2020年1月9日発売の週刊ヤングジャンプ2020年6・7号で、『新サクラ大戦 the Comic』12話が掲載されました。
WLOFプレジデントGは神崎すみれ司令に対して、世界統一華撃団構想を告げます。
それこそがWLOFの使命と告げる彼に対して、神崎すみれ司令の取る行動とは?
突きつけられた新ルールの下で帝国華撃団のメンバー達は困惑し、激情を覚える。
帝国華撃団とは各都市の個性、伝統、そして、舞台人として帝都の人々に安寧と平和を与える存在ではなかったのか?
それこそが無用と吐き捨てるプレジデントG。
華撃団の在り方が問われ、戦闘力こそが重視されるWLOF華撃団の結成こそが正義なのか?
本記事では、『新サクラ大戦 the Comic』12話『最強の華撃団』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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新サクラ大戦 the Comic 12話のあらすじネタバレ
世界統一華撃団構想に対して懸念を示す神崎すみれ司令。
プレジデントGの返す言葉は彼女に統一された華撃団こそがWLOFの使命であり、二都作戦の犠牲の多大さを訴えるものでした。
残された戦力の集中をせずして降魔に対抗出来ないと語るプレジデントGへの返答として各都市の防衛の在り方の是非を問う神崎すみれ司令。
彼女に防衛と言う考えを捨てるように、守るだけでは何も解決出来ないと続けるプレジデントGは力を集中した暁には総力を以て敵本拠地に攻め入り、殲滅を図ると宣言します。
プレジデントGは各都市の個性、伝統、唯の舞台人など無用と断じ、今必要なものは世界に散らばったバラバラの華撃団ではなく、唯一無二の力を持った華撃団である世界統一華撃団なのだと大仰に宣言します。
その為に今回の世界華撃団大戦を利用し、純粋な戦闘力で以て華撃団の優劣決定づけ、最後に勝ち残ったチームを中心としたWLOF華撃団の設立を目指していることを宣告するのでした。
変更されたルールは以下の通り
①競技ではなく命懸けの実践方式を採用すること。
②優勝チームが世界統一華撃団の代表に選出されること。
③敗退した華撃団は即時解散し、世界統一華撃団へと吸収されること
そのルール変更を見た帝国華撃団のメンバー達は各々が激情をぶつけます。
天宮さくらは「何故に華撃団どうしで実践を行う必要があるのか」
東雲初穂は「本気の戦い、即ち殺し合いに納得がいかない」
望月あざみは「里の掟17条に仲間と争うべからずとあること」
アナスタシア・パルマは「演舞がなくなれば、残るのは醜い争いのみで、自身の居る意味がなくなること」
クラリスは「自身の力を都市とそこに住む人々を守る力が単なる破壊の力に成り果てるならば」
それぞれがそれぞれの思いを口にするも、皆の気持ちはこのルール変更に到底納得がいかないものであったのです。
「競う」のではなく「戦う」ことで強さを決めることは本来の華撃団大戦の姿からはあまりにもかけ離れていると天宮さくらは静かな怒りを吐露し、それに神山誠十郎は答えることが出来ません。
皆の姿を見て、プレジデントGとの会見の場を回想する神崎すみれ司令。
彼女は帝鍵の在りかを問われるも、帝鍵が使用された二都作戦に参戦していなかったことを理由に白を切り通します。
攻勢の為に帝鍵を使用することに思いを馳せる神崎すみれ司令でしたが、情報が少なすぎることを皆に告げ、分からないことをこの場で議論しても始まらないと語ります。
そして、皆の心がバラバラになってはいけないこと、今は目の前の戦いに集中するべきなのだとその場を締めるのでした。
警報が鳴り響き、降魔の出現を帝国華撃団のメンバー達にもたらされます。
現場に到着するも、混乱が大きい為に市民を安全な場所に避難させることを決断する神山隊長。
それに同意した天宮さくらの目の前に伯林(ベルリン)華撃団の霊子戦闘機が現れます。
神山隊長は市民が密集している中で、躊躇なく戦闘を開始する伯林華撃団に正気を疑うも、放たれた攻撃は市民の間隙を縫って、降魔3体を一撃で以て仕留めることに成功します。
その実力に圧倒される帝国華撃団のメンバー達。
霊子戦闘機から顔を見せた伯林華撃団の2人は帝国華撃団のメンバー達に一瞥を向けると、我々が霊子戦闘機を用いて戦えば降魔などこの程度であり、更に上海(シャンハイ)華撃団のように棄権することを勧めてきます。
天宮さくらは「上海歌劇団は私達、そして貴方達も守ってくれたのにその言い方は……」と反論しますが、別に頼んだ訳ではなし、力無き者が敗れるのが自然の摂理、進化の法則だと無下にされてしまいました。
世界を守るのは伯林華撃団であり、我々こそが最強なのだと告げる中で、天宮さくらは否定し、「みんなが力を合わせないと」と言葉を続けるも、伯林華撃団はその必要性を感じてはいません。
無情にも去って行く伯林華撃団を見守るだけの天宮さくらは世界華撃団大戦の行く末を案じるのでした。
新サクラ大戦 the Comic 12話の感想と考察
WLOF華撃団、即ち世界統一華撃団の結成を目論むプレジデントGと神崎すみれ司令の駆け引きに始まり、世界華撃団大戦のルール変更に戸惑いを覚える帝国華撃団のメンバー達。
意外に思ったのは世界華撃団大戦の審査項目に演舞があったことです。
霊子戦闘機を用いた空手の演舞のような物なのか、いやいや、華撃団は歌劇団でもある訳ですし、舞台での演舞の可能性が高いのではないでしょうか。
個人的な所見ですが、「それは流石に必要なの?」と思ってしまいましたね。
アナスタシア・パルマが出る幕が無いと言っている以上は審査項目に今までのルールにはあったのでしょう。
帝都の平和を守り、帝都の人々に安寧と平和を与える面で考えると必要なのでしょうが、プレジデントGの考え方も理に叶っていると言えば、叶っています。
二都作戦で失われ、多大な犠牲を払った以上は専守防衛のままではやがてジリ貧に持ち込まれてしまいますから。
しかし、天宮さくらが望む華撃団とは全くもって異なるシステムなのも事実です。
帝鍵の在りかを勘繰られた神崎すみれでしたが、やはり彼女は帝鍵に関する何らかの情報を持っているのではないかと推測出来ます。
伯林華撃団の圧倒的実力を見せつけられ、意気消沈する帝国華撃団のメンバー達はこれからどうなってしまうのでしょうか?
果たして、世界統一華撃団構想はこのまま着々と進められてしますのでしょうか?
様々な疑問を残しつつ、次回の展開に期待したいと思います。
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