2020年3月16日発売の週刊ヤングマガジン2020年16号で、『賭博堕天録カイジ』345話が掲載されました。
『賭博堕天録カイジ』345話は、 地球のどまん中に対して次の手を講じる遠藤。
一方で、ボロボロにされながらも名前以外の事は覚えていたカイジ達に対して、有馬は警告をしようと連絡を試みますが……。
本記事では、『賭博堕天録カイジ』345話『邯鄲』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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カイジ345話のあらすじネタバレ
散々な揺さぶりを掛けてもボロを出さなかった店主の有馬を、カイジ達とは無関係な『シロ』と判断した遠藤。
それでも100%では無いとして、二の矢が必要だと言います。
ケンカした遠藤の代わりに、次は日を改めて黒服が行くと言いますが、そうではなく別の二の矢と遠藤には既に案があるようです。
一方、地べたに大の字になったまま動けない地球のどまん中店主の有馬は、ケンカに対する後悔が頭をよぎります。
流血、悶絶をして痛い思いをしても何も得るものはありません。
そんな非生産的な愚行の極みと思いながらも、大切なクルマを傷付けられた事でどうしようもなくやらなければいけなくなる時もあると遠藤とのケンカを省みます。
スパナで一撃、脛に叩き込んだ時の遠藤の顔を思い出します。
ケンカそのものの勝敗ではなく、闘ったか戦わなかったかが大切で、折れず退がらず日和らず、自分の中にある正義や大義を通せたかが大事だと有馬は思います。
自分の人生の主人公は自分なのだから。
もしも、ただ遠藤を見送ったならその瞬間に人生の端っこに押しつけられて口惜しさでいっぱいのそれは主人公ではありません。
だから戦う必要があったのです。
すぐに敵わないとわかっても、それでも闘った自分に対し、申し分なく立派で誇らしく、自分こそが地球のどまん中にいると実感します。
映画やドラマならそこで大団円の終わりを迎えますが、ボロボロに傷付こうとも現実の人生はまだ続きます。
ありきたりで繰り返しの面白みのない日常を、ケンカで傷付いた身体を引きずりながら続けなければいけません。
事務所へ行き、締めのルーチンの一つである戸締り前の帳簿日誌を付ける前に気にかかった事がありました。
カイジ達からケイタイを買ったと連絡があった為に、その番号をメモしていましたが、名前ではなく『3人組』としかメモしていませんでした。
敵がキャンピングカーに目を付けているというこの事実。
走っている台数も少ない上に目立つ事から、相当ヤバイ事実をカイジに教えておこうという計らいなのですが、知らない番号からの着信にカイジ達は無視する事を決めこみました。
カイジ345話の感想と考察
遠藤の講じる『二の矢』が何か興味深い所でもあり、これがカイジ達を追い込む本命になるのではないかと思われます。
今回はほぼ全編有馬の熱い語りがメインでした。
やはり暴力行為は良くない事ですが、それでも引き下がってはいけない時もやはりあるものです。
許してはいけない行為もあるものです。
クルマを人同様に扱う有馬にとって遠藤の行為は大切な人を傷付けられたのと同義であり、黙って見送ってしまえばその後の人生に後悔が残る事は目に見えます。
ケンカを愚行と知りながらもそれでも闘うだけの価値があったのは、自分の人生にそんな後悔を残さない為だと考えれば決して愚行ではないのだろうと思います。
物事の復讐は我の手に在りです。
恐らく、器物破損やもっと軽度な事で訴訟は出来ると思いますが、それで遠藤から金を取れたとしてもそれが勝ちと有馬は思えなかったはずです。
そんな人生の主人公を演じきった有馬ですが、力尽きて死んでしまったのかと思いましたが、映画のように綺麗に終わるような人生ではありません。
完全にカイジ達の事を忘れたわけではなく、単純に名前を知らなかっただけというオチでした。
カイジ達だけではなく、今では有馬の敵にもなった遠藤。
その捜査の手が伸びている事を教えてくれようとしているのに、カイジは肝心なところでやらかしてしまいます。
この当時の携帯電話事情を察するに、今のようにネットそのものが普及していないのでなんでもすぐ検索というわけにはいかないと思います。
例えば、今なんかは知らない番号から電話が来たらすぐにその番号を検索して詐欺電話やセールスの電話などの判断が出来ますが、カイジ達のこの時代のネット状況では『まずネット検索』という思考が無いと思います。
今はネット使い放題のプランがあるので無縁になっていますが、昔はネットを使っただけ加算されるので『パケ死(パケット代で死ぬ)』という言葉もあったくらいですからね。
パケット代がわからない若い方はそれこそ『すぐネット検索』してください。
この後の展開としては、何度か着信があって気になって電話帳で調べてそれがちきゅうのどまん中だと知って電話を折り返す……けれど、今度は有馬側が出ないとかいう流れかもしれません。
その電話のやり取りこそが遠藤の『二の矢』に掛かってしまうのかもしれません。
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