2022年7月15日発売の週刊ヤングマガジン2022年33号で、『賭博堕天録カイジ』430話が掲載されました。
『賭博堕天録カイジ』430話は、突破するマリオ、出口で監視する遠藤たちにデパート内の安川たち全てが紙一重のタイミングで行われる最後の脱出劇が繰り広げられます。
マリオの緊張感も伝わる最後のランウェイを制するのはどちらなのでしょうか。
本記事では、『賭博堕天録カイジ』430話『突破』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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カイジ430話のあらすじネタバレ
遠藤と西嶋という今回のボスキャラの前を堂々と突破したマリオでしたが、その直後にトイレを捜索していた安川からマリオが女装しているという情報が西嶋に伝えられました。
突然女装と言われても、助走や除草などの言葉が出て来て西嶋は上手く理解出来ませんでした。
安川はわかりやすく、マリオが女に買った服を着て、女に化けていると説明しました。
しかし、残念ながらこの報告は間一髪で間に合いませんでした。
通り過ぎたおば様方の一段は左右に分かれ、後ろ姿しか見えません。
小柄なマリオは前から見れば不審な様が見受けられるものの、後ろから見れば男女の識別は不可能なものでした。
なんと遠藤たちの前を堂々と正面突破することを果たしたのです。
2人のおば様方の後ろを歩いていると、タクシーが見えてきました。
その後部席のドアを開けて、身を乗り出して待っているカイジの姿を見て、思わずマリオは涙を流しました。
今すぐにでも走り出したい衝動に駆られますが、まだ敵が背後から伺っていることを警戒して、薄氷の上を歩くように慎重に歩を進めました。
完全に後ろ姿は女性と遜色の無いものとなっていたマリオでしたが、西嶋は部下たちに命じた自分の言葉を思い出していました。
デパート内で始めた追尾の初期の頃、部下たちに命じたのはマリオの風貌、ニット帽・カバン・スニーカーを目に焼き付けろというものでした。
亡霊から身を守るために全身にお経を書き、耳だけ書き忘れて耳を奪われた耳なし芳一の怪談の如く、後ろ姿だけならマダムと化したマリオにも、そんな耳が存在していました。
咄嗟に、西嶋はそこの女待てと叫びました。
服だけは着られたものの、靴までは履けなかったのか、マリオは自分のスニーカーのままだったのです。
状況をすぐさま理解したカイジは身を車内に隠し、マリオに走れと言いました。
ここで遠藤はカイジの存在に気付いてしまいました。
威圧的な声を発しながらマリオに向かって走る西嶋と、カイジに向かって走り出した遠藤はおば様方の間をあっという間に駆け抜けて行きました。
マリオがタクシーに乗り込んだ瞬間に、ドアは閉められて最初の計画通りに即発車して遠藤達の前を走り去って行きました。
万事休すと思われた遠藤たち帝愛でしたが、過去にも数々の逃走者を捕まえてきた遠藤による、スコープが発動しました。
瞬間的故に全ては無理でも前の2桁のみ、タクシーのナンバーを記憶したのです。
タクシーという特徴と、前2つの番号だけでもすぐに追うには十分な判断材料であり、2人はクルマで追うために急いで戻りました。
カイジ430話の感想と考察
十重二十重の監視が敷かれ、完璧に閉じ込められたはずのデパートから見事に脱出し、遠藤たちの前を正面突破するという奇跡も見せてくれました。
女装を即座に理解出来なかったことと、遠藤はずっと西嶋に電話の内容を尋ねていましたが報告内容に気を取られて説明しなかった事が敗因だったように思えました。
もう少し早く、マリオが女装しているという話を遠藤にもしていれば、強引にでもマダムたちを呼び止めていたかもしれません。
タクシーまでの距離が遠いほど遠藤たちに勝ち目はありそうだったので、軍配はマリオに上がりました。
カイジを見つけた瞬間の、マリオの走り出したくなる気持ちはとてつもなく伝わってきました。
自分の意志でフラフラと人目の多いデパートに来て、挙げ句に帝愛に見つかってしまっているにも関わらず、助けに来てくれたことにもまずすぐにでも駆け寄ってお礼を言いたいはずです。
どれほどの時間かわかりませんが、帝愛の監視が続く緊張感や遠藤の前を突破するという更なる緊張感が続く中で、やっと見えたゴールですから、走り出したい気持ちは抑えるのも大変だったはずです。
逃走には随分と自信ありげなドライバーでしたが、遠藤の追跡から逃れることは出来るのでしょうか。
既に走り出したタクシーに対し、今から走ってクルマに戻って追跡を始めるのでは間に合わない気がしますが、ここで帝愛の人海戦術が生きてくるのかもしれません。
タクシーの特徴、2桁のナンバーだけを伝えれば即座に目撃情報が寄せられてしまいそうですが、あのドライバーのことなので軽々とかわしてしまう展開にも期待してしまいます。
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