2020年3月2日発売の週刊少年ジャンプ2020年14号で、アクタージュ103話が掲載されました。
102話では、千世子の登場、そして黒山の秘策が徐々に明らかになってきました。
サイド甲のメンバーが楽屋でそろって見守る中で、暗闇から千世子演じる羅刹女が現れます。
そして千世子は夜凪に対して、夜凪が最後まで演じきれなかったことにも、目指した王賀美というスターが自ら嫌われようとしたことにも、怒りは湧かないものの、一度でも敗北を認めてしまったこと、そして夜凪が千世子のことを忘れて演じたということに対して怒りを覚えていたのでした。
本記事では、アクタージュ103話「武器」のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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アクタージュ103話のあらすじネタバレ
美しい顔のまま、「あぁ、腹が立つ、腹が立つ。」とセリフを続ける千世子に観客は圧倒されています。
相変わらず綺麗、いつもの千世子と変わりはない、そう感じながらもなぜか恐怖を感じているのです。
演出の妙、そう王賀美は称します。
闇から現れ姿を隠し、美しい芝居に反した恨み言を吐き続ける見慣れたはずの「天使千世子の芝居」が不気味に響いているのです。
天使を天使のまま、演出で悪魔のように見せる、それが黒山の力だと王賀美はさすがだと褒めたたえます。
しかし夜凪は今までの黒山との付き合いから、その恐ろしいまでの演出力がまだ何かを隠していることを指摘します。
シーンは変わり、火焔山にいる羅刹女のもとに孫悟空が登場します。
重い扉が開くと共に煙があたりを充満します。
しかしその煙が晴れかけた状態でも、そこに孫悟空役である阿良也の姿はありません。
それを見ていた黒山の頭には前日の稽古の様子が浮かんでいました。
前日の演出変更については、当然、役者からの反発がありました。
付け焼刃だと憤り千世子の芝居は十分なものとしている和歌月に対して、それは俺の決めることだと黒山は一蹴します。
急遽演出を会えることはよくあることとしながらも他の役者たちからもリスクについて問われると、黒山は「基本的に変えるのは百城の芝居だけ」と言います。
煙が晴れたその時、羅刹女の足元にしゃがみ込む阿良也がいたのです。
背をかがめていたために、足元に溜まりやすい煙が晴れきらない限り見えない演出でした。
気味の悪いと王賀美は一蹴し、白石も獣の動きだと言いどこで学ぶのかと呆気に取られています。
それに対して夜凪は「多分本物のサルから」と答えるのです。
羅刹女と孫悟空のセリフの応酬が続き、その様はもはや美女と野獣だと白石は言います。
野生のリアリズム芝居と人工的な天使の芝居という対照的な芝居をぶつけることによって、より羅刹女が美しく見えるといいます。
「手前で手前の築いてきた努力を否定しちゃ世話ねぇな」と黒山はつぶやき、その舞台を見つめています。
「もらえないなら奪うまで」と構える孫悟空に対して、ぺろりと舌をだした羅刹女の千世子は、同様に屈みこみ、孫悟空に乱暴につかみかかったのです。
刀も抜かずにとびかかったその獰猛な姿に観客はざわつき、王賀美までもが虚をつかれたような反応をします。
そして黒山は「天使の仮面も胎の中の悪魔もどっちもお前だ、飼いならせ」と言いながら、千世子の新しい姿を魅せたのでした。
アクタージュ103話の感想と考察
驚きました、というのが正直な感想でした。
強い感情を持ったまま演じた夜凪に対して、美しいまま怒りをたぎらせるという方向性で行くのかと予想していましたが、完全に真逆の方向にいきました。
アリサさんの「ファンは度し難いもの」という言葉通り、私自身も千世子のその姿に非常に興奮し、この後のストーリーを知っているがゆえに、さらに楽しみになりました。
夜凪の羅刹女の「許すシーン」も楽しみでしたが、千世子の羅刹女の今後もとても期待が持てますね。
造花は生花に勝てない、それを覆してさらに千世子の魅力とすることで黒山は各方面からの信頼を得て、そして夜凪の助演へと依頼をするようになるのでしょう。
これは千世子の新たな一面を引き出した監督として、ファンからの信頼も厚くなることでしょう。
更に他のメンバーの感情などの描写も始まりました。
阿良也さんをはじめとしたサイド乙のメンバーの気持ちも劇中に描かれることになると思うととても楽しみですね。
阿良也さんの演技というのもまた期待が高まってきました。
あの王賀美さんや白石さんの度肝を抜くような演技をしている、さらに千世子を引き立たせるというあくまで助演のポジションを貫く姿もまた良いですね。
これからまた黒山監督の演出が見られると思うと楽しみです。
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