2022年5月12日発売の週刊ヤングジャンプ2022年24号で、『少年のアビス』93話が掲載されました。
『少年のアビス』93話は、花火デートを楽しむ野添と夕子でしたが、何者かによって夕子が連れ去られてしまいました。
助けに向かう野添が見た光景、そして結婚も誓った2人の関係にも不穏な空気が流れました。
本記事では、『少年のアビス』93話『挙句』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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少年のアビス93話のあらすじネタバレ
花火大会の人混みの中、連れ去られる夕子を追いかけようとする野添でしたが、それを阻止するように蹴り飛ばされてしまいました。
人をかき分けそれでも夕子を探しに向かう野添は、交番に行こうかとも考えましたが、どこかを指さしている人を見掛けて声を掛けました。
無理矢理女の子が連れて行かれたっぽいと答える浴衣姿の女性が指す方に、野添はすぐに駆け出すと、行った先では夕子が倒れていました。
呻き声が聞こえ、咄嗟に野添が視線を向けると、数人の男たちが倒れていました。
その中心に1人立っていたのは、夕子と親しげなグループのリーダー格でもある雨竜でした。
不意に名を呼んだ夕子の声に野添が驚くと、雨竜は何もされていないと教えてくれました。
相手は元北中の暴走族で、前から夕子の事を狙っていたとのことです。
雨竜の後を追いかけて来た峰岸に、北中とやりあうかもしれないと雨竜は言いました。
夕子に早く帰るように言い、その去り際で雨竜は野添にも声を掛けました。
打ち上がる花火にも背を向けて2人は帰路に着きました。
野添はぽつりとごめんと言いますが、何故野添が謝るのか夕子はわかりません。
浴衣を汚してしまい、篠岡に謝らなければと夕子は言い、ここでようやく野添は怪我をしているかを尋ねました。
すぐに雨竜が来てくれたから、最初に無理やり引っ張られた手首が痛いくらいと笑顔を見せて夕子は言いました。
花火の明かりで、野添にもその顔は見えたようです。
雨竜に何を言われたのか夕子が尋ねると、気を付けて帰れと野添は言いましたが、本当は守り切れないなら諦めろと言われていたのでした。
それから雨竜が言ったとおりに隣の北中や卒業生などを巻き込んだ喧嘩が学校や町中で起こり始めました。
この抗争のきっかけとなった夕子はどこへいくにも仲間がガードをするようになってしまい、夏祭り以降野添と夕子が2人で会うことは無くなってしまいました。
そんな日々の中で雨竜は頭角を現わし、不良たちのリーダーになっていきました。
疎遠になってしまった野添と夕子でしたが、ある日野添が自宅にいると友達が来たと告げられました。
出てみると夕子が1人でやって来ていました。
驚く野添は夕方に1人でうろうろしない方が良いと言うと、雨竜が北中のリーダーをやったためにこれで終わりだと思うと夕子は言いました。
そんな話をされても、野添は顔も向けずにそっけない返事しかしませんでした。
何か用があるのかと尋ねる野添の言葉に、夕子は雨竜に告白された事を告げました。
付き合うのかと野添は聞きましたが、夕子は自分たちが結婚の約束をしていることを主張しました。
雨竜にその話をしたのかと野添は言いましたが、もちろん夕子は全部話していました。
向こうが今も好きか確かめてこいと言われて来たと言う夕子に、既に言いなりになっていることを野添が指摘し、言われたとおりにあいつの女になればと言い放ちました。
返す言葉も無く、静かに夕子は部屋を出て行きました。
すっかり陽も落ちて夜になってから、夕子に謝ろうと思い立った野添は、そっと家を抜け出し、彼岸花の並ぶ道を走り夕子の家に向かいました。
そんなことはやめればよかったのにと、病床の野添は令児に話しました。

少年のアビス93話の感想と考察
町を好きになって貰おうと夕子が連れ出してくれた花火大会でしたが、幸せはほんの一時で終わることになってしまい、この祭りに来なければ後の関係は変わっていたかもしれません。
助けられなかった自分の力の無さを痛感させられた野添は、この時に初めて自分が惚れた相手の立ち位置を把握したのだと思います。
雨竜のように守れる力が必要であり、自分とは違う世界にいる相手だと改めて知ることになった野添は、夕子が雨竜から告白されることも察していたのかもしれませんし、疎遠になっていく中で諦めもついていたのかもしれません。
それでもやはり夕子は野添が好きだったものの、冷たい対応を取られてしまいその関係は終止符を打つことになってしまったのかはまだわかりません。
謝りに走る野添が、夕子の家で一体何を見たのか、現代の野添がやめれば良かったのにと言うような出来事が待っているのでしょう。
いよいよ過去編も終わりそうな中、この雨竜が現代ではどうなっているのか気になるところです。
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