2021年8月30日発売の週刊ヤングマガジン2021年40号で、『マイホームヒーロー』第145話が掲載されました。
マイホームヒーロー第145話は、哲雄と窪、二人によるサシの殺り合いが描かれます。
哲雄は窪と対峙する数時間前、屋敷で拳銃を含め、いくつか武器になるものを調達していた。
それら武器をあちこちに仕込み、窪が来るのを月夜見と二人で待っていたのだ。
やがて月夜見が殺され、ついに窪と対峙した哲雄は麦わら帽子の中に隠し持った拳銃の引き金に指をかける……
本記事では、マイホームヒーロー第145話[開戦]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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マイホームヒーロー145話のあらすじネタバレ
【鳥栖家屋敷】
窪と対峙する数時間前のこと。
月夜見はこれが使えないだろうかと哲雄に拳銃を手渡しました。
この拳銃は半グレが村に持ち込んだもの。
哲雄が拳銃を確認してみると、銃身の先端が壊れており、撃てる状態にありませんでした。。
ただ、壊れている先端を切断できれば使えるのではないかと思い、そのことを月夜見に伝えます。
月夜見は哲雄の話を聞き、電ノコがあるかもしれないと、哲雄を連れ物置へ。
【物置】
哲雄は物置の中を物色。
すると電動ノコギリを見つけます。
村に電気は来ていないはずなのになぜ電ノコが?と、訝しがる哲雄。
月夜見は村では電気が必要なときはガソリン燃料の発電機を使うことを教え、銃身の切断を急がせました。
チュイイイイイイイッ
哲雄は電ノコで拳銃の壊れた先端部を切断。
すると月夜見から思ってもいなかった言葉が。
その拳銃を哲雄が持つように命じたのです。
哲雄は自分に拳銃を持たせてしまっていいのかを訊ねました。
月夜見を撃って逃げることが可能になるがそれでもいいのか?と暗に訊ねたのです。
月夜見は瞬時に意を読み取り、”お前はそんなことはしない”と、哲雄に圧をかけながらも信用していることを伝えるのでした……
【村の畦道(現在)】
哲雄はついに窪とサシで対峙。
被っていた麦わら帽子を取り、”参りました”と降参の言葉を口にしながら、帽子の中に隠し持っていた拳銃の銃口を窪に向け、引き金を引きました。
ドン
田んぼに響き渡る銃声音。
同時に銃の反動で哲雄の左手は大きく後方に弾かれます。
想像以上の反動の大きさに驚きつつも、哲雄は弾が窪に当たったのかを確認。
しかし弾は窪にかすりもしていませんでした。
窪はすぐさま間合いを詰めて哲雄の目の前に!
あわてて哲雄は再び銃口を窪に向け、引き金を引こうと指に力を入れたその瞬間!
ドガッ
ドン
哲雄が引き金を引くより僅かに先に、窪の横蹴りが哲雄の拳銃を握る腕にヒット!
哲雄も引き金を引いてはいましたが、蹴られた腕は弾かれ、地面に向けて発砲する形となってしまいました。
焦った哲雄はすぐさま銃口を窪に向け引き金を引きましたが、それより先に今度は哲雄の拳銃を持つ手を窪は上から押さえつけロック。
ドン
結果 哲雄はまたしても地面に向けて発砲。
窪はそのまま思いっきり哲雄のみぞおちを前蹴り。
哲雄は後方へと吹っ飛ばされてしまいました。
すると哲雄は銃で仕留められなかった場合も想定内とばかりに、次の手を実行するべく畦道脇の田んぼへダッシュ。
田んぼの中に手を突っ込み、隠しておいたガソリン入りの瓶に手を掛けた次の瞬間、
ゴン
窪の横蹴りが哲雄のこめかみにモロにヒット!
脳を揺らされた哲雄は、一瞬 気を失ってしまいます。
どれくらいの時間が経ったのか、畦道に仰向けで倒れていた哲雄は、なにか身体に冷たいものを感じ、意識を取り戻します。
目を開けると、おぼろげに窪が哲雄の身体に瓶の中のガソリンをこぼしかけている姿が。
やばい、逃げなければ!と思う哲雄でしたが、意思に反してなぜか身体が動きません。
もはやなすがまま、どうにもならない状態。
戦いに際し出来る限りのことをやり、それなりに自信もあった哲雄でしたが、窪との圧倒的な差に考えが甘かったことを痛感します。
頭に浮かぶのは歌仙と零花の顔。
今の自分にできることは二人が無事に逃げてくれるのをただ願うだけ……
結局なにもできなかった自分に悔しさで涙が溢れ止まりません。
窪はそんな哲雄を見下ろし、穏やかな顔を浮かべながら”ありがとう”と感謝の意を伝えました。
窪の思いもよらない言葉。
哲雄は意味がわかりません。
窪は哲雄が「殺戮チャレンジ」を企画してくれたことに対してひとこと礼が言いたかったのでした。
なんの縛りも条件も無い中で、ただ全力で殺し合いたいという、もはや自分でも忘れかけていた子供のころに夢見た望みを叶えてくれた、その礼を心を込めて……
マイホームヒーロー145話の感想と考察
【あと何発?】
今回読んでいて気になったのは、哲雄が持っていた拳銃の弾数のこと。
あの拳銃に何発の弾が装填されていたのかがわかりません。
哲雄が吹っ飛ばされた時なのか、気を失っている時なのか定かではありませんが、今この拳銃は窪が所持しています。
ズボンの後ろに挟んでいるところを見ると、まだ何発か弾が残っているのでしょう。
つまり、これはどこかであの拳銃が使われることを暗示しています。
劇的な場面で使われるのか、はたまたなんでもない場面で使われるのか。
とにかく窪が拳銃を所持していることは覚えておいた方がよさそうです。
【窪の感謝】
窪は哲雄に感謝し、哲雄も感謝の意味を知りました。
哲雄はこれに対してどう出るのか。
窪の話から何かしらの突破口が開かれるのかも。
もし哲雄が窪を殺すことを諦めなかった場合、窪が興味を持つ”何か”を哲雄は考えるのではないでしょうか。
窪が興味を、といったら殺し合いしかありません。
とはいえ今の動けない哲雄に窪と殺し合うことは不可能。
出来るのはせいぜい挑発ぐらいでしょうか。
窪がその挑発にあえて乗っかってやるとか?
それとも……
窪はお礼ということで哲雄を殺さないでおいてやるとか?
歪んだ恩赦。哲雄からしたら屈辱の恩赦。
これも十分考えられます。
考えられますが、哲雄が恩赦を”ありがたい”って受け入れるわけがない。
そんなんで生き残っても零花に顔向けできません。
窪に殺されずにあの場に放っておかれたとしても、今の哲雄はそれを良しとはしないでしょう。
月夜見も村の惨劇を見知った今の哲雄は逃げることはないと確信していました。
いずれにせよ、窪を殺すために哲雄があっと言わすような演出を閃いてくれると最後まで期待したいと思います。
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