2020年2月20日発売の週刊ヤングジャンプ2020年12号で、『新サクラ大戦 the Comic』17話が掲載されました。
夜叉の放った技はかつて天宮さくらが憧れた真宮寺さくらの「破邪剣征桜花放神」だった。
夜叉の正体がやはり真宮寺さくらであったことにショックを受けた天宮さくらは神山誠十郎と共に故郷への汽車に乗る。
悩み続ける天宮さくらの心は晴れず、そして来るべき倫敦(ロンドン)戦が訪れようとしていた。
本記事では、『新サクラ大戦 the Comic』17話『約束の場所』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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新サクラ大戦 the Comic 17話のあらすじネタバレ
帰郷した天宮さくらと神山誠十郎を待ち受けていたのは筋骨隆々の大男。
彼はさくらの父、天宮鉄幹(てつかん)でした。
「誰だ、その男は?」と迫る鉄幹に神山誠十郎が自ら名乗ると、「誠ボンか」と気を良くして2人を家に招き入れます。
さくらの母である天宮ひなたが亡くなってから10年の月日が流れ、「当時の帝都は大変な状況にあった頃だ。こんな田舎にも降魔出現の知らせを受けた」と語る鉄幹に神山誠十郎は「夜叉と名乗る女が現れ、帝鍵(ていけん)を渡せと言ってきたのだ」と返します。
帝鍵の言葉に鉄幹は反応を示すも、詳細は知らない様子。
「夜叉の容姿が真宮寺さくらにそっくりだった」と説明を続ける神山誠十郎に鉄幹は納得し、「それで逃げてきたのか。ここにいたいなら好きなだけいて良い。ここはお前の家だ」とだけ告げます。
その言葉に顔を上げてさくら。
さくらの実家で同時に風呂を頂くことなった2人は話し合う機会を得ます。
「子どもの頃みたいだ」と語る神山誠十郎にさくらは「二都作戦は失敗だったのではないか?」と疑問を口にします。
二都作戦が失敗だと考えない神山誠十郎にさくらは「降魔を封印する為に自らを犠牲にして真宮寺さくら達は戻って来られなかった。真宮寺さくら達は見捨てられたのではなく、最初から利用する為だけの作戦だったのではないか? そうだとしたら真宮寺さくらが夜叉になったとして……」と自らの推測を話始めます。
その言葉に危機感を抱いた神山誠十郎がさくらに声を掛けますが、反応はなく、さくらは湯あたりを起こしていたのです。
それを鉄幹は陰から聞いていました。
桜の木の前で幼い頃に誓いを立てた天宮さくらと神山誠十郎の2人。
さくらはそんな夢を見ていました。
懐かしく思い、目をさますと、自分の右手を神山誠十郎が優しく握りながら寝息を立てています。
さくらは「ありがとう」と感謝の言葉を紡ぎ、朝の稽古に向かいました。
神山誠十郎も起き、さくらに挨拶を告げてから目の前の桜の木を懐かしく思います。
その桜はさくらに取って、大切な「誓いと約束の場所」でした。
真宮寺さくらに憧れて、彼女を目指すと決めた場所であり、神山誠十郎との約束を誓った場所でもあります。
約束の言葉に反応した神山誠十郎はさくらが思い出した約束とは違う約束を持ち出してさくらの説得を試みます。
しかし、さくらから示された反応は拒絶でした。
気持ちの良い言葉を並べて、自分を利用しようとしていると感じたさくらは神山誠十郎に「誠兄さんなんて、帝国華撃団の隊長にならなきゃ良かった」と言って、拒絶するのでした。
さくらの刀を眺める鉄幹が神山誠十郎に気付きます。
さくらとは喧嘩になったことを告げた鉄幹に告げた神山誠十郎はもう直ぐ倫敦戦だから隊長が留守にする訳にはいかないと帰還する旨を伝えます。
「さくらはいいのか」との鉄幹の言葉に神山誠十郎は「さくらの気持ちを無視して戦わせるつもりはない。さくらも分かっているはず。大切なものを守りたい気持ちが蘇った時にまた共に戦いたい」と返すのでした。
さくらを信じるのだと確信した鉄幹は静かに目を閉じています。
さくらは無き母の遺影の前で、夜叉と帝国華撃団のメンバーの姿が脳裏をよぎり、正座をしているのでした。
新サクラ大戦 the Comic 17話の感想と考察
帰郷して出迎えた天宮鉄幹は筋骨隆々で前回の登場の時には迫力がありましたが、ギャップがあって良い感じの魅力あるキャラクターだったと思います。
傷心のさくらが疑心暗鬼に駆られて、二都作戦で真宮寺さくらは利用されて捨て駒にされた挙句に夜叉へと降魔に身を堕としたのだと語っていましたが、その可能性も十分にあり得ますね。
推論としては間違ってはいないと思います。
約束と誓いの桜の木の前で神山誠十郎が出した約束がさくらの思う約束と違ってしまったが為に、さくらは心を閉ざしてしまったのでしょう。
神山誠十郎は本当に約束を覚えていないのかは定かではありませんが、彼には来るべき倫敦戦の方が帝国華撃団の花組隊長としての責務から優先順位が高かったのだと思います。
来るべく倫敦戦に勝利する前に天宮さくらがどのように決意して行くのかを見守っていきたいですね。
ストーリーの展開上、倫敦戦を桜がボイコットすることはないとは思いますが、彼女がどのように思い悩み決断し、行動に移していくのかを読者は見守っていく。
それが正しい読者の在り方と言えるでしょうね。
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