2021年11月4日発売の週刊ヤングジャンプ2021年49号で、『少年のアビス』73話が掲載されました。
『少年のアビス』73話は、先週衝撃を与えたチャコの変貌の真相と、病院で別れを告げてからの様子が描かれています。
問題が山積みなのは黒瀬家だけではないようです。
本記事では、『少年のアビス』73話『ボクたちの失敗』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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少年のアビス73話のあらすじネタバレ
ようやくチャコと会えた令児でしたが、招かれた部屋に行ってみるとそこには以前とは見違えるほど痩せたチャコの姿がありました。
廊下で立ち尽くす令児に、部屋に入るように促すチャコはびっくりした? と問いますが、令児は驚くばかりです。
逆に、どうしたの? と令児は返しますがチャコは冗談めかしてお世辞でも誉めるところと言いますが、令児の表情は固まったままでした。
そんな令児を見たチャコは、もう冗談を言うわけにもいかず、部屋に入るように再び促しました。
令児が部屋に入って驚いたのは、本棚に大量に詰まっていた本がほとんど無くなっていたことでした。
本の事を聞かれ、光の無い目で捨てたというチャコは話を逸らすように令児の髪がまた伸びたことに触れ、自分の髪も伸びたことや母親の様子について尋ねます。
そんな雑談には一切触れず、チャコが学校に行けなくなったのは自分のせいだろうと令児は言いました。
令児のせいではないと言うチャコは、学校に行ったら興味津々で一気に人気者になったとチャコは語ります。
見直したとか伝説を作ったと言う話もあり、あの日は確実に天下を取っていたとチャコは誇らしげに言いました。
それならなぜ学校に行けなくなったのか、本も捨て見違えるほど痩せた理由の全てを、令児は尋ねましたが、チャコは昨日の電話同様に聞いてどうすんの? の一点張りでした。
チャコが自分で考えて決めて学校に行っていると思ったからこそ、会わない方が良いと考えていた令児でしたが、おかしくなった原因が自分にあるなら知らない顔は出来ないと令児は言います。
見下していた令児に同情されていると思ったチャコは、告解ごっこをやろうと言い出しました。
お互いに布を被ることで、お互いの辛気くさい顔を見なくて済むとチャコは言い、学校でのダメージは何も無かったと言いました。
病院で宣言したとおり、家から通える大学に行って家から通える所に就職して親を安心させる一生を送れると思っていたチャコでしたが、久しぶりの家族揃っての夕飯で吐いてしまいました。
味がいつも通りで、それまでと何も変わらず何が起きてもこれからもこの味を家族四人で食べ続けると思ったら……と話しているだけでチャコはまた吐きそうになってしまいます。
心配して思わず布をまくり上げてしまう令児でしたが、チャコは続けました。
それから母のご飯は全然食べられなくなり、学校で倒れたり面倒をかけているうちに身体のお肉と共に気力も削げていき、何も興味が無くなってただここにいるだけだと言いました。
昨日令児からのメッセージを見て、チャコは恥ずかしくなっていました。
高校を辞めてバイトをして家族を支えて暮らしている様子に比べれば、先に大人になると言った自分は追い越されてしまっていると言い、大人になることの難しさを痛感していました。
令児の番になり、あの時母親を無視してチャコのもとに戻るべきだったと切り出しました。
本当は母親が家族を殺して勝手に自殺してくれてもかまわないと、今ならわかるのにあの時は家に帰ることしか考えられなくなっていました。
チャコと東京に行ってもその先を考えられず、だから似非森に託して逃げたと令児は言いました。
チャコも同意し、それにうんざりして結局家に帰ったと思うと言いました。
その夜に出たいつも通りの味付けのご飯も食べられたと思うし、そこまでしなければいけなかったとチャコは言いました。
子供の時分にうんざりしてふてぶてしくご飯を食べていたら、今頃はこの町の大人になれていたとチャコは言い、大人になることに失敗したことを実感していました。
それは本当に自分だけかな? と令児は問われ、青江ナギと死にたいともう思ってない? と核心を突いた質問をされると思わず令児は目を見開きます。
一生家族を抱えてこの町で生きる覚悟は出来ている? と手を握られて問われました。
布越しに見つめるチャコに、できてないけどやるしかないからやっているだけと言い、本当は嫌に決まっていると言う令児。
頑張って二人で大人になろうと言うチャコは、被っていた布も服も脱ぎ捨て、早く大人にしてと言い、それまでの令くんではなく令児と呼んで抱きしめました。

少年のアビス73話の感想と考察
衝撃の姿の真相を説明した濃密な回でした。
以前ネットカフェでも服を脱ぎ誘った場面もありましたが、今は相当痩せましたね。
綺麗になったとか言うよりも、幼馴染みの令児としてはそんな感想よりも自分のせいでそんな風に変化してしまったという罪悪感の方が強かったようですし、男女の関係になることを令児は考えていないのかもしれません。
痩せた姿も驚きましたが、本がほとんど無くなってしまっていることもまた衝撃でした。
何冊かは残っていたようですが、厳選したというわけではなくたまたま残っただけのようにも思えますが、似非森の作品は恐らく残っていないと思われます。
失敗するために行動しなければならなかったという話がありましたが、過去を振り返ればそんな事が多々あったので、個人的にはその場面が一番刺さりました。
誰でもあぁしておけば、こうしておけばという経験はあると思いますが、チャコはそれが取り返しのつかない失敗に繋がってしまったのだと思います。
次回、令児はチャコの誘いを受け入れるのでしょうか?
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