2020年4月9日発売の週刊ヤングジャンプ2020年19号で、『少年のアビス』7話が掲載されました。
『少年のアビス』7話は、連れ出したナギと共に令児は心中に向かいます。
令児の本音やナギの死にたい理由も判明し、まるで最終回目前のような展開です。
本記事では、『少年のアビス』7話『深淵‐アビス‐』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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少年のアビス7話のあらすじネタバレ
コンビニでバイト中のナギを何も言わずに令児は連れ出し、ひた走ります。
強さを増す一方の雨は、台風が近付いている事の現れです。
呼び止められ、ようやく足を止めた令児はバイト中なのにすいませんと謝罪すると、ナギは店の制服を脱ぎ捨てて死ぬのに持って来いの日だねと笑顔を見せました。
釣られて令児にもようやく笑顔が見えました。
情死ヶ淵の場所を令児は尋ねますが、ナギは知らないと一言。
旦那さんが書いた小説なのにと令児は言いますが、敢えて聞こえないフリをしたのか、その言葉にだけ何か言った? とナギは素っ気ない反応です。
川の土手を歩いていると、コンビニで買い物を終えた玄達のクルマが通るのが見えました。
豪雨の中走り去る車に、令児は玄に対する本音を叫びました。
これから死ぬから働けない事、自分には関係無いからこの町で一生王様やってろよと叫ぶと令児は笑いました。
そして、次に母に対する本音がナギに向けて語られました。
兄が受験に失敗してからおかしくなり、その頃から祖母も痴呆になった事、兄と比べて馬鹿だ気が利かないと令児を嫌っていた祖母の世話をするのも見たくなかった事。
いつも死にたい、楽になりたいと脅している事。
兄の好物をいつも買い忘れる事や祖母の世話を押し付けて来る事、玄の家に働くように頼み込んだくせにしらばっくれている事。
恨み節のように続く言葉に、ナギは町を出て行けば? と言ってくれました。
令児君の人生は令児君のものだよと、ナギもチャコと同じことを言ってくれました。
心中を踏みとどまろうかと令児は揺らぎ、一緒に町を出ようと言い掛けるも、ナギはこのままいくと宣言します。
ナギにそこまで死にたい理由を問うと、無いと言いました。
同時に、生きている理由も無いというのがナギの死にたい理由です。
それならこの町を出ても自分にも生きている理由は無いと、令児もこのまま行く事を決意します。
情死ヶ淵ではなく、疲れたからと適当な所で座る二人。
最後に抱き締めさせてもらった令児は、一度くらい誰かに愛して欲しかった? と聞かれました。
心中を目前にした今はもう望まなくて済むから楽な気持ちという令児に、ナギも同意します。
ナギがこの町に来てくれたことに、令児はありがとうと言いました。

少年のアビス7話の感想と考察
前回のラストの玄の表情から、追うのかと思いましたがそんな事はありませんでした。
むしろ普通に買い物をして帰っていましたが、その車内で玄の様子はどんなものか気になる所ではあります。
そんな玄に対する令児の本音は雨に流され聞こえなかったと思いますが、本人もそれをわかって言っていたはずです。
心中に向かう今、もう全てがどうでもよくなっているからこそ心からの声が溢れ出したという所です。
母への本音も、今まで相当耐えて来たんだろうなという事がわかったのと、兄が引きこもりになった理由もサラッと説明がありました。
受験に失敗して引きこもりになった事と、令児よりも気が利いて頭が良かったらしい事から考えると、優秀な人間が失敗して壊れてしまった感じなのかもしれません。
見開きで母への本音が描かれていますが、その吹き出しの上に雨の擬音が重ねられてあって、その言葉の全てがナギに聞こえていたわけではないかもしれません。
それでも語られる本音に、ナギは町を出て行く事を提案しました。
チャコと同じ言葉に、令児は心中を踏みとどまりましたが、やはりナギという深淵に引き込まれてしまいます。
前回の話でチャコに対する印象が変わってしまったのも、ちょっとくらい影響があるような気がします。
推しのアイドルがいなくなったらすぐ乗り換えるという、ドライと言うかそれが人生を楽に生きる方法なのかもしれません。
無期限の活動休止を宣言したアイドルに対していつまでも活動再開を待ち、悲しむよりは健全かもしれません。
ナギは死にたい理由も生きたい理由も無いから死にたいと言っていました。
どうしてアイドルになったのか、この町に来た経緯などが何も描かれていませんので、今後描かれると思います。
このまま二人で川に飛び込みますが、令児だけ生き残ってしまうという展開が待っていそうな気もして怖いですね。
『青江ナギ』という存在が令児の中にずっと残ったままこの町で生きて、いつか町を出て行くのかもしれません。
既に終盤のような雰囲気ですが、こんな展開で終わったのに次号は休載と言うことで非常に待ち遠しいです。
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