2021年12月9日発売の週刊ヤングジャンプ2022年2号で、『青年少女よ、春を貪れ。』41話が掲載されました。
『青年少女よ、春を貪れ。』41話は、前回に引き続き古崎とハルの関係が描かれています。
古崎が抱える想い、そしてハルの中にある闇が少し明かされるような回となっております。
本記事では、『青年少女よ、春を貪れ。』41話『伝えたかった』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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青年少女よ春を貪れ41話のあらすじネタバレ
ハルの誘いから家に招かれ、漫画を描いている古崎はプロであるハルの母であるナツコから指導を受けるようになっていました。
ノートではなく次からは原稿用紙に描くようにと言うナツコでしたが、それは投稿するためのステップアップでした。
まだ自分には早いと言う古崎でしたが、こういうのは早いほうが良いと退かないナツコは原稿用紙を持って行くように言いました。
しかし、原稿用紙の使い方も知らない古崎は戸惑うばかりで受け取ろうとはしません。
そこでナツコは自分の原稿を手伝わせることにしました。
そんな展開にハルは驚きました。
プロの現場に興奮気味の古崎とは対照的に、凄いねと言いつつ、自分は原稿用紙を触らせても貰えないとハルは言いました。
それを古崎はナツコに伝えると、拗ねてるだけと訝しげな顔で言いました。
ハルも昔は漫画家になりたいと言って、古崎のようにノートにびっしり描いていたそうです。
読んでみたいという古崎でしたが、既に全部処分されてしまったそうです。
その原因は、自分が酷評したからだとナツコは言いました。
こう描けば大人が喜ぶという考えが滲み出ていて全然面白くない、インスタについてもあの子本来の面白さが何一つ見えてこないと言いました。
クラスのアイドルが関の山と娘を評価する母に、いたたまれなくなった古崎はお手洗いに向かいました。
部屋を出るとハルと鉢合わせてしまい、明日から来ないでくれると言われてしまいました。
それから席替えもありハルとも話もせずナツコとも会っていない古崎は、漫画も描かなくなってしまいました。
そうして誰にも知られることなく始まった関係は、誰にも知られることなく終わりを迎えることになったのと思われましたが、例のキャンプにハルの方から誘ってきました。
なぜ誘われたかもわからず、同じ高校にも行けない古崎はこれが話す最後のチャンスと考え、もう一度漫画を描く決意をしました。
キャンプ当日、亮と龍樹が焚き火をしている間、二人はバンガローにいました。
原稿用紙を使って漫画を描いてきたと、古崎はハルに渡しました。
受験勉強もせずに描いた渾身の作品には、古崎の気持ちが込められていました。
しかし、きっとプロになれるよと誉めはしたものの、その表情は冷たく一人で先に出て行ってしまいました。
古崎はすぐに焚き火に漫画を放り込みました。
その漫画のあらすじは、クラスで底辺の主人公の女の子はゾンビが学校を襲撃する中一人で取り残されてしまいました。
それを救ったのが、主人公がずっと憧れていたクラスの美少女であり、ハルをモデルにしたものでした。
命拾いしたから主人公は泣いたのでは無く、彼女が底辺である自分を気に掛けてくれたのが嬉しかったからなのでした。
そんなハルへの想いがあるにも関わらず、ナツコからのハルへの評価を否定できなかったことに後悔していました。
古崎はわざとハルにだけ見えるように漫画を描いていました。
古崎はプロになるために漫画を描いていたのではなく、ハルと友達になれる人間になりたいだけなのでした。
青年少女よ春を貪れ41話の感想と考察
読み終えた時の第一声が『つらい……』という言葉でした。
これまでもハルの周辺の人間がそれぞれ色々なものを抱えて、その辛い人生が描かれて来ましたが、個人的には古崎の想いもそうですが、母の酷評を聞いたハルの心境を思うとなんともいえなくなりました。
ナツコはきっと部屋の外にハルがいるとは知らずに話しているので、本当の言葉なのだと思いますし、ハルもそう思っているからこそ正当な自分の評価として受け取るしかなかったのでしょう。
それなのに古崎は誉められている様を見るのが耐えられなかったのかもしれません。
他のメンバーが描くハルは明るいながらも、どこか影のある感じでしたが、古崎の接してきたハルは明るい部分の方が少ないような気がしました。
ハル自身も古崎と仲良くならなければ、母の自分への評価も知らなかったのかもしれませんが、既にあまり仲の良い感じは無かったのでどのみち良好な母子関係ではなかったのかもしれません。
龍樹の回想によれば、古崎が投げた原稿をハルは火傷を負いながらも回収したと言っていた気がするので、嫉妬と言うよりも本心では応援したい気持ちがあったのかもしれません。
いずれにせよ、ハルの死因はまだまだ謎が深まるばかりです。
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