2020年3月16日発売の週刊ヤングマガジン2020年16号で、『寄生列島』3話が掲載されました。
『寄生列島』3話は担任の先生から襲われた事をきっかけに、もう島を出る事を決意した千尋。
それを受け止め父も一緒に島を出ようとしますが、新たな寄生者の手によって更なる事件が発生します。
本記事では、『寄生列島』3話『父親』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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寄生列島3話のあらすじネタバレ
担任教師に島の絶景スポットを案内され、この島で頑張ろうと気を許した矢先、豹変した教師に襲われる千尋はどうにか反撃し逃走に成功します。
衣服が乱れたままの娘の姿と、朝一で島を出るという宣言に、困惑しながらも何かあったのかと尋ねる父の瑞樹。
ありすぎて頭がおかしくなりそうと答える千尋は母の元へ行くと告げます。
そこへ、インターフォンが鳴りました。
玄関を開けると、そこに立っていたのは笑みを浮かべ千尋を呼ぶように言う担任の島常先生でした。
乱れ、汚れた衣服の教師の姿を警戒した父は誤魔化そうとしますが、それまでの笑顔から豹変し怒鳴りつける島常先生。
その声に集まって来た島民に囲まれ、島常先生は千尋に暴力を振るわれこのざまだと汚れた服を見せます。
頭を下げる父ですが、また『東京もん』と野次る島民に千尋は反論します。
島常先生が襲ったのだと断言しますが、同じクラスの女子満島たちは先生がそんな事をするはずないと否定します。
一度先生と話をしようと、島常先生は、千尋を連れて行こうとしますが、その腕を掴んだのは父でした。
穏便な表情で勘弁して頂けませんかと言いつつ、後ろ手に回し反撃の出来ない体勢に持って行きます。
満島にペットボトルを投げつけられ、ついうっかりと手を放す父。
ただで済むと思っているのかという島常先生に、まだ穏やかに今夜はお引き取り下さいと言いますが、今度は父の表情が一変し、あなたに何をするかわからないと睨みつけます。
空き缶や石を投げつける島民たちに、父もついに島を出る決意をします。
翌朝、フェリーで船を待つ二人ですが、島民が集まっている方に向かって行くと、それは轟々と炎を上げる自分達の家でした。
陰でその様子を覗き見ていたのは、昨晩の騒ぎに駆け付けたクラスメイトの女子三人でした。
何も知らない様子の二人でしたが、マッチとオイルを放り、島常先生に恥をかかせた罰と笑うのは満島であり、その目には寄生虫の姿がありました。
一方、本島で花山島に向けて船を出そうとしている連絡船の作業員の元に、防護服を着た集団が大挙してきました。
集団の一人は言います。
今からここは厚生労働省及び、国立感染症研究所の管理下におかれ、花山島への渡航は無期限全面禁止とする。
寄生列島3話の感想と考察
お約束と言えばお約束の鉄板展開です。
本土に逃げて終わったら話はそれまでです。
ただ、作品名が『寄生列島』であり、この国は『日本列島』ですからもう既に本土でも確認されているのかもしれません。
その感染源である花山島を隔離するということで、コロナウイルスの対応に追われる現実社会のような展開になっています。
まず今回のお話で一番驚いたのは、ふとページの端を見たら登場人物の名前が書いてあって、そこに本編には一度も出ていない『千堂瑞樹』という父の名前があった事に驚きました。
いつ出て来るのだろうかとずっと思っていましたが、実は1話から出ていたのかもしれません。
と思って読み返してみましたが、今回が初めてでした。
島民は全員敵、家も焼かれ船をいくら待っても来ない。
そんな絶望的状況の父娘二人の生活が今後描かれていくのでしょう。
スマホは持っているようですが、おそらく島に電波は入っていないので使う人もおらず、莉子もスマホを知らなかったのだと思われます。
そういう理由から、『寄生虫』や感染症・花山島の隔離といった本土で流れているであろうニュースを千尋たちが知る術は無いのかもしれません。
しばらくは辛い展開の連続になるかもしれませんが、唯一仲良くなれた莉子が千尋の癒しになってくれれば良いなとは思いますが、莉子の違和感にも気付いてしまったようなので、その癒しすらもどうなるかわかりません。
感染症の解明が先になるか、千尋たちも感染してしまうのが先かという感じですが、現実の未知のウイルスである『コロナウイルス』に対する対応に全世界で立ち向かっている事を考えると、そう簡単に解明してはファンタジーというか、フィクションになってしまう(フィクションですが)ので、新連載のタイミングとしてはあまり良くなかったかもしれません。
ウイルスではなく、目に見える虫と考えれば対策はもっと簡単なのかもしれませんが、あまり簡単に解決してしまっても「そんなに上手く行かないだろ……」という感想が読者から出てしまうのではないかと思います。
もしかしたら『寄生虫』を殲滅する以外の解決方法があるかもしれませんし、もっと違う展開で話が収束するかもしれないので、まだ3話の本作に期待しましょう。
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