2020年2月3日発売の週刊少年ジャンプ2020年10号で、アクタージュ99話が掲載されました。
98話では、サイド甲、夜凪たちの羅刹女がとうとう終幕までたどり着きました。
王賀美だけではなく、市子、武光、白石を含めた四人が皆総意の上で敢えて舞台を捨て、夜凪の女優人生を守ったのです。
誰かに対する怒りではなく弱い自分への怒りを思い出した夜凪は再び芭蕉扇を振るいます。
その風に阻まれた花子は舞台袖で、自分の描けなかった羅刹女の結末を見ることとなったのでした。
そしていよいよサイド乙が動き始めるのでした。
本記事では、アクタージュ99話「勝者」のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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アクタージュ99話のあらすじネタバレ
舞台に幕が下り、観客たちはざわついたまま劇場をあとにします。
最後になぜ羅刹女が泣いていたのか、などと勝手な憶測をしている様子です。
観客たちは王賀美の行動が「王賀美が勝手なことをした」と解釈し、それがショックで夜凪が泣いていたとしています。
そして評論家のような観客が、表情についての賛辞はあれども、話の整合性はめちゃめちゃだったと言いかけたところ、例の少女がむすっとした顔で睨んでいたのです。
そして羅刹女に会いに行く、とすっかり夜凪のファンになったようでした。
評論家たちもその表情と態度に呆気にとられてその少女を見送ることしかできませんでした。
そして俳優、女優陣は、すべてが王賀美の判断なわけではないと見抜いていました。
だからこそ夜凪の演技はプロ失格ではありながらも、仲間に支えられて最後までやりきったということ自体は認めており、その演技自体は抜群のものであったとしています。
そしてロビーにおいて、天知と黒山が対峙していました。
天知は全てを理解しながら、サイド甲の公演は2回目のものを使うと宣言します。
王賀美の行動で夜凪の演技が辱められる、という客の認識を解くためです。
しかしそれに対して黒山は、この日のために山野上花子の覚悟があり、それに答えた夜凪たちの覚悟を無にする気かとつっかかります。
そんな黒山に天知は「本来の目的を忘れるな」と冷たくあしらいます。
幕が下りた舞台では、皆が夜凪を称えていました。
しかしそんな夜凪はうつむき、申し訳なさそうにしています。
そんな夜凪に対して、王賀美は「共演者の芝居が気に入らなかったから」と勝手をしたことを全て自分の責任にしようとしています。
すると、市子と武光が同時に王賀美の後頭部を小突きます。
白石にすら「僕ならグーでしたよ」とにっこり言われる始末です。
王賀美は「俺たちみんなの選択で、俺たちみんなの全力だった」と言い改めたのでした。
そこで王賀美は舞台袖に目を向けて、もちろん花子さんも、と付け加えます。
夜凪はどうして一人で苦しみ続けたのかと花子に問うと、花子の表情がふと崩れて、泣きそうな表情になったのでした。
場所が変わり、馬橋公園。
そこではいつものブランコに乗った千世子がいました。
いわば不戦勝のような様相を示しているこの戦いにおいて、千世子は夜凪の羅刹女のようなできない、と彼女は分かっていたのです。
そしてへこんでいる千世子のもとにバンから黒山がおりてきました。
その後、都内の某所に千世子を担いだ黒山が阿良也や星アリサの前に現れるのでした。
そして、今から稽古をする、というのです。
サイド乙の舞台が始まるまでの18時間で、先ほどのサイド乙の舞台を超えると、黒山が宣言したのです。
アクタージュ99話の感想と考察
チーム甲の羅刹女がしっかりと着地をしましたね。
しかも王賀美の責任の背負いこみ方も予想通りでした。
しかしこれをしっかりと王賀美を小突くことで、市子と武光が責任を背負いこむことをやめさせ、白石に至っては「グーでしたよ」とにこにこ笑う始末でした。
夜凪だけではなく、王賀美もこうした仲間を手に入れていたのです。
そしてこの舞台の成功は、役者だけではなく、花子も含めた選択であり、成功であったと王賀美は言いました。
このことが何よりもうれしくて、何よりも安心しました。
もしかしたらこの後夜凪のいい理解者ともなるのではないかという予感さえしますね。
チーム乙については、ここからさらにベクトルが変わっていく可能性があると知ってかなりワクワクする展開となってきました。
不戦勝となりながらも、負けを認めざるを得ない千世子とその気持ちを理解する黒山、案外この二人もいいコンビなのではないかと思います。
だからこそ18時間で新たな羅刹女を完成させようとしているのです、これは一発の映画ではない、舞台だからこその強みとも言えるでしょう。
黒山の「映画屋の前に演出家」という言葉にグッときました。
次回はおそらく阿良也と千世子の成長回となるでしょう。
次回以降もアクタージュから目を離せません。
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