2022年7月15日発売の週刊ヤングマガジン2022年33号で、『マイホームヒーロー』第155話が掲載されました。
マイホームヒーロー第155話は、ある男からの電話によって動揺する哲雄の様子が描かれます。
零花はマル暴に配属する同期の榎木から、首吊り遺体事件は元間野会の人間を狙った連続殺人事件の可能性があることを聞かされる。
榎木から聞かされた可能性を哲雄に話すかどうか躊躇する零花…
その頃、警察から戻り一息ついていた哲雄のスマホに着信が入る。
非通知。普段は非通知の着信は取らない哲雄でしたが……
本記事では、マイホームヒーロー第155話[非通知の着信]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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マイホームヒーロー155話のあらすじネタバレ
【零花】
榎木と別れ店を出た零花。
頭の中は窪と父(哲雄)のことでいっぱいでした。
榎木から聞かされた確かなことは、元間野会の人間がこの3ヵ月で3人殺されているということだけ。
マル暴が推理する、窪と志野が3人を殺した犯人ではないかとの疑いはあくまで可能性の一つにすぎません。
だいたい窪と志野が生きているのか死んでいるのかさえ警察は明確に掴んでいない状況です。
いわばまだ確証の無い”あやふや”な可能性。
しかし、榎木らマル暴にとっては”まだその程度の段階だから余裕”でも、零花にとっては違いました。
零花はこの事件に家族が巻き込まれている当事者です、余裕などぶっこいていられるはずがありません。
それに、もしもマル暴の読み通りならば、近いうちに窪が哲雄にコンタクトを取ってくるのは間違いないと思われたのです。
理由は、7年前に窪は父に「またな」と言い残して消えていること、昨日、事件に父を巻き込んだ事実。
零花は榎木からの情報を父に知らせるべきか迷います。
なぜなら、知らせれば確実に父と母の今の日常が終わることは目に見えていたからです。
二人がどれだけの思いと苦労をして得た日常かを知っているだけに、躊躇する零花なのでした……
【哲雄の家】
ヴ― ヴ― ヴ―
哲雄のスマホに着信が入ります。
画面には”非通知”の文字。
哲雄は村の事件後、さんざんマスコミから追いかけまわされた経験から、非通知には出ないことが普通になっていました。
しかしこの時、特に胸騒ぎを感じたわけではありませんでしたが、なんとなしにこの着信にはめずらしく反応。
電話に出ると、いきなり”はじめまして”と挨拶してくる男の声。
男は自身を「志野」と名乗りました。
哲雄に衝撃が走ります。
「志野」といえば窪の上司であり、間野会の幹部であった”あの志野”しか思い当たる人間はいません。
”はじめまして”の言葉通り、この男が志野だとしたら、哲雄にしても直接会ったことなければ声も聞いたことがない、まさに”はじめまして”の相手。
動揺してしまい言葉がでません。
そんな哲雄を見透かしたかのように、志野は”家のポストを確認してくれ”と用件だけ伝えて電話を切りました。
哲雄は予想だにしなかった突然の事にプチパニック状態。
今の電話をいたずらかも?と思う自分もいましたが、志野の名前を出されて無視を決め込むほど楽観できる哲雄ではありません。
哲雄はポストの中に爆発物でも入っていては危険と考え、巻き込ませまいと歌仙には何も告げず、自分だけで中を確認するため外へ。
慎重に傘を使ってポストを開けると、中から一冊のフォトアルバムが足元に落ちてきました。
アルバムの中を見ると沢山の写真が入っており、それぞれ写っている人すべてに手書きで番号が振られていることに気づきます。
それぞれの写真はどれも同じ場所で撮影されたらしく、監視カメラの映像から切り抜かれたことが窺えました。
何枚か見ていると、やがて自分の姿が映っている写真を目にします。
手にお土産を持っていることから、この写真が一昨日のもので、例の首吊り遺体の空き家近くであることは間違いありませんでした。
さらに何枚か見ていくと、50、51と番号が付けられた若いカップルが写った一枚が。
二人ともキャップを目深にかぶっているため目元がハッキリしませんでしたが、背格好や服装などからこのカップルが野中武雄の息子夫婦を名乗った”あの二人”だと確信します。
哲雄は家の中へと戻り、歌仙には何も告げずアルバムを持ったまま自室に入ると、まるで何処かで見ているかのように再び非通知の電話が入りました。
今度はなんとなしにではなく、明確に意思を持って電話に出る哲雄。
予想通り志野と名乗る男からでした。
志野はアルバムを送ったこちらの目的を理解したかをたずねてきました。
哲雄は思ったまま、自分に殺人の罪を被せようとしたヤツを捜しているのではないか?と返答。
この答えを聞いた志野は思わずテンションが上がり、窪の言う通りだと哲雄の察しの良さを絶賛しました。
続けて志野は、昔の仲間を殺しているヤツに落とし前をつけなくてはならないと理由を話し、犯人を番号で答えろと要求します。
犯人と接触したのはお前だけだろと。
哲雄はなぜ志野がまだ自分が犯人捜しを協力するとも言ってないのに、協力を決めつけているのかのように話すのが引っ掛かります。
ありのままその疑問を尋ねると、志野は犯人を教えてくれたら哲雄に報酬があるとし、”哲雄に罪を被せようとしたヤツらが消える”と答えました。
志野は”ただし”と付け加えます。
もし適当な番号を教えたり、通報した場合は哲雄の家を燃やすと……
哲雄は脳をフル回転。
考えられる可能性を絞ります。
もしこの志野と名乗る男が偽物なら、ネットニュースを見てのイタズラが目的で、この場合は無視がベスト。
もしこの男が本物の志野で言ってることも全て本当だとしたら、犯人と志野は敵対関係であり、自分をハメた50番と51番を庇う必要はない。
最悪なのが、もしこの男が本物の志野で、言っていることが嘘で自分を殺そうとしている可能性。
もし仲間を殺した落とし前というならば、哲雄も志野にとって犯人と同じ落とし前対象のはずであったからでした。
哲雄は考え、この男が志野だとして、なぜ名乗ったのかに合点がいきません。
メリットがないように思えたのです。
そこで哲雄は本物の志野かどうか確認せずに話を進めるわけにはいかないと考え、探りを入れてみることに。
7年前のことについて窪が自分のことをどう話していたかを志野に尋ねます。
志野も哲雄に負けず劣らず察しがよく、すぐに自分が本物の志野かどうかを知りたいがための質問だと即理解。
志野は自分が本物か知りたいんだなと前置きし、窪は哲雄を「出会った中で最悪の男」で、「あの日の復讐に今でもお前を殺したがってる」と教えてやりました。
哲雄はこれを聞くや即”違う”と思います。
窪が復讐心で自分を殺そうと思うような人間ではないことを哲雄はよく理解していたからでした。
この男が志野の偽物と判断した哲雄は、威勢よく犯人を答える義理はないと答えますが……
マイホームヒーロー155話の感想と考察
【整理整頓】
いやあ面白いですねえ、頭がこんがらがるような展開となっていきそうな気配。
そこで今回首吊り遺体事件に関して勢力が出揃った感があるので、ちょっと整理をしておきたいと思います。
・警察は元・間野会の3人が殺されたのは偶然ではなく、意図的に殺されたと考えており、犯人は志野と窪ではないかと読んでいる。犯行理由は裏切りの代償。
・志野は元・間野会の3人を何者かが意図的に殺していると考えており、犯人を哲雄と疑った節が見え隠れ。真犯人を追い求めるも、哲雄に死んでもらっても構わないと思うほど程度には哲雄を恨んでもいそう。
・真犯人は元・間野会の人間を意図的に狙って殺し、その罪を哲雄になすりつけ、哲雄の命を奪うよりも哲雄の日常を壊す、或いは奪うのが目的である可能性が窺える。
・哲雄は今のところなすがままで、後手に回る以外手立てなし。
前章の第二部も対立構図がやや複雑でしたので、当然続きである最終章も複雑になるであろうことは予想していました。
だからこうやって時々整理しないと、誰が誰にとって敵で、立ち位置がどう変化したのかとかどうしても適当でいいやって感じになってしまいがち。
コミックを追いかけて買っていたり、ヤンマガを捨てないで保管でもしていなければ特にそうなるでしょうね。
【哲雄の直感】
今回哲雄は志野を偽物だと判断しました。
その理由は、自分が知る窪と、志野が語る窪とに乖離があると直感したからに他なりません。
志野は窪が哲雄に復讐したいと言っていたと語っていましたが、窪が復讐心なんて理由から自分を殺そうと思っているとは、哲雄には到底思えなかったわけです。
これ、私もそう思います。
窪は負けを認めていましたし、間野会の人間や半グレのことなど、替えの利く手駒程度にしか考えていませんでしたので誰かのための復讐はありえません。
かといって個人的復讐心を哲雄に向けるとも考えられません。
制御を解除させてくれた哲雄に感謝していましたし、哲雄と殺り合いたい思いがあるにせよ、それは決して復讐ではないはず。
そうなると…
志野は窪とコンタクトを取っていない、或いはコンタクトをとってはいるけれど哲雄の話はしていないってことになりますよね?
つまり、今回の件は志野が単独(窪関係なく)で動いている可能性が高いのではないでしょうか。
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