『テセウスの船』は、週刊漫画雑誌モーニングの2017年30号から2019年30号まで連載されていた東元俊哉先生による人気漫画で、俳優・竹内涼真主演で2020年にドラマ化もされました。
8巻は、慰霊碑の前で待つ心のところへ、犯人が登場するところから話は始まります。
犯人はどうして事件を犯したのか、その罪を償うつもりはあるのか・・・。
本記事では、『テセウスの船』8巻のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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テセウスの船8巻のあらすじネタバレ
63話 世界の終わり
2つの目玉を片手に持ち、母にも世界の終わりを見てほしいから取ってきてしまったと言い、目玉を心に見せる犯人。
それはみきおでした。
さつきを殺したのかと聞くと、みきおは母は学校でみんなに慕われていた、それを心も知っている、1989年のあの時一緒にいたからと言います。
心先生、やっと会えましたねというみきお。
犯人はお前かと心が問い詰めると、みきおの頭の中では21人の目玉が出てきて心を殺せと言う幻聴が聞こえます。
みきおが絵はちゃんと届いていたかと聞くと、絵を送ってきた意味は何かと尋ねる心。
みきおは僕に会いに来いというメッセージだったと言います。
お前の目的は何なのか、どうして殺さなきゃいけなかったのかを問いただしても、みきおはそんなことはどうでもいいと言い、ポケットから何かを出し、地面に投げ捨てます。
それは過去で心が湖に向かって投げ捨てた、心の免許証でした。
みきおはどうやったら過去に戻れるのかを教えてほしいと言います。
何も答えようとしない心に対して、みきおが取り出したのはナイフ。
それを見た心はこれ以上罪を重ねてはいけないと言います。
どうやってタイムスリップしたんだと声を荒げるみきおに対して、自分でもどうやってタイムスリップしたか分からないと答えます。
そして心は続けて、過去に逃げたらダメだと話します。
心はみきおに自首をしろ、もうすぐ警察が来る、ここに来る前に110番したと伝えます。
するとあたり一帯は霧に囲まれて、みきおの姿が見えなくなります。
みきおを何度も呼ぶも姿は見えず、気配を感じた心が振り返ると、そこにはナイフをふりかざしているみきおが目の前に立っていました。
64話 霧の中へ
霧の中、左脇腹をみきおに刺された心。
心はとっさに慰霊祭の準備で置かれていたパイプ椅子をみきおに投げつけます。
勢いよくみきおに体当たりをする心。
二人は倒れ込み、心の上にみきおが馬乗りになり、心の首を絞めます。
心は、慰霊祭で殺人予告をしたから警察は必ず来る、と言います。
そして片手でみきおの顔を掴み、心はお前を許さない、罪を償えと言うと、ちょうどそこへ警察がやってきます。
慌ててみきおは霧の中へと逃げ出し、その後を心も追いかけていきます。
みきおの腕を掴もうとする心ですが、ますます霧が濃くなり、腕を掴んだつもりが掴めず、体勢を崩した心は地面に倒れ込んでしまいます。
すると霧の中、ひらひらと舞うアゲハチョウを見つけます。
霧は少しずつ晴れてきて、心が辺りを見回すと、セミや鳥の声が鳴り響く場所にいました。
一体今自分がどこにいるのか分からなかった心。
スマホを見ても電源は入らない。
そして心は違和感のある脇腹を見ると、大量の血が出ていました。
脇腹を抑えながら歩き出す心。
まさかまたタイムスリップしたかもしれないと思いながら歩きます。
65話 また会えたね
一体どこにいるのかまだ分からない心は、みきおに刺された脇腹の血が止まらず、少しずつ意識も遠くなってきて地面に倒れてしまいます。
そこへ通りがかりの人が心に気付き、救急車を呼んでくれました。
その頃、音臼小学校では佐野が教職員たちにお泊り会を中止にするよう話をするも、反対されていました。
佐野が駐在所に戻ると一本の電話がかかってきました。
一方、心は夢の中で音臼小事件が起き、みきおがまた会えたねと心に話すところで目が覚めます。
そこは病院のベッドの上で、佐野が隣に座っていました。
心は慌てて、今日は何年の何月何日かを聞きます。
事件の起きる前の6月20日だと聞かされた心は急がないとと起き上がろうとし、脇腹の痛みに気付きます。
佐野は心がいなくなって心配したと話し、心は本当のことを言って信じてくれるかと聞きます。
内容によると答えた佐野に心は、あの後2017年にタイムスリップして拘置所にいる佐野と話をしたことを伝えます。
自分は犯人ではない、犯人は誰だと聞くと、心は加藤みきおと木村さつきが犯人だと言います。
信じられないという顔で心を見る佐野。
そこへ母和子と鈴、慎吾がお見舞いにやってきて仲のいい家族の会話が弾みます。
66話 真犯人の家
病院の医師からは退院はまだ早いと言われた心ですが、佐野が安静にさせるからとパトカーに乗り込む二人。
心は加藤みきおの家に行ってほしいと言います。
玄関をたたいても何も反応のないことに、表札がなくなっていることに気付く心。
祖母と二人暮らしのはずだがと言う佐野に、心は石を持ち玄関をこじ開けようとします。
さすがに不法侵入になるので止める佐野は、まだ信じられないと戸惑いをみせるも、未来の話を聞かせてほしいと、二人はパトカーに再び乗り込みます。
佐野は心が家を出た後から話をしてほしいと言い、心は学校の方へ向かうと霧がでてきて気付いたら2017年にタイムスリップしていたと話します。
2017年は前にいた世界と違っていて、事件の内容が少し変わっていたのと、自分の生立ちが変わっていたこと、妻由紀とは他人になっていて娘未来もいなかったこと、そして母和子と慎吾もいなかったことを伝えます。
そして心は続けて、母和子が事件の後、一家心中をして鈴と心だけが生き残っていた、鈴は妊娠していて相手はみきおだったと話します。
そこへパトカーの窓を叩く音が。
見るとそれは木村さつきでした。
さつきにみきおがどこにいったのか聞くと、2日前に引っ越したと言います。
祖母の病気がなり、みきおは施設に行ったと話します。
それを聞いた心は、その施設の場所を教えてほしいとさつきに言います。
そしてさつきを家までパトカーで送ろうと心は言いだし、強引にパトカーで送ることにしました。
さつきの家に着くと、心は中に入らせてほしいと言います。
少し戸惑いをみせるさつきに、みきおのことで話を聞きたいからと言って家の中へあがることになりました。
67話 信じちゃいけない
さつきの家で、佐野はお父さんは仕事かと尋ねます。
さつきはパートが一人いなくなって人で不足で忙しいと答えます。
心はパートが辞めたというのは佐々木紀子かと尋ねると、さつきは紀子だと答えます。
佐々木紀子は翼に頼まれて木村工場から青酸カリを盗ませたのは、みきおが翼に頼んだことだと心は推測します。
木村さつきが共犯ならどうしてさつきに青酸カリを盗むことをみきおは頼まなかったのか、そこが心には分かりませんでした。
心はさつきの家の中をうろうろしながら、みきおとさつきの犯行の証拠はないかと探し始めます。
これといって何も見つからないさつきの家。
みきおのことを詳しく聞くと、家庭環境に恵まれていなかったことを知ります。
さつきはそのことで、もし祖母に何かあった時は自分がみきおを養子として引き取ろうと考えていると言います。
この村には友達もいるし、村の人もいい人ばかりだし、みきおにとって施設にいるよりかはいいはずだし、子どもたちに辛い思いをもうさせたくないとさつきは話します。
優しくて子ども想いのさつきの言葉を聞いた心は本当にさつきが犯人なのかと一瞬疑いますが、未来で佐々木紀子をさつきは殺しているので、信じてはいけないと気持ちを切り替えます。
そして心は何か証拠はないかとさつきの家の2階まで勝手にあがっていきます。
68話 この過去を変えれば・・・
さつきの家の2階の部屋も勝手に捜索しだしだ心。
佐野は慌てて止めます。
心はさつきに聞こえないよう小声で、もう事件まで時間がない、証拠があれば事件までに逮捕できて事件を防げると佐野に言います。
しかし佐野はまだどこか信じられないような様子で、もう少し詳しく未来のことを教えてほしいと言います。
パトカーの中で、心は佐々木紀子が犯人を見ていないが声は加藤だったことやノートは犯人が持っていたこと、お泊り会の翌朝に事件は起き、死ぬはずだったさつきは生きていたことを伝えます。
佐野は自分が捕まったことで未来の家族が辛い思いをするのは耐えられないと言います。
佐野はメモに書いて事件を整理しだしました。
1月7日千夏の事件は事故扱いになっているが、当日加藤みきおが明音といたことが確認されていました。
パラコートは音臼村では畑を持っているものは少なからず所持していることも分かっており、千夏の飲んだパラコートは別の物か、心が持ち去る前に別の容器に入れていた可能性もあると、佐野は続けます。
そして2月5日の明音の失踪事件は小屋に閉じ込められた明音は翼に暴行され、その時は明音は生きていました。
翼は翌日には明音を隠しに行くと紀子に話していて、明音は別の人物に殺されたということに。
翼は自殺なのか分からないし、容疑者死亡で事件が未解決になっているけれど、金丸刑事は何か知っているようだったと佐野は話します。
二人はそれから加藤が預けられているという養護施設へ向かいます。
施設の職員に話を聞くと、みきおは今日、みきおの叔父だという加藤信也という人物に引き取られていったと言われます。
69話 ・・・・・・誰?
児童養護施設の職員は、みきおの祖母が危篤で病院に行くと言って二人は出て行ったと言います。
みきおの叔父という人物の連絡先を職員から聞いた心は、公衆電話からメモに書かれた電話番号へかけてみるも繋がりません。
次に佐野が、みきおの祖母が入院している病院へ電話をしますが、祖母は危篤ではなく、家族は誰も見舞いに来ていないと言われます。
みきおの叔父という人物は本当に親戚なのか、これから何が起きようとしているのか、心は胸騒ぎがします。
その頃、佐野家では母和子と鈴、慎吾が心が帰ってくることを楽しみに待っていました。
和子が鈴に、お隣さんのところからお酢を借りてきてと頼まれた鈴。
ご機嫌で歩いていると、どこからか笑い声が聞こえ、鈴は恐怖で立ち止まります。
「・・・鈴」と言う声。
鈴は誰なの?と声をかけます。
70話 ただいま
暗闇の中、名前を呼ばれた鈴は怖くなって、叫びながら急いで家へ帰ります。
その声を聞いた母和子は玄関から出てきて、大声を上げると、何者かは既にどこかへ行ってしまっていたようでした。
家の中に入るように鈴に言います。
まもなく、心と佐野が家へ帰ってきます。
家の電気が付いていないことを不審に思い、佐野が電気を付けると、和子と鈴と慎吾はクラッカーを鳴らして、心におかえりなさいと笑顔で迎えます。
心もとても嬉しそうにただいまと言います。
家族の溢れんばかりの笑顔を見た佐野は同時に、心が言っていた、未来で一家心中をすることになり和子と慎吾が死んでしまうという話を思い出します。
佐野は仕事があるから先にみんなで食べておいてと言い、居間を出ていきます。
駐在所ではみきおの捜索願の電話かけていた佐野。
そこへ心がおにぎりを持って佐野に渡します。
心は佐野に、村から出る考えはないのかと尋ねると、佐野は家族と一緒に幸せに暮らすことが一番の願いだけれど、事件が起きて人が悲しい思いをすると分かっているのに見ないふりをするのは嫌だと話します。
二人は今度こそ事件を止めようと決心します。
一方、田中敏行の家のチャイムを鳴らす人がいました。
それはみきおでした。
71話 僕が殺した
薬を飲ませに来たよと言うみきお。
田中は今日はもう薬は飲んだから、夜も遅いし帰りなさいと促します。
おばあちゃんがいないから時間は大丈夫と言う声を聞き、やってきたのはみきおだと田中は気付きます。
布団で横になっていた田中は起きて、座り、みきおに台所にお菓子があるから好きな物を食べなさいと言います。
家に田中しかいないことを確認すると、みきおは何か飲みたいものはあるかと尋ねます。
田中はコーヒーが飲みたいと言います。
熱いから気を付けてと、目の悪い田中にみきおはコーヒーカップを持たせます。
コーヒーの香りを嗅いだ田中は一瞬、手が止まり飲もうとしません。
田中は学校のうさぎが殺され、お腹に赤ちゃんがいるほうを生かすことにしたのはなぜかと話していた時、赤ちゃんが生まれたらもっと遊べるからと言ったのはみきおだと言います。
するとみきおは、犯人は毒でうさぎを殺したと話始めます。
うさぎは死ぬ時もぬいぐるみみたいだった、スコップで首を切ったらキレイな赤い血だったとみきおは言います。
絶句した田中は、みきおがうさぎを殺したのかと尋ねます。
みきおは人間でも実験したかったけれどできなかったから明音の時は苦労したと言います。
汗が止まらない田中にみきおがハンカチでぬぐいます。
コーヒーを飲まないのか、毒は入ってないと言うみきおに、もう寝るからみきおも帰りなさいと言います。
すると今さらおじいちゃんを実験体にする必要はないけれど、次に殺さなければいけない人がいるという声が聞こえました。
それはみきおの声ではありませんでした。
誰だ?と田中が言うと目の前に大きな手が襲ってきました。
駐在所でまだ佐野と心が話をしている時、一本の電話が。
田中敏行の家が火事だという電話でした。
慌てて現地へ向かう二人。
家の中に田中がいることを聞くが、火の勢いは衰えることをしりません。
その頃、佐野の家のチャイムが鳴りました。
こんな夜遅い時間に誰かと尋ねると、加藤ですと声がします。
テセウスの船8巻の感想と考察
8巻はみきおがさつきの目玉を持って登場するというなんとも気持ち悪い始まりでしたね。
目玉から声が聞こえるのはみきおは明らかに精神病じゃないでしょうか。
そして心がまた過去にタイムスリップしたのには驚きました。
心が戻ってきたことに佐野一家はみんな大喜びで、家族の笑顔が見られるシーンはなんだかほっとしますね。
でもほっとするのも束の間で、田中が殺され燃やされたのはショックでしたし、みきおの叔父と名乗る人物が誰なのか、全く分かりません。
今まで出てきていなかったのに急にここへきて新しい登場人物に、それもかなりのキーマンのようなので9巻では、みきおの叔父と名乗る人物は誰なのか早く知りたいです。
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