2020年5月11日発売の週刊ヤングマガジン2020年24号で、『寄生列島』9話が掲載されました。
『寄生列島』9話は、脱出のための船が感染した莉子に燃やされてしまった事で、再び島から出られなくなってしまう千尋達。
燃え盛る船を島民に見られてしまった千尋達はどうなってしまうのでしょうか。
本記事では、『寄生列島』9話『私が守る』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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寄生列島9話のあらすじネタバレ
船が燃え絶望の表情を隠せない千尋達ですが、その犯人である莉子の登場に、40キロもの海を泳いで来た蜷川は貴重なサンプルだと嬉しそうです。
すぐに簡易的な検査を始めようと、手袋とゴーグルをつけて莉子の目を見ようとしますが、包丁を突き付けられます。
間一髪のところでかわし、尻もちをついた蜷川を突き刺そうとする莉子の目には寄生虫が這っていました。
愛しの寄生虫を前に、自分の命が危険にさらされていながらも、蜷川は実に満足そうな表情です。
千尋が抱きしめた事で莉子は正気を取り戻しました。
二次感染の恐れや、手に負えない事から蜷川に預けるしかないと父にも説得されます。
そこへ、懐中電灯の光がやって来ました。
火事を見つけ、通報を聞きつけてやって来た島の消防団でした。
莉子を連れ出した事も、火を点ける事も全て千尋達のせいだと決めつけられてしまいます。
火をつけてその混乱のうちに逃げようとしていたと言われ否定しますが、聞いてはもらえません。
消防団の男は莉子を島の子だから返せと言いますが、莉子がひとりぼっちの時に誰も気にしていなかった島民たちに返す気はなく、千尋は自分が守ると宣言します。
ふくろにしてでも莉子を取り戻そうと躍起になりますが、千尋の父はおだやかな表情で娘は一度言い出したら聞かないもので……と謝罪します。
暴力沙汰になればあなた達を治療するのが大変だから困りますと、威圧する父・瑞樹。
不審者として見つかった蜷川も共に長老の元に連れていかれる事になりました。
その長老の家では、儀式と称しその身を捧げる事になった少女達が様々な器具を用いられて長老に弄ばれ、すっかり気を失っていました。
一人座り込んでいる少女の元に、町内会長はみんな家族だ、助け合おうとニタニタと笑みを浮かべながら言いますが、儀式を終えた少女はすっかりふさぎ込んでしまいました。
そんな町内会長の元に、火事の主犯として連れてこられた千尋達。
話を聞いて貰える事も無く、町内会長は島民裁判を執り行うと宣言します。
寄生列島9話の感想と考察
感染した莉子に対し、船がない事よりも念願のサンプルが上陸早々に手に入りそうな事に蜷川は本当に嬉しそうな表情です。
火事も千尋達のせいにして話も聞いてくれないのでは、恐らく感染症の話も全く聞いて貰えないと思われます。
そうなると、今後島の感染を防ぐ方法はないと思われます。
ちょうど現実でも新型コロナウイルスで世界中がダメージを受けていますが、実際にそれだけ被害があるという話を聞いても自分が感染するとは思わず、フラフラと何も考えずに出歩く人も多いのが現状です。
そんな現実から考えると、この花山島の閉鎖的な風潮からすれば他所からやって来た不審者が感染症と言った所で信じてもらえるわけがありません。
しかし、このままいけば『感染者』である莉子が味方になっている可能性も高いです。
千尋達を助ける為に動くとまでは行かずとも、なにかしらの動きが結果的に千尋達を助ける事になりそうに思えます。
そうじゃなければ恐らく『島民裁判』というものから逃げる事も叶わないでしょう。
以前も一度見せた父瑞樹の本性というか怖い一面が、実に有効的に作用していると思います。
普段穏やかな顔をしているからこそ、活きる顔というか、暴力の匂いが凄くカッコいいですし、娘を守るためにしかその力を使おうとしないのがまた良いです。
長老はやっぱりご老体なので器具頼りなんだなと思いましたが、島の為と思い込ませて行われたその儀式にはちょっと吐き気がしますね。
描写が無かったので良かったですが、あまり見たいシーンではなかったと想像がつきます。
次回10話の『島民裁判』とはどんなものなのか、ひたすら希望の無い展開の連続は個人的には好きなので、明らかに好転はしないであろう展開には期待です。
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