2022年6月6日発売の週刊ヤングマガジン2022年27号で、『アンダーニンジャ』第74話が掲載されました。
『アンダーニンジャ』第74話は、雲隠十郎こと、「天」の人となりが軽く紹介されます。
九郎が死んだというのに、いまいち実感が乏しい大野さんと川戸さん。
九郎の弟を名乗る二人の存在が、九郎ロスをいまいち感じさせないからであった。
いつものように朝からビールを嗜む川戸さんと、コンビニ帰りの大野さんのが窓越しに噂話をしていると……
本記事では、『アンダーニンジャ』第74話[はだしのテン]のあらすじと感想を紹介していきます
※ここから先はネタバレ注意です。
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アンダーニンジャ74話のあらすじネタバレ
【アパート・川戸さんの部屋】
ささやかな九郎の通夜がおこなわれた翌日、いつものように朝からビールをグビグビ嗜む川戸さん。
窓から覗く外階段を見ていると、コンビニ帰りの大野さんが目に入ります。
大野さんをハゲ呼ばわりして引き止め、昨晩アパートで見た「変なの」について心当たりがあるかを尋ねました。
ハゲ呼ばわりされて心外だと憤りながらも、大野さんもまた川戸さんの話に心当たりがるのか、自分も昨晩「変なの」を見たと、その時のことを話し始めました。
【昨晩の出来事】
大野さんは夜中3時頃に尿意を催して目覚めます。
トイレに行き、用を足し廊下に出た時、ふと九郎の部屋のドアが少し開いていることに気づきました。
特別何か気配を感じたわけではありません。
ただ、九郎が死んだという実感がわかないでいた大野さん、もしや九郎が戻って来たのかも、そう思ったのは無理もありませんでした。
大野さんはそーっと九郎の部屋へ近付き、ドアの隙間から中を窺います。
すると部屋の四隅の一角で、九朗と背格好のよく似た男が背中を向けて座っていました。
男は声を出して数字の1から9までをゆっくりと数えていたのです。
大野さんの脳裏に番長皿屋敷のお菊が浮かんだのはこれまた無理もありませんでした。
九郎が化けて出たと思い、踵を返して一目散に自室へと戻ったのでした……
【アパート・外階段】
アンビリーバボーな恐怖体験であったと語る大野さんでしたが、川戸さんには心当たりがあったため、大野さんの体験談はある意味全然ビリーバボー。
その時、「噂をすれば影がさす」の如く、階段上に十郎が現れます。
川戸さんは十郎に気づき、おはよーと声を掛けました。
十郎は無言のまま軽く会釈。
川戸さんが挨拶したことで十郎に気づいた大野さんは、その姿を見て言葉を失います。
お化けではなかったことを瞬時に悟り、この男も十二郎同様にまた九郎にそっくりであることに驚きを隠せませんでした。
十郎は階段の支柱を伝って下に降り、大野さんに近寄ると開口一番、おカネを無心。
大野さんは初対面にもかかわらず堂々とおカネを無心してくるこの男に九郎と同じ匂いを感じ取ります。
十郎は大野さんからおカネを巻きあげたあげく、散々失礼な言葉を浴びせるだけ浴びせてそのまま立ち去りました。
なすがままの大野さんでしたが、男が裸足のまま堂々と道行く姿に、昨日の朝見た九郎の姿がダブって見えます。
大野さんが呆気にとられていると、今度は外階段上に慌てるようにして飛び出してきた十二郎が。
十二郎は兄を見なかったかと、川戸さんと大野さんに尋ねました。
川戸さんは大野さんのおカネを持ってどっかいったと教えます。
川戸さんと十二郎の会話から、昨晩のお化けが九郎の兄弟とわかった大野さんは、あの失礼さも九郎と同じ血筋ならさもありなんと思うのでありました……
【コンビニ】
お腹がすいていた十郎、弁当でも買おうかとコンビニを訪れます。
店内に入るとなぜか店員が忍語を使い十郎に話しかけてきました。
忍語で遅いぞと注意された十郎でしたが、何のことだかわかりません。
店員は3分後に来店するコンビニ強盗を命令通りに処理するよう、十郎に指示します。
十郎はそのまま弁当売り場に向かい、何を食べようか物色。
するときっかり3分後、黒ずくめにチョビ髭の男が店に入ってきました。
男は歩きながら腰に隠しておいたナイフに手をかけます。
その瞬間!
十郎は左手にお弁当を持ったまま、目にも止まらぬ速さでバックスピンキック!
と思いきや、足の親指と人差し指で男が取り出そうとしていたナイフの柄をつまみ、刃先で男の指に軽く裂傷を負わせつつナイフを奪い取りました。
あまりに一瞬のことで何が起きたのかわからない男。
そこへ店員の投げつけたおでんの卵もオデコに命中し、熱いわ痛いわ血が出るわでプチパニックに陥った男はダッシュで店から逃走します。
十郎はそんなバタバタがあったことがまるで嘘のように、お弁当売り場で物色を再開し、半額シールが付いたペペロンチーノに目を輝かせるのでありました……
アンダーニンジャ74話の感想と考察
【性格分け】
もはや作者がキャラの描き分けが苦手だから、クローン戦争をテーマにしたのかもと勘繰っちゃいたくなる本作。
そうなると当然、各キャラの判別は見た目よりも、その性格をハッキリ分けることが重要になります。
九朗たち兄弟姉妹各々にもハッキリとした性格なり、特技が設定されているに違いありません。
九郎は「死にたくない」「やりたくない」と常々ボヤくような、積極性に欠ける面倒くさがりな性格付けでした。
では十郎はどうでしょうか。
まだ2話しか登場していませんので断定はできませんけれど、戦闘に関しては積極的かつ好戦的とも窺える節が見えます。
そして今回、十郎はコンビニで店員から忍語で話しかけられている時、「?」といった反応を見せるだけでした。
これをどう解釈したらいいか迷いますね。
以前に蜂谷がアパートを訪れた時に川戸さんや大野さんが見せた”何語かわからない”状態と見ればいいのか?
それとも忍語であることは理解するも”店員の言ってる内容の意味がわからない”状態とみればいいのか?
はたまた忍語だとは思うけど”勉強不足で意味がわからない”状態とみればいいのか?
私は作者が判別という意味から兄弟姉妹には極端な性格付けを施している可能性が高いと考えますので、”何語かわからない”状態なのではないかと。
十二郎は十郎のことを何でも暴力で解決しようとする性格だと言っていましたので、十郎は戦闘バカ、戦闘第一の男なのだと想像します。
故に、お勉強はからっきりで、ドラゴンボールでいうところのサイヤ人であり、悟空みたいな感じ。
十二郎などはおそらくはその真逆、対照的な性格なのでしょう。
十郎と十二郎を同時に登場させる狙いの理由のひとつがここにあると思います。
どちらか片方だけを登場させるよりも、両者を同時に登場させ、なおかつ性格を真逆にすることによって読者に判別をわかりやすくさせたのではないでしょうか。
ひとつ確かなことは、雲隠れ兄弟姉妹は今のところ十二郎を除いて皆、たかり気質だということでしょう。
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