2021年8月26日発売の週刊ヤングジャンプ2021年39号で、『少年のアビス』64話が掲載されました。
『少年のアビス』64話は、入院生活を続ける令児の前に突如現れたナギ。
アイドルとして復帰したナギは一体なぜまた現れたのか、そしてずっと求めていた人に会った令児はどんな反応を見せるのでしょうか。
本記事では、『少年のアビス』64話『少年の呪詛』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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少年のアビス64話のあらすじネタバレ
屋上での似非森との会話を終え、病室に戻るために廊下を歩いていると、そこには予想もしなかったナギの姿がありました。
驚くばかりの令児は、ナギの踏み出す足音にすら身をすくませました。
歩行器に寄りかかりのぞき込むようにジッと目を見つめるナギに、令児は声も出せません。
病室に戻り、自分の事を覚えているかどうかをナギは尋ねると、ファミレスでの別れからまだ2週間のことであり、令児は戸惑いながら勿論と答えました。
今度は、アイドルに復帰したナギがどうしてここにいるのかと、令児が尋ねました。
すると似非森の携帯を使ってチャコから電話があったと教えてくれました。
チャコの話では、似非森が倒れたから東京に連れ帰って欲しいというお願いでしたが、後になって似非森に話を聞いてみると令児の事を教えてくれたようです。
すぐに行きたかったけど抜け出せなくてと謝るナギに、令児はその意味を尋ねました。
最後に会ったファミレスではもう会わないと宣言した事を、令児はしっかりと覚えていました。
令児が寝ているベッドに乗り、ナギは死ぬつもりで刺したことを確認しました。
それでも死ねなかったことを可哀想にと、傷口を撫でながら言いました。
ただそれだけを言うために来てくれたことに、令児は目を丸くしていると、ナギは私しか言ってあげられないからと僅かに笑みを見せて言いました。
まるで心中するかのように深く深く落ちていくような錯覚すら覚えた令児は、ナギと死ぬつもりで刺し、だから怖くもなく心地よさすら感じていたと告白しました。
あのまま解放されたかったと言いつつも、令児は生きなければいけないと宣言しました。
せっかく現れたナギに、チャコの言うとおりに似非森を連れて東京に帰るように頼みました。
そして、二度とこの町に来ないでくださいと言い切りました。
笑みを見せ、ナギは一切の反論もせずにその要求を呑み込むと、令児は、以前似非森が話したナギは言うことしか出来ないという言葉を思い出しました。
それならと、令児は最後に元気でアイドルを続けてくださいと言い、そして自分以外と心中しないでと影を帯びた笑みを浮かべながら言いました。
ナギはその言葉には肯定するわけでもなく、令児くんだから心中しようと言えたと思うと言い、心配しないでという言葉を残し去って行きました。
病室の前で待っていた玄を横目に、ナギは何も言わずに去ってい行くと、ややあって病室からは嗚咽する令児の声が聞こえてきました。
その声を聞いた玄は立ち上がり、怒りを始めとした感情の入り交じった暗い笑みを浮かべてナギの後を追いました。

少年のアビス64話の感想と考察
またヒロインが退場する流れになってしまうのでしょうか。
最後に令児の元には誰が残るのかと思ってしまいますが、まだ円満に東京に行くという展開が残されているのでそこに期待するしかありません。
ナギに惹かれて読み始めたので退場して欲しくはないです。
話している事や様子からも令児が一番想いを向けているのはナギだということは一目瞭然なのですが、それを自らこの町に来ないでと言い断ち切るその心はやはり母の事が引っ掛かっているからなのかもしれません。
前回の似非森との会話で、最後に似非森が好機はまた廻ってくるというような事を言っていた直後に、ナギが現れたので令児も似非森の差し金だと思ってしまったかもしれません。
そんな誰かの命令でしか生きられないナギが、心中をする相手として唯一選ばれたと知り、だから安心してと言われた時、令児は何よりも深い絆を感じたのではないかと思います。
お互いに心中を持ちかければやってしまうような、ある意味では命を預け合っているような関係にも見えて良いなと思いました。
さて、以前『次に来るマンガ大賞』に本作がノミネートされているという事をお話しましたが、その結果が発表されました。
1位は同誌連載の『推しの子』ということで、本作は11位と残念な結果になりました。
終始全体的に暗いので好みが分かれるかもしれないとは思っていましたが、数ある作品の中で自分の好きな作品がノミネートされただけでも嬉しい事でした。
今回の順位に関わらず、当方はこれからも変わらず『少年のアビス』を推していきます。
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