2020年4月16日発売の週刊ヤングジャンプ2020年20号で、『キングダム』639話が掲載されました。
王翦(おうせん)が用いた奇策に護送車の中で気付いた李牧(りぼく)でしたが、気付いた時には王翦の計略は完成しておりました。
飢えに苦しんでいた鄴城内の秦軍へと続々と運ばれてくる兵糧。
それは秦からではなく、斉国から運ばれてきたものでした。
飢え死にの恐怖から解放された秦軍は狂気乱舞し、趙国に斜陽の時が訪れようとしています。
本記事では、『キングダム』639話『吉報』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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キングダム639話のあらすじネタバレ
戦国七雄の最も東に位置する斉国の都、臨淄(りんし)にて、笑いながら「食べるが良い、秦の兵士達よ。斉国の飯は美味い」と語る斉王に相槌を打つ側近。
鄴城内では、斉国より運び込まれた補給物資によって、大量の料理の数々が並ぶこととなります。
兵士達は点心が容易されると、手を伸ばし、肉料理が容易されれば、こぞって手を伸ばします。
汁物がグツグツと音を立て、海鮮である海老の殻を割り、身を取り出します。
それぞれに椀が容易され、それに感涙しながら口にしていく兵士達。
河了貂(かりょうてん)は焦って食べる兵士達に「ゆっくりと食べるように」と注意をし、副長の渕(えん)も「慌てずに。弱って並べない者へ食事を届けるように。全員がきちんと食事を取れるように」と貪りながらも指示を出します。
尾平(びへい)が感涙し、呼吸を荒くする様を見て、「尾平のやつ、美味すぎて痙攣を起こしていやがる」と声を掛ける者に同意を示す者、「単に喉を詰まらせているだけ」と判断する者。
干斗(かんと)は「今まで食べた物の中で一番美味い」と号泣しながら料理を口にしています。
待っている者の為に料理を運ぼうとする者に「勿論」と感謝する河了貂。
お代わりを口にする者達が多数出る中、竜有(りゅうゆう)が腕を振るいます。
竜有が食べているかを確認する河了貂でしたが、「それどころではない。初めて目にする斉の食材に料理人としての腕がなる」と竜有は料理を作り続けるのでした。
慌ただしく、食材の使用優先順位を差配する河了貂に「お前がきちんと食え」と点心が口に入れられます。
点心を入れたのは信(しん)でした。
信は「十分だから、お前が休んで満腹になるまで食べて来い。あとは竜有に任せろ」と笑いながら口にします。
その言葉に竜有は悪態をつきながらも、「望むところ」と同意します。
「休んではいられない。待ちに待った食料がようやく届いた。全員に行き渡るように」と口にする河了貂に「きちんと全員に行き渡っている。だから、休息して食べろ」と信は河了貂を案じます。
河了貂の右手の矢傷を案じ、河了貂に食事を促す信。
突然、その場に座り込む河了貂を支える信に「心配ない。少し緊張の糸が切れただけ」と返す河了貂。
「今までのことが全て無駄になると思った。だから、本当に食料が届いて良かった」と泣きながら河了貂は口にします。
信は王翦将軍の策略が理解出来はしませんでしたが、確かな事実は「兵糧は秦軍が半年は持つ程に大量に届けられた」と言うものでした。
「難攻不落の鄴城に籠城しておけば、陥落することはなく、軍の力が回復次第、城から打って出ることも可能となる」と蒙恬(もうてん)からもたらされた情報を河了貂に信が伝えます。
「黒羊を陽動に列尾から趙国の王都圏内に侵入し、そこから3軍に分かれてそれぞれの洗浄に向かい、多くの犠牲の果てに、俺達は鄴を陥落せしめた」ことが意味することは秦軍の完全勝利と呼べるものでした。
秦王嬴政(えいせい)にやり遂げたことを心に思う信。
秦国の首都咸陽(かんよう)では鄴攻略の吉報によって、廷内が歓喜の渦に包まれていました。
全滅も覚悟していた不可能を可能とした事実に「よくぞ、成し遂げてくれた信」と心に思う嬴政。
一方、李牧は鄴城陥落の知らせを地下牢で聞いていました。
「全責任は貴殿にある。大王様はたいそう御立腹で、李牧殿は公開斬首の刑に処されることが決定した」と郭開(かくかい)が李牧に告げます。
李牧は牢内から郭開に趙国の現状及び窮状を必死で訴えるも、李牧の策は郭開の手によって握り潰されてしまいます。
その李牧の予想通りに昌平君(しょうへいくん)の手によって、李牧が恐れていた事態に突入しようとしていました。
魏を侵攻していたある軍が突如として、その場を離れ趙国の列尾を攻略しようと北上をし始めることになります。
その軍はかつて王騎将軍の副将であった騰(とう)の軍勢でした。

キングダム639話の感想と考察
今話は7ページが食事関連のシーンでした。もう、グルメ漫画なのかと疑っても良いくらい秦軍の食事シーンとなっておりました。
あれだけ飢え死にしかかっていたら、急な食事は死につながる場合があるのですが……
まあ、そこは突っ込んではいけないのがお約束なのでしょうね。
もう1つ、キングダムの食事で不思議に思うことは饅頭と思える物があることなのです。
饅頭の起源は数世紀後世の食事だったはずなのですが、まあこれもどうでも良いことですね。
大事なことは難攻不落の鄴が遂に秦軍によって陥落したということです。
ここまで本当に長い戦いでしたね。本当に熱いストーリー展開を読者に読ませて頂けました。
史記などでは、面白いように秦軍は城を落としていくのですが、キングダムにおいては城の攻略に本当にドラマ性が盛り沢山に込められています。
そこが本当に面白いと感じますね。
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