2022年2月17日発売の週刊ヤングジャンプ2022年12号で、『少年のアビス』84話が掲載されました。
『少年のアビス』84話は、なりゆきでチャコと2人きりになった玄は唐突に告白しました。
恋心とは別なところにある告白は暴走して行く中、そこへ令児もやって来て幼馴染み達の波乱の幕開けとなります。
本記事では、『少年のアビス』84話『美しくて儚くて暗くて冷たい』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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少年のアビス84話のあらすじネタバレ
町を出ることもなく、自分だけでなく令児や玄のこれからも話すチャコに対し、玄は俺の女になれと唐突に言いました。
予想もしていなかった言葉に戸惑うチャコは、その場から逃げようとしますが、玄の腕力には敵わずベッドに押し倒されてしまいます。
昔チャコが玄に抱いていた恋心は玄にはお見通しで、それを持ち出した玄はチャコの服を脱がせ強引に犯そうとします。
チャコを好きだからではなく、令児を自分のいじける理由にされていることが気に入らずその怒り任せの行動でした。
その時、玄関のドアが開く音がして、チャコを呼ぶ声がしました。
咄嗟に令児に助けを求めたチャコに応えるように令児は部屋のドアを開けると、玄がチャコを押し倒している状況に驚くばかりでした。
玄を突き飛ばしたチャコは令児のもとへ駆け寄りましたが、令児はただただ信じられないというような表情で玄を見ていました。
その玄も何も言わず令児を殴り飛ばし、再びチャコをベッドに押し倒しました。
チャコとは何も無かったという令児に、そこで見ておけと玄は言いました。
チャコを助けるためではなく、玄を押さえ付けてここにいたら捕まる事を打ち明けました。
柴沢先生と会い、チャコの病状を心配して救急車を呼ぶことや、玄がいればそのまま玄も、柴沢先生も再び捕まってしまう状況ではあるものの、チャコを助けることを最優先にしていることを伝えました。
令児がここに来る前の事、柴沢先生も一緒にアパートに行こうとしましたが、またこじれることを危惧した令児は1人で行くと決めました。
そのまま喫茶店で待っていると言う柴沢先生は、チャコを上手く家に帰せなかった場合に備えていました。
このまま行けばチャコは家に帰って監禁されることになり、玄はどこかへ行くことになるけれどもう関係無いと、柴沢先生の思う通りに事は動いていました。
しかし、令児の目が気になって安心することが出来ませんでした。
チャコを助ける為に柴沢先生が動いてくれましたが、玄を押さえながら令児はチャコがこのまま死んだらダメなのかわからないと言いました。
入院して家に帰って、その後のことが考えられず令児は謝りますが、それこそがチャコの望んでいた言葉でした。
憧れていた似非森浩作の本は、美しく儚く暗く冷たく、すなわちそれは死でした。
本とそれを読むチャコという関係性というだけで物語はチャコを見てはくれませんが、美しく儚く暗く冷たい令児がまっすぐに自分を見てくれていることで、自分は死んで良いとチャコは言いました。
玄に抱かれかけたチャコは、玄を止めるためにしがみつく令児に手を伸ばし、死ぬまで絶対に話さないでと笑みを浮かべて言いました。
まるで蚊帳の外のような玄でしたが、チャコはみんなで遠くに逃げようかと提案しました。

少年のアビス84話の感想と考察
前回は玄の衝撃の告白で終わり、小学生の頃にチャコに対して可愛いと言ったこともあるのでその伏線を回収する展開になるのかと思いきや、やはり玄の頭の中には令児の事しかありません。
そんな展開からどうなっていくのかと楽しみにもしていたのですが、裏切られたと言うべきか玄という人物を考えれば当然の展開かもしれません。
チャコを助けるという名目で、同時に玄も厄介払いが出来るという柴沢先生の算段でしたが、その思惑は見事に違う方へと動いてしまったようです。
入信して家に帰り、その後を考えれば本当にそれはチャコを助けたということになるのかと、令児は考えたのかもしれません。
これまで何度も死に向かおうとしてきた令児だからこそ、本当の救いとして『死』があると思っているのかもしれません。
心中相手がナギからチャコに変わるのかもしれませんが、そこに玄もいることで2人が死ぬことはないはずですし、チャコもすぐに死のうという考えはなさそうです。
厄介払いをするはずが、邪魔者扱いしていた2人に令児を盗られる結果となってしまえば柴沢先生は今度こそ大人しくしているはずがありません。
玄とチャコは柴沢先生の思惑に気付いているため、令児も含めて反撃に転じることは出来るのでしょうか。
チャコの中で令児が死の象徴のような扱いになっていたのが、シリアスなシーンながらも面白かったです。
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