2021年10月14日発売の週刊ヤングジャンプ2021年46号で、『少年のアビス』70話が掲載されました。
『少年のアビス』70話は、玄の告白があってから時は経ち、令児は新しい生活を送っていました。
あの夜、ナギを背負い歩き出した後も描かれており、新章の始まりを感じさせます。
本記事では、『少年のアビス』70話『凍てる町』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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少年のアビス70話のあらすじネタバレ
町にはもう雪が降り始め、そんな降雪に愚痴る婦人方の会話をよそに髪の伸びた令児は空を見上げていました。
おそらく運送会社で働いている令児は、その雪のせいでトラックが遅れているからと残業を頼まれることになりました。
休憩時間に一人で外に出て電話を掛けた先は似非森でした。
あけましておめでとうと挨拶する似非森に、そんな事すら忘れていて思い出したように令児も返しました。
母が今週退院する事が決まったと、令児はまず報告しました。
約三ヶ月の入院生活でしたが、骨盤骨折の回復の為に長いリハビリが必要になるようです。
似非森の大丈夫かいと心配する問いに、令児はそう答えたのですが似非森が心配していたのは令児のことでした。
兄が家にいるので児童相談所の人も大丈夫と判断し、なんとかやっていけるだろうというのが令児の考えでした。
ナギはね……と話し始める似非森に、元気で活動していることはホームページで見て知っていることを伝え、夕子の事を伝えたかっただけだと一方的に電話を切りました。
トラックが入ってくるとヘッドライトの光であの夜の事を思い出しました。
ナギを背負い歩き出したあと、似非森に電話をして迎えに来てもらっていました。
ナギの姿を見て言葉を失う似非森は、タクシーでは来ないでという令児の要望通りに古い友人に車を借りて来てくれました。
心中失敗した感じではなさそうだねと、話を聞こうとする似非森に令児は友達にやられたとだけ言いました。
すぐに峰岸の息子とわかり、なぜナギを狙ったのかが似非森は疑問でしたが、その理由は自分にあると令児は謝りました。
二人で町を出ていくように令児は頼みました。
ナギは生きていて自分と同じでただの死にたい人だったと、令児は言いました。
死にたい理由を聞く気も無く、だから一緒に死ぬことももう無いと言い切りました。
冷たいなと言う似非森に、本当はあなたと死にたかったんじゃないですかと令児は尋ねました。
ややあって誘われたと告げ、勝手にそう思って良い相手だと感じたから似非森は一緒に死んでとナギに言ったことがありました。
しかし、それは今の似非森自身ではなく、遠い昔に切り捨てた自分との事でした。
令児は自分とナギの結末をどう望んでいるかなど関係無く、似非森自身が町でやり残した事に巻き込まないでくださいと言いました。
意識はあるのか無いのか、うっすら目を開けてナギはその会話を聞いていました。
令児はまた病院に戻り、似非森の判断でナギは隣町の病院に連れて行く事になりました。
ナギが動けるようになったら二人で町を出ると言う似非森は、夕子の様子を教えてくれるように令児に頼みました。
さようならとだけ言い、車のドアは閉められました。
仕事の帰り道、コンビニに寄って兄の好きなからあげを二つと煙草を買いました。
制服の方には売れませんと言ったナギを思い出しましたが、今はもう高校生ではなく制服も着ていないためあっさり買えてしまいました。
一服しないとやってられないことばかりと煙草を吸っていたナギを思い出しながら、同じ場所で煙草を吸おうとしましたが、雪の降る夜空を見上げながら火を持っていない事に気付きました。

少年のアビス70話の感想と考察
無事退院出来た令児は新生活を始めていたようですが、玄や夕子の望む峰岸建設ではなく明確に描かれてはいませんでしたが、おそらく運送業のような会社だと思われます。
ナギや似非森と完全に別れを告げて、令児の周りには家族しか残っていないような状況に思えますが、似非森との会話を聞いていたようなナギの描写が気になりました。
自分の意志で、彼女はこの町に戻ってくるという展開もあるのかもしれませんが、今はアイドル活動を頑張っているようなのでそれはまだ先のことなのかもしれません。
小さな町とはいえ、アイドルがあれだけ怪我をして病院に運び込まれた事がネットで話題になりそうなものですが、アクリル自体そこまで大人気のアイドルグループというわけではないのかもしれません。
あれから玄がどうなったのか気になりますが、別れを告げつつもナギとの思い出をなぞるような令児の今後も注目です。
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