2022年3月10日発売の週刊ヤングジャンプ2022年15号で、『少年のアビス』86話が掲載されました。
『少年のアビス』86話は、チャコの提案により、令児達3人は東京に向かうことになり柴沢先生のアパートを後にしました。
一方、もぬけの殻となったアパートでまだ柴沢先生は令児の帰りを待とうとしていましたが、いつまでも大人しくしている人ではありません。
本記事では、『少年のアビス』86話『あの町の少年たち』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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少年のアビス86話のあらすじネタバレ
誰もいなくなったアパートの部屋で、柴沢先生はクローゼットを開けてみると令児のために買ってあげていたアウターが無くなっていることに気付きました。
咄嗟に令児に電話しようとスマホを手にしましたが、その指はピタリと止まって落ち着くように自分に言い聞かせました。
令児なりの解決に向かっているのかもしれないと考え、もう少しだけ待つことにして信じていると呟きましたが、その目に光はありません。
散らかり放題の部屋の片付けをして、令児の帰りを待つことにしました。
その令児は、チャコと玄と共にいました。
小3の夏、急に母の兄を名乗る男が家に来たときの話をしました。
それまで令児は母に兄がいたことも知らず、その伯父さんにあたる人は子どもも2人連れていて、従兄弟という存在を知ったのもその時が初めてでした。
伯父さんは令児も一緒に海に連れて行ってくれることになったのですが、伯父さんと母が口喧嘩を始めてしまい、初めての海に行けなくなりそうだと思った令児はがっかりしていました。
しかし、伯父さんは令児と兄を無理やり車に乗せて海に連れて行ってくれることになりました。
車が走り出すと、母が走って追いかけて来たのですが、令児には泣いているように見えました。
それを見た令児はもう家に戻れないかもしれないと怖くなってしまい、初めての海は楽しくもなんともなく、ただ家に帰りたいと思うだけでした。
お母さんはなんで泣いてたんだろうとチャコは言いましたが、そんな気がしただけかもしれないと令児は言いました。
伯父さんと会ったのはそれが最後になり、その後はもう1度も会っていません。
令児が次に町を出たのは、小学校の修学旅行? と話しながら、チャコは横目でスマホを見るともしかして部屋にいない? ともう1晩経っているというのに今更母親からのメッセージが届きました。
令児はインフルエンザで修学旅行は行けなかったと言い、玄もそうじゃなかった? と聞きますが、イライラした様子で足をパタパタしながら覚えてないと言いました。
中学の修学旅行は、祖母の骨折に加えて母が仕事を休めない事から参加出来ませんでした。
海に行った日から、令児は町から出たことがなく、海の記憶は夢なのかもしれないとすら思っていました。
令児達の住む町は、電車も通らず国道が1本続いているだけで道の向こうには何も無いのかもしれないと思っていました。
チャコにその理由を尋ねられますが、令児にもそれはわかりません。
怖い? と聞かれた令児はそれもわかりませんでしたが、新宿駅の人の多さに令児は驚きも見せませんでした。
なにより、自分たちの町以外にも街が本当にあったことに感慨深げな表情で空を見上げました。
一方、部屋で令児を待つ柴沢先生は、狭い町のどこをうろうろしていたらこんなに遅くなるのかと、令児に語りかけます。
今度は令児1人ではなかったこともあり、本当に町を出たのかもしれないと予感し始めました。

少年のアビス86話の感想と考察
以前令児が入院していた時に、海に行ったときの記憶が描かれていました。
その時に見知らぬキャラの登場に謎を呼んだシーンでしたが、従兄弟ということが判明しました。
伯父さん達と会わなくなったのは、口喧嘩や無理やり海に連れて行ったことが原因になっていると思われます。
令児を大切に思うあまり、夕子は親族からも孤立してしまっているように見えますが、本人としては令児がいればそれで良いのかもしれません。
その令児が本当に町を出たことを知った時、柴沢先生と共にどんな行動に出るかが今から恐怖でしかありません。
そして、令児は度重なる不運で修学旅行にも参加出来ず、ほぼ初めて町を出ることが出来ました。
地方民なので自力で東京に出た時の、本当にあったという感覚は今でも忘れませんし、令児は自分たちの町の外には何も無いとすら思っていた閉鎖された世界で生きていたので、その思いの大きさは全然違うのだろうと思います。
そんな別な世界を見てしまった令児、そ憧れの東京に来たチャコ、未だに何を考えているのかわからない玄の3人による東京ライフには何が待っているでしょうか。
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