2022年8月1日発売の週刊ヤングマガジン2022年35号で、『マイホームヒーロー』第157話が掲載されました。
マイホームヒーロー第157話は、家を放火された哲雄一家のその後が描かれます。
哲雄と歌仙は、外壁だけを残して丸焦げとなってしまった我が家を見つめ、ただ茫然とするばかり。
そこへ報せを聞きつけた零花と戸島が駆けつける。
零花は家族の無事を知りホッとするも、哲雄から事情を聞かされ嫌な予感が走る……
本記事では、マイホームヒーロー第157話[不敵な目的]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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マイホームヒーロー157話のあらすじネタバレ
【鳥栖家自宅前】
消防の活動によって家を燃やしていた炎は鎮火。
哲雄と歌仙は変わり果てた我が家を前に言葉が出ず、ただ茫然と見つめているしかありませんでした。
周囲には規制テープが張られ、野次馬の数は増えるばかり。
そんな中、野次馬を押しのけるようにして零花と戸島が姿を見せます。
一報を聞きつけ急ぎ駆けつけたのでした。
零花は明を抱きしめ、三人が無事であったことに一安心。
哲雄に何があったのかを訊ねました。
哲雄は志野と名乗る男から電話を受け、結果こうなってしまったと事情を説明します。
零花も哲雄同様に、その男が志野と名乗ったことに違和感を覚えました。
普通の考えれば名乗ることはリスクしかないはず、それなのに……
戸島は志野が哲雄一家を殺す目的だったのかを哲雄に尋ねます。
これに対し、自分たちを殺す気はなかったのではないかと哲雄は自分の考えを伝えました。
殺す気なら深夜を狙えばよかったはずであり、燃やすと予告までしてくれていることがその証拠だと。
零花は哲雄の話を聞き、志野に対しての苛立ちを隠せませんでした。
なぜなら、今回の哲雄絡みの一連の事が志野と窪による挑発に思えたのです。
村の事件後、警察はいつか窪が哲雄との再戦を仕掛けてくるのではないかとも想定していました。
もちろん零花とて同じです。
家を放火するまでしてきた以上、その可能性、疑いを強く感じた零花は、放火を「挑発」だったのではないかと考えました。
であるならば、志野と窪はまた必ず哲雄に接触してくるはずだと…
この時、歌仙はひとり言のように志野と名乗る人物はどこまで知っていてこんな酷いことをしたんだろうかと突然ボソリとつぶやきます。
7年前の村の事とか、その前の事をどこまで知っててやってるのだろう?と。
”その前の事”
歌仙としては何気なくつぶやいただけの言葉でしたが、哲雄はビックリ。
顔には出しませんでしたが内心穏やかではありませんでした。
案の定、戸島は”その前の事”という言葉にに引っ掛かり、歌仙に何のことかを尋ねました。
すると哲雄がそれとなく横から割って入り、事件後の事情聴取でも話した、村の事件前に志野の組織が接触してきてた事だと説明。
戸島は表向き納得した様子でしたが、横で見ていた零花は哲雄と歌仙の姿に身内だからこそ感じる微妙な違和感を感じ取っていました…
【ホテル】
警察での事情聴取、火災現場での見聞が全て終わったのは、すでに陽も落ちた頃でした。
家が焼失した哲雄たちに警察はホテルを手配。
戸島が哲雄と歌仙、明の3人をワンルームの部屋に案内します。
志野と窪という警察が追いかける人間が今回の事件に絡んでいる可能性もあり、24時間体制でホテルを警備することを伝え、部屋を後にしました。
一睡もしていない哲雄はやっと警察からも解放され、倒れ込むようにベッドに突っ伏します。
明もすでに疲れからベッドでスヤスヤ。
哲雄もこのまま眠ってしまいたいところでしたが、どうしても歌仙に言っておかなければならないことがありました。
それは昼間に歌仙がつい喋ってしまいそうになっていた”その前の事”への注意。
歌仙は謝り、つい”亡くなった零花ちゃんの彼氏”と言いそうになったと話しました。
世の中的には延人は行方不明であり、死んでいるとはされていません。
7年という歳月が二人で決めた現実と嘘の設定を曖昧なものへとし始めていました…
【ホテル・ロビー】
警護がてら一息つく戸島。
その横には捜査から外されていた零花もいました。
戸島は哲雄たちが狙われた今回の事件、その犯行目的を考えていました。
熟考の末に導き出したのは、警察の名声を地に落ちさせるのが目的なのではないか?という疑い。
村の事件後に志野と窪を逮捕できなかった警察に対し、世論は怒りと失望をあらわにしました。
この上、もし哲雄一家に万が一のことがあった場合、それこそ警察は何をしていたんだと世論が爆発するのは目に見えています。
つまり戸島は、窪と志野の目的を、民衆が警察を軽視する世の中にすることではないのかと考えたのです。
窪の狙いが村に代わる新たな修羅場の形成であるのではないか、という戸島の推理を聞き、窪ならば…と腑に落ちるものを感じる零花なのでした…
【哲雄たちの部屋】
クタクタになりながらもシャワーを浴びて汗を流し、もうダメだとばかりベッドに横になった哲雄たちに零花から電話が。
零花の連絡は、このホテルに哲雄たちがいることがもうすでに筒抜けであるという、内通者の存在を知らせるものでありました……
マイホームヒーロー157話の感想と考察
【ジャパニーズヒーロー】
戸島が推理した窪の目的はなかなかに壮大なものでチョット驚きました。
簡単にいうと、日本全国の無法者どもが警察を無視し、好き勝手に暴れる世の中にしたいということでしょうか。
たしかに警察への信用が失われれば民衆は自衛を考え始め、武器を手に取って自警団とか作り始めるでしょう。
アチコチに自警団が出来上がり、やがてそれぞれにルールを作り、従わないものたちを敵扱いしていくことも可能性として考えられます。
そこに経済格差や地域性まで絡んでくれば、戦国時代よ再びもあながち夢物語ではないのかもしれません。
たしかにそんな世界にでもなれば志野も窪も大喜びでしょうけれど…そんな単純ですかね?
とはいえ、あの村以上に、窪が全てを解放して大暴れする環境を再び作り出すには、このくらいの途方もなさが必要なのかも。
すでにまるまる村一つを舞台にしている本作ですからね、最終章をそれ以下にする訳にはいかないと作者が考えているということでしょうか。
どこにでもある普通の家庭、普通の環境が舞台の作品と思いきや、全然違いましたね。
まさかまさかののアメコミ映画ノリになっていくのかもしれません。
哲雄はマイホームヒーローどころか、ジャパニーズヒーローになっちゃうのかもしれませんよ
【零花】
今回、歌仙がついうっかり口を滑らしてしまいそうになる場面がありました。
横から哲雄が割って入り事なきを得ましたが、零花は哲雄と歌仙には自分がまだ知らない秘密があるとおもったのではないでしょうか。
思いっきりそんな顔していましたし。
娘として、歌仙の天然っぷりと哲雄の思考をよく知っているわけですから、他人では気づかないことでも零花ならば気づくってことはあるでしょう。
家族を信じつつも探りを入れ始めそうです。
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