2019年10月21日発売の週刊少年ジャンプ2019年47号で、鬼滅の刃179話が掲載されました。
鬼滅の刃179話は、黒死牟討伐完了後から始まります。
悲鳴嶼と不死川の二人が死闘の末に黒死牟を倒し切るのですが、満身創痍の状態です。
そしてもう178話時点では絶望的と思われている時透、玄弥は助かるのでしょうか。
まるで過去の最強の兄弟である黒死牟と縁壱の兄弟たちの想いに呼応するように、不死川兄弟、そして時透兄弟の行く末が語られます。
本記事では鬼滅の刃179話「兄を想い弟を想い」のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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鬼滅の刃179話のあらすじネタバレ
上弦の壱、黒死牟との死闘に決着をつけた鬼殺隊でしたが、その被害はあまりにも甚大です。
黒死牟が砂となって消えてもまだ攻撃を続けようとする不死川に、悲鳴嶼は強く声をかけますがそれは届きません。
意識を失ってもずっと不死川は刀を振り続けているのです。
もう終わりだ、と声をかけ近付いた悲鳴嶼の腕の中に、不死川はとうとう体の動きを止めたのです。
それは体力の限界か気力の限界だったのか、しかしどうやら呼吸はあるようで生きてはいるようでした。
そして悲鳴嶼が見つめる先には二人の存在、もはや動くこともできない時透と玄弥がただ横たわっていたのです。
体を真っ二つにされながらも玄弥はまだ意識があったのです。
鬼を食べた影響か、それとも兄への想いの強さゆえなのか、兄の無事を悲鳴嶼から伝えられた玄弥は悲鳴嶼を時透のもとへと急がせるのでした。
その時悲鳴嶼は、玄弥の出血の様子から鬼としての効力が弱まりつつあることを知ります。
そして稀血である兄の体をそばにおいても問題ないことを悟り、悲鳴嶼は意識を失った不死川の体を玄弥の前に横たえてあげるのです。
そして時透のもとへと向かった悲鳴嶼は、もう自力で目を閉じることもできないその体に羽織をかけてやるのでした。
目を閉ざしてやり、幼い体の前で涙を流す悲鳴嶼は、自らの死を覚悟したうえで無惨を倒すことを誓うのです。
そして時透は不思議な空間で目を覚ますのです。
そこには亡くなったはずの兄、有一郎がいました。
時透は死後の世界だと悟るのですが、有一郎は涙ながらにこっちに来るなと叫びます。
その言葉に時透も涙を流し、頑張ったのに褒めてくれないの、とつぶやきます。
十四なんだから逃げればよかった、こんなところで死んで何になる、とまくし立てる兄に時透は気圧されている様子です。
しかし仲間を見捨てて逃げられない、兄さんだって十一で死んでいる、と言い返し、自分の生まれた意味は幸せになるためなのだとはっきり断言するのです。
幸せな日々がなかったわけではない、一人ぼっちになっと時や辛く苦しいこともあったけれど、家族四人で暮らした日々や鬼殺隊の仲間たちと過ごした日々は時透にとって間違いなく楽しく幸せな日々だったのです。
そんな仲間たちのために命を張ったことを無駄死にとは言ってほしくなかった、最後の最後で兄の優しさを思い出した時透だからこそ言える言葉でした。
しかしそれを分かっていながらも、兄である有一郎は弟である無一郎を抱きしめて言います。
死なないで欲しかった、無一郎だけには、と。
ここで意識を失っていた不死川が意識を取り戻します。
そして響き渡ったのは、彼の悲痛な絶叫でした。
何事かと悲鳴嶼が振り返った先には、かつての鬼のように体が崩れていく玄弥とその体をどうにか守ろうとする不死川の姿でした。
思わずそれまでの確執も忘れて「兄ちゃんがどうにかしてやる」とかつてのように兄として弟を守るような発言に、玄弥の目から涙がこぼれます。
そして玄弥は今まで言えなかったことを兄に告白するのです。
あの時、鬼となった母を殺した不死川を責めたこと、そして鬼殺隊に入ってなお迷惑をかけたことを必死に謝ります。
それを聞いた不死川は声を荒げるのです。
不死川が鬼殺隊に入った理由はほかでもない、唯一残った家族である玄弥が鬼に襲われることのないように、幸せな生活を送ることができるように、です。
だからこそ玄弥の行為は不死川にとって確かに疎ましいものではあったかもしれませんが、迷惑などではなかったのです。
そして自分よりも先に死ぬなと彼は声を荒げますが、それを聞いた玄弥は安心したように、守ってくれてありがとう、とこぼすのです。
それを聞いた不死川は半狂乱のように声を上げ、守れてない、と自責します。
玄弥は最後の力を振り絞り、兄のへの想いを口にします。
兄が守ってくれたように自分も兄を守りたかった、こんな風に同じ気持ちになるのは兄弟だから、だと。
不死川の過去が明らかになったときに彼が玄弥に抱いていた想いと全く同じものを、玄弥もまた実に対して同じことを思っていました。
その言葉に、不死川は神にすがる姿を見せながら消えゆく玄弥をなんとか押し留めようとするのです。
そしてとうとうすべてが消えてしまったのちに、不死川は声を上げてたった一人の肉親の死を悼むのでした。
そして近付いた悲鳴嶼は、その背中に声を掛けます。
無惨を倒すまで、終りではないのだと。
時透兄弟の温かくも悲しい結末、そして不死川兄弟のあまりにも悲しい結末が明らかになったのでした。
鬼滅の刃179話の感想と考察
当日、これを読んだ際にショックが大きすぎてしばらく動けなくなってしまいました。
もちろん、玄弥と時透が助からないのは分かっていましたが、この描写の仕方がなんともずるいと感じてしまいました。
特に不死川兄弟のほうは、やっとお互いに分かり合えたのに、という思いが強く悲しい以外の感情がありませんでした。
黒死牟と縁壱、有一郎と無一郎、実弥と玄弥、それぞれの兄弟の形とその想いがテーマであり、作者の吾峠呼世晴先生の意図も大変分かりやすい章でした。
しかしそれ以上に扉絵の「強く焦がれ」を繰り返す表現など、全編を通して苦しい回でした。
残るは上弦の肆、そして鬼舞辻無惨です。
こうなってくると、上弦の肆と現在対峙している蛇柱伊黒小芭内と恋柱甘露寺蜜璃のどちらかが死ぬのではないかという邪推をしてしまいます。
そしてこの戦いでもし、鬼舞辻無惨を倒した場合はこの漫画は終わってしまうのでしょうか。
それはそれで少し寂しい気がしますね。
今後の展開に期待ですね。
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