2020年3月2日発売の週刊ヤングマガジン2020年14号で、『マイホームヒーロー
』第94話が掲載されました。
マイホームヒーロー第94話は、哲雄と歌仙の馴れ初めが明かされる「過去編」の続きとなります。
哲雄の考えた脚本を歌仙が演じきり、二人は多くの村人を味方につけることに成功。
しかし、騒ぎを知って駆け付けた洋二によって二人は再び鳥栖家に捕らわれてしまいます。
哲雄が納屋で軟禁されている頃、歌仙は哲雄との結婚の許しを両親に請いますが聞いてはもらえません。
そんな中、哲雄と歌仙の舞台にすっかりハマった村人たちが鳥栖家に押し寄せます。
村人たちは脚本には書いていない見事なアドリブで哲雄と歌仙の舞台を完成へと導きますが…
やがて納屋で監禁されていた哲雄に、歌仙との結婚を許すための条件が書かれた血判書が届きます。
その内容は哲雄と歌仙にとって、とても承諾できるようなものではありませんでした…
本記事では、マイホームヒーロー第94話[血判書]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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マイホームヒーロー94話のあらすじネタバレ
【 中津富子 宅 】
歌仙演じるの「オガミメ様」の迫力と能力を目にした村人たちは改めて畏敬の念を抱き、皆その場にひれ伏します。
そこへ騒ぎを聞きつけた洋二が現れます。
富子らから事情を聞かされ、歌仙と哲雄を見逃すよう頼まれますが、二人の拘束を教祖から命じられていることを皆に伝え、洋二は再び二人を鳥栖家へと連れ戻すのでした。
【 鳥栖家 広間 】
教祖である父親とオガミメである母親を前にし、歌仙が哲雄との結婚を信者である村人たちが認めてくれたと話します。
横にいた洋二もその話が本当だと捕捉。
歌仙をこれ以上 強引に村に留めたところで、害あって一利なしとは言わないまでも、害の意味合いが強いと意見を述べます。
二人の話をハナから聞くつもりのないオガミメはヒステリックなまでにこれを全否定。
歌仙の母親はあなたは哲雄に洗脳されているといい、正気に戻りなさいとまで…
あなたがそれを言いますか!?と半ば呆れ気味に母親に反発する歌仙。
オガミメを演じているにも関わらず、歌仙の母親は自分が洗脳されているとは露ほども思ってはいません。
そこへ中津富子ら村人たち、つまり信者たちが大挙 詰め掛けているとの知らせが入ります。
教祖はこれを無下にする訳にもいかず、村人たちを中庭へ通すように指示。
【 鳥栖家 中庭 】
哲雄と歌仙による舞台に魅入られ、図らずも無意識に演者となってしまった村人たちが各々仲間を伴って大集結。
村人たちは教祖とオガミメを前に、歌仙と哲雄の結婚を許してくれるよう頼むのでした。
オガミメは貴方たちは哲雄に騙されていると金切り声をあげますが、富子がそれを遮ります。
歌仙が外者である哲雄と結婚することは教義に反したことではあるが、それが必ずしも罪ではないことを亡き夫から先ほど教えられましたと、涙ながらに話す富子。
実は富子の亡き夫は外者であり、そのことで富子はずっと贖罪意識を持っていたのです。
歌仙が外者である哲雄を結婚することで救い、さらに外に出る事で村の教えを広め、ひいては全世界を救う。
この哲雄の考えた脚本は偶然にも富子の人生とオーバーラップし、背負ってきた贖罪意識を解放してやることに繋がったという訳です。
この村の教えはすばらしい、だから歌仙の結婚を許してあげてほしいと訴える富子と信者一同。
教祖は富子の話を聞き、さらに目の前で信者らが首を垂れる姿を見て、これを考えたのが歌仙ではなく哲雄の考えたシナリオであることを確信します。
哲雄は自分がしてきたように新たな村ルールを奇跡によって信じこませ、正当化させたのだと…
教祖は哲雄の脚本に乗っかることを選択。
ここで嘆願を無下にすることは村の教えを否定することに繋がってしまう、ならば…
教祖は信者らに対し歌仙の結婚を認めることを宣言。
歌仙に対しても結婚して外の世界の浄化に今は努めなさいと話します。
ただ、お前は必ず戻ってくるとも。
【 鳥栖家 納屋 】
納屋の中で軟禁状態の哲雄は、歌仙が上手くやってくれると信じてじっと報告を待っていました。
そこへ洋二が現れ、教祖が条件付きで結婚を認める方向になったことを哲雄に告げます。
哲雄は歌仙が上手くやってくれたんだと喜びますが、条件が何なのか気になっていました。
洋二はこれにサインすれば結婚を認めるそうだと、一通の手紙を手渡します。
それは新たな結婚条件の記された血判書でした。
血判書の内容は、
哲雄が婿養子となって名字を鳥栖にすること。
哲雄と歌仙は将来的は村に住むこと。
生まれた子供は成人になったら村に戻すこと。
結婚はしたいものの、とても簡単に飲めるような条件ではないことからサインを承諾できない哲雄。
洋二は時間はたっぷりあるから好きなだけ考えろといって納屋を後にします。
条件を承諾することはできない以上、哲雄から洋二を呼ぶことはできません。
それから三日間、納屋には誰も訪れず、食事すらない徹底放置状態が続きました。
哲雄の心も体も限界に達した頃、納屋の扉が突然開きます。
洋二が血判書を持って現れたのです。
完全孤独状態から解放された哲雄には洋二が救いの神に見えました。
差し出された血判書を見据え、これにサインさえすれば結婚を許してもらえると考える哲雄…
この状況下において、哲雄が選べる選択肢などあろうはずがなかったのです。
マイホームヒーロー94話の感想と考察
哲雄の考える脚本では、信者らを味方につけて結婚を許してもらう…おそらく、そこで終わりだった。
ですが、哲雄の考えた脚本は教祖らがやっていることを逆手に取ったいわば海賊版。
当然、オリジナルを考えて実践している教祖からしたらすぐにそれが海賊版だと気づきますよね。
だから教祖はあの場で瞬時に海賊版にオリジナルを追加することを思いついたのでしょう。
哲雄同様に教祖もまた脚本家であり、舞台経験は哲雄の比ではありませんものね…
教祖が加えたオリジナルは結婚条件という形で哲雄に重くのしかかります。
今 現在、娘のためとはいえ結果的に歌仙は実家でオガミメに戻り、哲雄もまた娘と共に村へと向かっている最中な訳ですから…
後出しジャンケンとはいえ、教祖恐るべしです。
そして哲雄も教祖の脚本家としての力量を見誤っていましたね。
片や教祖は海賊版とはいえ、あの短い時間で脚本を書き、それを歌仙に演じさせた哲雄を高く評価したのではないかと思います。
そして、自分たちの後継者には歌仙だけでなく、哲雄もなり得ると考えたのではないでしょうか?
だからこそ教祖は歌仙だけでなく、その才を見込んで哲雄も村に取り込む脚本(条件)を付け加えたのだと思われますが…どうなんでしょ。
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