子があるからこれを催事に持っていくと言い、七桜に商品を管理できないなんてダメだと言います。
落ちたわらび餅を拾いながら、どうしてあなたが椿の母親なんだと言い、七桜は私の作ったわらび餅を出しますときっぱりと言い切りました。
27話 新生わらび餅
――――― 催事前夜、女将に頼まれた城島は並べてあるわらび餅を叩き落とそうとするも、できませんでした。―――――
女将はわらび餅を作るのに時間がかかるのに、催事まであと3時間で作れるはずがないと言います。
そこへ椿が何事かとやってきました。
女将が七桜の管理不足だと言い、上生菓子と星形の最中があるからこれで催事はいけると言うと、椿はあるものを持っていくぞと出ていきました。
嬉しそうに微笑む女将を追いかけた城島は、わらび餅をダメにしたのはと言うと、女将は誰かが役立たずだから仕事が増えたと言って去っていきました。
ショックで厨房に戻った城島は七桜に催事に行かないのかと尋ねます。
これを片づけたら行って自分の作ったわらび餅を食べてもらうと言うと、城島はでもどうやってと言って落ちたわらび餅を拾おうとした瞬間、七桜の言っている意味が分かりました。
催事ではお客様がたくさんきてどこも賑わっていました。
女将が星形の最中をお客様に説明しようとした瞬間、七桜がご試食いかがですかと星形の最中を差し出します。
この星形の最中の中には七桜の作ったわらび餅が入っていました。
それを見て驚く女将。
とろとろのわらび餅は瞬く間においしいと評判になって、光月庵のブースにお客様が押し寄せるほど大盛況になりました。
お客様の笑顔の花が満開になったのを見た城島は、父親があそこまでして店を潰したくなかったのは自分にこの笑顔の花を伝えようとしていたからだと気付きました。
女将はあなたも知っていたのねと椿に言うと、アドバイスをしただけだと言います。
あの床に落ちたわらび餅は今まで七桜が作って失敗したものだったのに、和菓子屋の女将とあろう人が気付かなかったのかと椿は言いました。
そして3年前、しまやのわらび餅をダメにしたのはあなたですよねと女将に言うと、女将はそれであなたは勝てたじゃないかと言いました。
ひどい人だと言う椿に、女将はそれでもあなたは私を突き離さないと言うと、椿は無言になりました。
催事が終わり、担当の松原がやってきて、まだ集計が出ていないけれど、光月庵のわらび餅が一番人気になると思うと言い、商品名はどうするかと尋ねます。
すると椿が「しまや」でお願いしますと言いました。
城島はその言葉に驚きます。
七桜も一生懸命、父のわらび餅を再現してくれて、どうしてそこまでしてくれるのかと城島は尋ねました。
すると七桜は途中から作ることに意地になってしまって頭の中はわらび餅のことしか考えられなくてバカだと笑顔で言いました。
28話 決意
七夕が終わり、椿と七桜はまだ話をせぬまま、結婚式の準備で忙しくなってしまいました。
城島はお金は必ず返すと椿に言うと、わらび餅を買い取ったお金だからいらないと椿は言います。
城島はあのわらび餅はいつか必ず自分のものにすると言って頭を下げ、その場から離れました。
そこへ七桜がやってきて、城島は当分ここで働くらしいと椿が言うと、七桜は嬉しそうによかったと言いました。
そして椿が結婚式に招待するのは母親だけでいいのかと尋ねると、夕子さんのことだと思った七桜は遠くから来るのが大変だから呼ばなくていいかなと思うと言いました。
そこへ女将がやってきて、お母さんはすぐそこでお店をやっているんでしょうと言うと、七桜はお店が休めないから式は呼ばなくていいと言いました。
すると椿が明後日おかあさんのお店に行こうと言います。
お店に行くと夕子が温かくふたりを迎えてくれました。
椿が結婚式に出席して欲しいと言うと、夕子は店があるから、着ていくものがないからと断るも椿がなんとかするからと言います。
困った夕子は本当の母ではないことを言おうとすると、七桜が慌てて違う話をしてごまかします。
椿は自分の家族は温かいものは一切なかったけれど、七桜はおかあさんが育ててくれたから今の七桜があるのでぜひ晴れ姿を見てやってほしいと頭を下げます。
そして椿は仕事があるからと七桜を残して先に帰りました。
七桜は夕子に巻き込んですみませんと謝るも、急に気持ちが悪くなって表へ出てしゃがみます。
それを見た夕子が妊娠しているのかと聞くと、椿には言わないでと七桜は言います。
――――― 妊娠検査薬でチェックした時、うっすら陽性反応しているのを見て、七桜は不安より嬉しい気持ちの方が大きくなっていました。―――――
思わず涙を流す七桜。
恨んでいたはずの椿を好きになって、妊娠もして、そんな自分を死んだ母は喜んでくれるのだろうかと夕子の前で涙が止まりませんでした。
夕子は私がもしあんたの本当の母親なら絶対幸せにおなりと言うと優しく声をかけました。
屋敷に戻った七桜は椿を信じて自分の正体を全て打ち明けようと心に決めたのでした。
29話 夏の夜
椿は七夕フェアのわらび餅を東京の百貨店でも販売することになったから出張で今晩から留守にすると言います。
まだちゃんと話ができていなかった七桜は行く前に素孤児時間が欲しいと言うと、椿は行っておきたいところがあると言います。
その夜、2人は光月庵の庭にやってきました。
ちょうど蛍がとてもきれいに飛んでいて、本物の蛍を初めて見た七桜はとても喜びます。
椿はここでなら話ができるだろうと言います。
そして椿は七桜にお前が好きだと言ってキスをします。
七桜は椿にお父さんのことをどう思っていたかと尋ねると、唯一自分を抱きしめてくれる存在で憧れだったと言います。
それを聞いて自分の正体を話そうとした瞬間、使用人がやってきてもう東京へ行く時間だと言い、椿はまた帰ってから続きは話そうと言っていってしまいました。
翌日、厨房では何やら騒がしくしていたので七桜が尋ねると、大旦那が結婚式と同じ日だった、毎年恒例の茶会を1週間延ばすと言ってきたと言い、お菓子をどうするかと悩んでいたところでした。
それを聞いて七桜は自分に作らせてほしいと言います。
蛍の生菓子にしようと考えていたところへ城島がやってきて離れの自分の部屋の窓が閉まらないから見に来て欲しいといいます。
城島の部屋にいき、窓を閉めると、城島は七桜にお茶を出しました。
そこへ山口がやってきて城島におつかいに行くよう頼み、城島は七桜にゆっくりしていってくださいと言って部屋に七桜をひとりきりにしました。
部屋から出た城島は山口に礼を言い、七桜はあの部屋が気になるみたいでちょっとの間貸してあげるんですと言います。
七桜はこの部屋が懐かしくて、身長を測ってくれた柱の傷や押し入れを見ていました。
押入れの中で一か所天井の色が違うところがあるのを見つけ、そこを開けてみると天井裏に道具箱があるのを見つけました。
道具箱を開けてみると、桜の型、母子手帳、へその緒を見つけ、これは母の持ち物だと気付きました。
そして「高月樹」、椿の父親から送られた手紙、さらに「七桜へ」と書かれた封筒も出てきました。
七桜はとても嫌な予感がしました。
30話 真実
封筒の中を見ると「DNA父子鑑定書」が入っていました。
七桜と高月樹の父子の確率は99.99・・・%
そして大倉百合子、七桜の母宛に高月樹から愛している、いつか一緒になろうと書かれた手紙がたくさん残っていました。
まさか旦那さまが自分の父親だったとは・・・。
そして鑑定書はもう一枚あり、椿と高月樹の父子確率は0%というものでした。
母は七桜を守るために、高月家の人間だと証明するものを残してくれていたのでした。
動揺する七桜は道具箱を持って慌てて母家に戻ります。
その時大旦那に会いました。
七桜は大旦那に椿を認めてくれたから式より1週間早くお茶会を早めてくれたのですよねと尋ねると大旦那は自分が一番恐れているのは光月庵が途絶えてしまうことだと言い、椿は一応世間から見たら跡取りだと話します。
すると大旦那はさくらという女の子を探している、息子がかつて愛した女性の子どもだ、椿から何か聞いていないかと七桜に詰め寄ります。
何も知らないというと大旦那は部屋へ戻っていきました。
七桜は思いました。
あの日、椿は父とさくらの母がキスをしているのを見て、やっぱり自分は父の子ではないと気付いたに違いない、そしてさくらを恨んでいるのはこの店を絶対渡さないという思いからだと知ったのでした。
七桜は頭の中がぐるぐるしていました。
でも大旦那の茶会のお菓子を作らなくちゃと作っていても椿のことを思い涙が溢れてきました。
それから東京から椿が帰ってきて、職人から茶会の日程が前倒しになってそのお菓子を七桜が作ったから今大旦那に持って行ったところだと話を聞きました。
大旦那のところへ行った椿は結婚式に出てくれるのかと尋ねます。
大旦那はやがて自分はくたばると言って、お菓子を一口食べます。
部屋を出て行こうとする椿を引き留め、このお菓子は誰が作ったのか、昔食べたことがある味だと言います。
帰ってきた椿におかえりなさいと言う七桜。
神妙な面持ちで椿の服を脱ぐのを手伝い、七桜は椿を苦しめたくないからこの人の前から消えるしかないと思っていました。

漫画『私たちはどうかしている』6巻の感想と考察
6巻が衝撃的すぎて読んで息がつまりそうでした。
3年前の催事の事件はやっぱり女将の仕業だったのですね。
そんな女将の裏をかいて、わらび餅を催事に持っていくことができて本当に良かったですし、城島の気持ちが恨みしかなかったのが、椿や七桜の姿を見てどんどん変わってきたのがすごく嬉しいなと思いました。
それと七桜はやっぱり妊娠していたのですね。
それを知った時嬉しかったというのは、本当に椿のことが大好きなんだなと改めて思いました。
このまま自分の正体を言ってもふたりで乗り越えてなんとかやっていけるのではないかなと思っていたのに、最後に衝撃的な真実が待っていましたね。
まさか七桜が光月庵の跡継ぎとは。
椿の父親が七桜の本当の父で、大旦那が七桜の本当のおじいさんということですよね。
椿は女将のどこかの男との子どもだから生物学的には結婚も問題ないけれど、光月庵を自分が継ぐという気持ちが強い椿が、さくらのことを知ったらそれはそれはショックであることは間違いないですよね。
七桜が全部を捨てて愛する人の前から姿を消そうと思う気持ちはとてもよく分かります。
別に七桜は光月庵の跡継ぎとかそんなことはどうでもよくて、ただ愛する椿の傍にいて大好きな和菓子を作りたいだけなのに、椿がさくらだと知ったらきっと深読みして、自分が後継者だと分かってて椿に近づいたと誤解されそうですよね。
ということは、高月樹を殺したのはあの女将なんじゃないでしょうか。
殺人を犯しておいて15年も光月庵にいるというのは普通の人だったら尋常じゃないですが、女将の性格の悪さからいったら可能性はありますよね。
こんな展開になるなんて想像もしていなかったです。
七桜はどうするのか、椿は気付いてしまうのか7巻が楽しみです。
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