2020年3月30日発売の週刊ヤングマガジン2020年18号で、『寄生列島』5話が掲載されました。
『寄生列島』5話はいよいよ始まった島の『禊』と呼ばれる儀式の裏で、鴻島は千尋たちの為に船を動かそうとしてくれるのですが……。
本記事では、『寄生列島』5話『禊と倖女』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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寄生列島5話のあらすじネタバレ
島の『禊』とされる儀式の行列を、鴻島の蔵に隠れながら見ている千尋たち。
行列が掲げる巨大な藁人形は島民の代わりに不浄な汚れを引き受ける依り代として、最後は島の広場で燃やして清められると鴻島は話してくれました。
東京出身の千尋にはただただ目を丸くするだけの、五百年も前から続く風習です。
この花山島には、未成年の未婚女性は島の神に所有権があると考えられ、その中でも選ばれた女性は『倖女』と呼ばれ、島の厄災が続いた時には藁人形と共に処女を捧げられるとの事で、千尋もその父瑞樹も驚きに表情を見せます。
儀式を執り行う一行は、町内会長の挨拶に耳を傾けます。
連続した殺人事件、火事に連絡船の欠航という厄災続きもこれで終わりだと、『長老』を呼びました。
元々は倖女の命を捧げる儀式でしたが、時代と共にそれも変化してきました。
島の神の代理を務める長老と、倖女の献身によって島の安寧をもたらすと町内会長である鴻島の父は語ります。
拍手喝采の島民の中に、倖女に選ばれた奈々子の恋人である寛太がやって来ます。
こんな儀式は時代錯誤である事を理解し、止めろと声を上げなければいけない事は理解していますが、反論など許されない空気の島民たちの中ではただ押し黙るしかありません。
一方で、千尋たちの為に町内会長の息子の方の真は、島を出る為の船を探しに向かってくれました。
使える船があり、これから千尋たちを迎えに行こうという所で見回りの島民たちに遭遇しました。
探し物をしていて……と、誤魔化そうとしましたが、手に持っていたスマホから千尋の声が聞こえた為、見回りの男は激怒します。
通話も途切れ、千尋たちは再び島を離れる手立てを失ってしまいます。
禊が執り行われている一方では、選ばれた三人の倖女がとある家に集まり、島の神代理の長老の前で儀式の時を待っています。
奈々子は島の為、みんなの為に喜んで身を捧げるのが島民の務めだと教わって来たからと、自分を奮い立たせますが、いざ長老の前で服をはだけさせられ上半身を露わにされると、涙が流れ恋人の寛太の事を思い浮かべました。
寄生列島5話の感想と考察
奇祭の正体が判明した回でした。
この長老も既に寄生されていそうな雰囲気もあります。
ここからの展開は千尋がどう動くかによって変わる、ルートの分岐点にいると思います。
船を探すために鴻島の息子、真を探しに出掛けて助ける方に行くのが一つ。
もう一つは禊を止めに向かうルートです。
これによって寛太と奈々子は千尋側に付いてくれるようになるので、今後の島生活の展開がもっと広がって行くように思えます。
やっぱりいつまでも真以外の味方無しという展開は無さそうでもあり、普通に島生活を続けても味方は増えないので、ここが分岐点となっているはずです。
何より、真や寛太のように禊に異議を唱える人がいるのは味方フラグなのではないかと思います。
以前の記事で島にはスマホが無いように見えるというような事を書いたと思いますが、真は普通に通話していたし小さな離島とはいえ電波は入っているようです。
他の島民が使っている様子が無いのは、やはり真は島の在り方に異議を持っているからなのかもしれません。
それにしても、奈々子が胸を露わにした時の町内会長のニタっとした表情の気持ち悪さは描き方が秀逸過ぎて毎回イラッとします。
その度に莉子に来て欲しくなります。
もしかしたら、この禊中に莉子が寄生虫によって第三の殺人事件を起こし、禊の意味などなかったという事を証明する展開になるのかもしれません。
個人的には千尋が禊を妨害するよりもそっちの方が見たいです。
奈々子が考え込むようにしていたような、島やみんなの為に身を捧げるという考え方を教え込まれて来たというのはある意味洗脳にも近いと思います。
島民もまた同様に、この禊で厄災を浄化できると信じ切っている(過去に事例があったのかもしれませんが)のも洗脳に近いように思えるので、その洗脳を説くには禊の効果など無いと証明するのが一番なのかもしれません。
おそらくこの長老の力を島民たちは『島の神』と信じ切っているので、それが失われた後の縋るもののない恐怖に更なる混沌に陥るかもしれません。
色々な考察・感想はありますが、今回言いたい事は一つです。
寛太頑張れ!
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