2022年4月18日発売の週刊ヤングマガジン2022年20号で、『アンダーニンジャ』第71話が掲載されました。
『アンダーニンジャ』第71話は、瑛太が一生抱えるであろう疑問と、九郎の兄弟姉妹の一端がお披露目されます。
九郎のアパートでは、瑛太と大野さん、川戸さんの三人が亡き九郎を弔い献杯。
三人による九郎のお通夜はただの飲み会へと移行。
瑛太は九郎の死以上に今日一衝撃を受けたことを二人に話すのであった……
本記事では、『アンダーニンジャ』第71話[シュレディンガーの胸]のあらすじと感想を紹介していきます
※ここから先はネタバレ注意です。
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アンダーニンジャ71話のあらすじネタバレ
【九朗のアパート】
九郎の部屋に集まった瑛太と大野さん、川戸さんの三人は亡き九郎を弔い献杯。
期せずして九郎のお通夜が始まります。
お通夜といえば亡き人を偲び、ああだった、こんなだったと思い出話に花を咲かせる飲み会。
けれど三人とも九郎との思い出にはロクなものがありませんでした。
語るのもしんどい…それが三人に共通した九朗との思い出。
三人は九朗がらみで、もっとまともなネタがないかとそれぞれ頭を巡らせます。
すると瑛太は朝からずっと気になっていることがあると、大野さんと川戸さんに意見を求めました。
それは瑛太の脳に朝からこびりついたまま離れないでいる疑問、「オッパイとは固いのか?」問題。
急に下ネタをぶっこんできた瑛太に呆れつつも、なんでそんなことを言い出したのか気になった二人は、詳しく話を聞いてみることに。
【野口さんの固さ】
瑛太は今朝、女子生徒(野口)によってゴーインにオッパイを掴まされた時のことを話して聞かせました。
その際受けた胸の印象が自分が抱いていたオッパイの印象とは真逆、つまり「固かった」ことが残念でならないと嘆きます。
川戸さんはそれを聞き、オッパイ一回もんだ程度で生意気に女を知ったかのような口をきくなとピシャリ。
チ〇コ同様に胸も千差万別だと言って聞かせました。
大野さんは瑛太の発言は問題だとしながらも、瑛太のいう「固さ」とはどれくらいのものなのかが気になり尋ねます。
瑛太は軽く目を閉じ、二人にわかりやすく野口さんオッパイの「固さ」を説明するため、類似の「固さ」の例えを脳内探索。
結果、類似の例えとして思い浮かんだのは「海辺の海水で濡れた砂の山」でした。
「例え」を聞いて大野さんも川戸さんも砂利じゃん、セメント手前じゃんと絶句し、しばし言葉を失います。
【色んな意味で問題発言】
瑛太はこれまで自身思い描いていたオッパイの質感とのあまりの違いに頭がどうにかなりそうだと、苦しい胸の内を打ちあけました。
野口さんの「固さ」が普通なのかどうかも他の誰かと比べたこともないからわからないと肩を落とします。
それを聞いた大野さん、突然何を思ったか比べるならホラ目の前に…と、暗に川戸さんのオッパイをもませてもらったらとシレっと言ってのけました。
大野さんの言葉に川戸さんは自分が軽く見られたと感じて若干イラつき、ハッキリ誰のオッパイと比べたらいいのか言ったらどうだと迫ります。
川戸さんの機嫌を損ねたのを感じた大野さんは、決して川戸オッパイと比べてみたらと言ってるわけではないと弁明しますが当然、聞き入れられません。
【九朗の名前】
この時、ノンアルコールビールの勢いか、オッパイもみたい衝動的欲求か、瑛太の脳はフル稼働。
突然、九郎の名前を出してオッパイをもませてほしいと川戸さんに頭を下げました。
曰く、九郎ならば「川戸さん、後生だから瑛太にオッパイさわらせてやってくれ」というんじゃないかと…
瑛太の行動と思い、そして自身の問題発言を正当化させるため、大野さんの脳もフル稼働。
同様に九朗の名前を出して、瑛太にオッパイもませてやってくれと頭を下げて瑛太に追随しました。
曰く、九郎の遺志を継ぎ自分からもお願いしますと…
オッパイをもませてほしいと土下座する高校生と、オッパイをもませてやってくれと懇願する中年のおっさん。
地獄と化した四畳半一間に閻魔様、川戸様の戒めの言葉が響き渡ります。
曰く、死んだ人をダシに使うんじゃない、と…
死人に口なしとばかりに九郎をダシに使って凶行に打って出ようとしていた瑛太と大野さんでしたが、川戸さんによって犯罪者にならず済んだのでした……
【九朗の弟】
瑛太・大野・川戸の三人が織りなす地獄の四畳半に、突然、メガネをかけた真面目そうな青年が登場。
メガネをかけてはいるものの、九郎とうり二つのその顔に瑛太も大野さんもビックリ。
川戸にどちら様かと尋ねられた青年は自身を「雲隠十二郎」と名乗ります。
川戸さんは雲隠れという名字、見た感じの容姿から九朗の弟と察して、お兄さん残念だったねとお悔やみの言葉をかけました。
十二郎は地獄の会話を聞いていたらしく、川戸さんに九郎ならば「後生だから瑛太にオッパイもませてやってくれ」といったと思うとだけ告げ、四畳半を後に。
残された三人は十二郎という九朗とうり二つの人物が自分たちの前に現れたことに動揺を隠せませんでした……
【九朗の妹】
九郎のアパートで地獄のお通夜が行われていた頃、野口は惨事に巻き込まれた当事者であるにもかかわらず、普段と何ら変わらぬ時を過ごしていました。
野口の両親は惨事について何ら話を聞こうともせず、普段通りに陽気に晩酌タイム。
そんな両親に呆れつつも、野口も普段通りに自分の部屋で就寝タイム。
ベッドに入り、眠りにつこうと目を閉じたその時、布団の中で蠢く存在に気付きます。
野口は九郎がまた夜這いに来たのかと思い慌てて布団をめくってみると、そこにいたのはどこか九郎に似た「雲隠十一」と名乗る女の子でありました……
アンダーニンジャ71話の感想と考察
【九朗が遺した違和感】
とりあえず九郎はお役御免となりましたので、個人的にこれまでに九郎が遺した、特に印象に残る思わせぶりな場面をいくつか振り返りたいです。
・第5話と第15話で九郎が語った「アパートにいるはずの寝たきりの大家さん」の存在。
・第12話で九郎が佐々魔と唯一接触?した際に言った「見逃してもらえたかな」という言葉の意味と背景。
・第25話の九郎と野口が遭遇した回の微妙な違和感。
この他にもまだいくつかありますが、とりあえず物語の前半部分で作られたこれらの「ささくれ」についてメモしておこうと思います。
・九郎のアパートには明らかに大野さんと川戸さんの他に大家さんがいることを九郎が教えてくれています。
しかし、ここまで大家さんは一回も登場していません。
そしてこのアパートは鬼首が語っていたように、なぜか強靭な防御システムによっって、まるで「何か」から守られている節があります。
さらに大家さんは死にそうな老婦人、おばあちゃんです。
これらここまでに明かされた事柄から、大家さんは七忍衆の一人である雲隠一族なのではないでしょうか。
・第12話における九郎が佐々魔に対してアパートのブロック塀越しに心内で言ったセリフの違和感はなんなのでしょうか。
「見逃してもらえたかな?」
これは九郎が佐々魔がNIN研の誰かと話をしているのを偶然聞いてしまい、内容から佐々魔が自分よりも上の立場の忍者と判断してのセリフなのか?
それとも別の理由があってのセリフだったのか?
また佐々魔もブロック塀の向こうに九郎の気配を感じておきながら、何らアクションを起こすことなく通り過ぎたのはなぜなのか?
佐々魔が一等忍尉であることから、九郎の気配を一般人のそれと判断するとは思えません。
気配の存在があのアパートの住人であると判断したからこそ何もアクションを起こさなかったのではないでしょうか。
NIN研との会話を聞かれても問題のない存在、つまり同業者、忍者だから問題ないと。
そうなると、九郎の姿を見ていないにもかかわらず佐々魔がそう判断したのだとしたら、大野・川戸・大家も忍者である可能性が出てきます。
・転入試験のために初登校回した九郎の表情に見る違和感がどうしても頭に残って拭えません。
九郎が昇降口に辿り着くまで、背後から来る野口の存在に気づかなかったのはなぜでしょうか。
あの時、野口を見た九朗の顔は動揺とまでいかずとも何かを悟ったようにも見えました。
まさかまさかの一目惚れ?
そして廊下で野口が放った「17、18歳で人生なんてわかんねーよ」というセリフに反応してみせた九朗。
考えすぎかもしれませんが、私には野口には何か秘密があると思えてなりません。
【奥さん強力マン力号】
大野さんは電動型オナホール「奥さん強力マン力号9V型」の愛用者です。
この一見意味のない情報が、まさか今回の瑛太の葛藤を理解し擁護するための伏線であったとは驚きました。
大野さんも瑛太同様にオナホールの「固さ」に葛藤の経験があったのでしょうね。
こうなっている可能性もあるし、こうじゃない可能性もあるという、相反する可能性の混在を受け入れるだけの知識と経験値の無さが地獄の四畳半を生じさせてしまったように思えました。
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