2020年3月19日発売の週刊ヤングジャンプ2020年16号で、『キングダム』635話が掲載されました。
古今より難攻不落とされてきた鄴の城門が遂に開かれました。
鄴城の外部では趙軍総大将李牧(りぼく)の率いる疲弊した軍勢と秦軍の桓騎軍がぶつかる中、鄴城の城門が開き、趙軍は敗北の道へと進みます。
鄴城内の食料が尽きた中、秦軍の戦略は見事に嵌り、王翦(おうせん)を以て完璧と称された城が遂に陥落します。
逃げ惑う住民達を尻目に、鄴城を接収する秦軍に新たな問題が発生しました。
本記事では、『キングダム』635話『宝の山』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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キングダム635話のあらすじネタバレ
鄴城内において兵士達と民衆が激突し、暴徒と化した飢えに苦しむ民衆は城門に殺到し、兵士達を押しのけ、城外に活路を求めます。
兵士達が柵を押しのけ、兵士達を踏みつけながら、ただひたすらに城外を目指す民衆は城門の開閉を行う滑車を破壊してしまいます。
そして、遂に城門が開き、開かれた城門に民衆は我先に鄴城から逃れて行きます。
その様を見せつけられた趙軍は茫然とし、李牧は顔を伏せています。
対して、桓騎軍は難攻不落の鄴城の城門が内側から開かれたことに罵倒を浴びせ、面倒な攻城戦をせずに済んだことを喜びます。
摩論(まろん)は忍耐勝負に勝ったことを素直に喜び、姐さんと呼ばれた黒桜(こくおう)は「ここからが仕事だ」と自部隊を戒めます。
部下を配置に付かせ、流民の流れが弱まった瞬間を狙い、一気に突撃する作戦を採用することを部下に指示します。
一方、鄴城内においては兵士達が邪魔な民衆を全員出した後に入れ違いに突入して来た桓騎軍を迎え撃つ策を取ることを採用します。
城内の指揮官の胡呂(ころ)に急報がもたらされ、民衆によって、城門の開閉に使用する滑車が破壊された事実が伝えられます。
その急報を受けた胡呂は修理を急がせ、修理を急がせ、冊を用意させ、弓兵及び予備兵も配備して桓騎軍を食い止める為に全力を尽くしますが、時すでに遅し。
民衆を押しのけ、桓騎軍の部下であるゼノウが既に城内に侵入していたのでした。
ゼノウは流れなど一切を無視し、力攻めで鄴城内に侵入することに成功します。
咄嗟に迎撃態勢に入る兵士達を圧倒的な力でゼノウは粉砕して行きます。
ゼノウの独断専行を聞いた黒桜は「他の門は住民の流れが途切れているのか?」と疑問を口にしますが、ゼノウが強引に突入した事実を部下より知らされます。
ゼノウ一家の抜け駆けに憤る部下を尻目に摩論は「ゼノウは雷土(らいど)と共に趙軍の足止めの任務を背負ってはずでは?」と呆れます。
その知らせに一番激怒したのは趙軍と相対している雷土でした。
結果として、ゼノウの独断専行は功を制し、桓騎軍が鄴城内に侵入する手助けとなります。
侵入した摩論は「宝の山」と称し、元野盗集団の桓騎軍は城内の貴士族の屋敷への略奪に走ります。
その光景に対して、城外に展開する李牧率いる趙軍は見守ることしか出来ませんでした。
目前の雷土軍を撃破して救援に向かう力は既に残されておらず、鄴を開放する手段は持ち合わせていなかったからです。
何よりも、城門開放を見せつけられた趙軍の士気が尽きたことが大きかったのです。
鄴城内では、城主の一族が離脱を図ろうとしていましたが、城主は責任を感じ、楼閣から身を投げます。
李牧が率いる趙軍は桓騎軍との戦闘を止め、住民と共に撤退して行きます。
その様子を見た桓騎だけが李牧が取る策に気付いていたのでした。
ここに秦軍の悲願である鄴城攻略が成し遂げられた瞬間です。
王翦と対峙する桓騎は「思ったより遅かった」と王翦に告げます。
それに対して、王翦は「容易い相手ではなかった」と返します。
王翦は城内に自軍も入ることを桓騎に告げると、「構わない。しかし、俺達が一番欲しい物は殆ど残っていなかった」と桓騎は話します。
それを予想していた王翦は「李牧が戦線を離脱したのもそれが原因だ」と告げると、桓騎は舌打ちをするのでした。
飛信隊の隊員達も鄴城攻略を成し遂げた歓喜に打ち震えますが、王賁(おうほん)がそれを窘めます。
疑問を口にする信に対して、蒙恬(もうてん)が言葉を続けます。
「鄴城内は食料不足の為、自落した。つまり、鄴城内において秦軍全軍を賄う食料は存在しない」と言うこと。
その事実に驚愕する飛信隊の隊員達でしたが、自分達の置かれている状況──このまま飢え死にするしかないを理解し、狼狽します。
「この状況は王翦が一番理解しており、その策についても考えがある」と河了貂(かりょうてん)は王賁と蒙恬に問いただすも、2人の出した答えは「どう考えても、この状況下で籠城した場合、秦軍全軍を賄う兵糧と確保することは不可能」と言うものでした。
しかし、王翦はこの食糧問題を驚くべき方法で解決することになるのです。

キングダム635話の感想と考察
遂に難攻不落の鄴城の城門が開かれ、鄴城が秦軍の手に渡ることに相成りました。
戦略的目的を達成したので、今回の戦いは秦軍の勝利と言えます。
しかし、鄴城は城内の食料が尽きて、自落したとも言えますので、秦軍の問題として、兵糧が足りず、全軍がこのままでは飢え死にしてしまうと言う物。
それを解決する手段が王翦にはあるみたいなのですが、方法として何があるのかを考えた場合、残してきた部隊が近隣で略奪をするくらいでしょうか。
立場として、逆に兵糧攻めを受けることになった秦軍ですので、解決させる糸口は非常に限られてくるのですが、現実的に実行可能な手段って思いつかないですよね。
一番やって欲しく無いのは御都合主義なのですけどね。
まあ、娯楽作品として捉えて、次回636話の王翦の解決案に期待したいと思います。
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