2021年8月16日発売の週刊ヤングマガジン2021年38号で、『マイホームヒーロー』第144話が掲載されました。
マイホームヒーロー第144話は、月夜見と窪による戦いの様子が描かれます。
鼻歌を歌いながら哲雄を捜し歩いていた窪は、田んぼで農作業をしている人物を発見。
この状況下で農作業。十中八九、あいつが哲雄に違いないと確信。
一方、「仕込み」をしていた哲雄のいる田んぼ横の畦道にいた月夜見も窪に気づく……
本記事では、マイホームヒーロー第144話[贖罪]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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マイホームヒーロー144話のあらすじネタバレ
【村内】
胡蝶を殺した後、ふとこの先を考えた窪。
警察が動き出すのは時間の問題。
それは楽しい時間の終わりを意味していました。
残り時間をどう楽しく過ごそうか考えた時、頭に浮かんだのは哲雄の顔。
窪は最後に人生で最高に楽しい時間をくれた哲雄に会いたいと思いました。
【村内・田んぼ】
鼻歌を歌いながら窪は哲雄を捜していると、この状況下にもかかわらず田んぼで農作業をしている男の姿を発見。
窪は十中八九この男が哲雄であると確信。
斧を引きずりながら、男のもとへとゆっくり畦道を行きます。
窪の読み通り、田んぼの中にいた男は哲雄でした。
哲雄のすぐ近く、田んぼ横の畦道には月夜見の姿も。
月夜見はこちらに近づいてくる窪に気づき、哲雄に「仕込み」を急がせました。
しかし哲雄は仕込みがまだ終わりません。
月夜見は仕込み時間を稼ぐため、自ら窪の方へ出向くことに。
やがて窪と月夜見は畦道で対峙。
窪は160人あまりの村人を殺したこと、田んぼにいる哲雄も村人を殺していることを話します。
自分の話を聞いても驚かない月夜見に対し、窪は疑問を抱き、全て知っていて哲雄を守るのかと訊ねました。
月夜見は知っているからこそ哲雄には教義に則って贖罪をしてもらうと答え、持っていた刀を抜きます。
そして自身も罪を償わなければならないと……
【窪vs月夜見】
月夜見は窪が持っていた斧を頭上にまで振り上げるのに約2秒かかったのを見て、振り下ろすタイミングに合わせればイケると判断。
しかしその時!
バッ
鋭い踏み込みから一気に間合いを詰める窪。
咄嗟にバックステップで距離を取る月夜見。
あと数歩 窪の踏み込みが深ければ完全に月夜見は致命傷を負わされていました。
手負いとは思えぬ窪の動きに月夜見は驚愕。
一気に身体中から汗が吹き出し、窪が自分よりも強いことを一瞬にして肌で感じ取っていました。
しかしそれは決して劣っているということではないとの信念が月夜見にはありました。
ザッ
動いたのは月夜見。
一撃を与えようと素早い踏み込みを見せますが、その踏み込みはあまりにストレートすぎました。
何のフェイントも入れない月夜見の動きを予測するのは窪にとっては容易いこと。
バシッ
月夜見の踏み込んできた足のふくらはぎ裏を狙ってカーフキック一閃!
この一撃で月夜見は筋を痛めてしまい、踏み込みが満足にできない状態に。
それは勝ち目が消えたことを月夜見に悟らせるに十分なものでした。
これで勝敗がほぼ決したことを悟っていたのは窪も同じ。
踏み込めない月夜見に対し斧を投げつけ、同時に動けなくなった足めがけて片足タックル!
月夜見は斧を刀で防ぐのが精一杯で窪のタックルをいなすことができませんでした。
馬乗りになった窪。月夜見に刀を握らせたままその手を上から押さえつけ、その刃を月夜見の首に!
月夜見は必死に抵抗しますが、もはや抗えきれないことは自分でわかっていました。
ググ…グ…
ついに月夜見の首に刃が接触。
死を覚悟した月夜見は最後に「強さ」というたった一つの秤でしか人を測れない窪を哀れみ、この世で最大の悪は人を殺すことだと言い放ち絶命。
【畦道】
最後に月夜見からお説教された窪でしたが何とも思っていませんでした。
そもそも「強さ」以外に興味がないのですから。
窪は哲雄の名を叫び、出てこいと大声で怒鳴り散らしながら田んぼにいる哲雄の方へ。
哲雄は田んぼから出て畦道に立ち、麦わら帽子を頭から取って窪を待ちます。
やがて対峙する二人。
窪は哲雄が恐怖で脅えるでも構えるでも無い、笑みさえ浮かべたような表情でいることが意外でした。
その顔は何の顔だと訊ねます。
哲雄は呆れて笑うしかないからだと答えた後、頭をペコリと下げて”参りました”のひと言。
しかしその言葉とは裏腹に、麦わら帽子の中には拳銃が隠されていました……
マイホームヒーロー144話の感想と考察
【約3年越しの伏線回収】
この第二章とも呼べる章が始まったのが第49話で、今から約3年前のこと。
この第49話の冒頭数ページで描かれていた場面は明らかに物語のクライマックスであったわけです。
その場面が今回 冒頭からまんま使われており、いよいよ長く伏せられてきた伏線の回収が始まるんだと胸アツになりました。
正直、窪と哲雄が対峙するこの場面になるまでには、まだ数話あるのではないかと予想していただけにチョット驚き。
ここに来てこの展開スピードは嬉しいです。
【なぜタイマンなのか?】
さて、大方の予想通り、あの場面で窪が持っていた刀はやはり月夜見から奪ったものでした。
ただ、この場面に行くまでの直前の過程が意外なほどアッサリ風味。
その理由は哲雄が月夜見に助太刀しなかったからに他なりません。
哲雄は拳銃を持っているのに、です。
こうなると月夜見が窪とタイマンせざるを得ない理由、作中で語られていた「仕込み」を完成させることの方が優先なのだという理由の説得力が欲しい。
そうじゃなかったら月夜見の死が浮かばれませんし、何より読後感が悪いったりゃありゃしない。
この説得力が哲雄の「贖罪」の内容であり、二人掛かりで戦うよりも窪を仕留める確率が高いものでないとスッキリしません。
【田んぼ】
第49話の時点では哲雄が田んぼに隠れていたように見えましたがそれは間違いで、田んぼに何かしら「仕込み」を作っていたことが判明しました。
この「仕込み」とは何か。
田んぼの中の覆い茂った稲を使って仕込んでいるのだとしたら、輪っかでしょうか。
その輪っかに窪が足を引っ掛けて転ぶ?
窪がそんな単純な罠に引っ掛かるとは思えません。
仕込みが何であるかのヒントは月夜見が語った「教義の則った贖罪」という言葉。
田んぼと一体どんな関係が?
あれこれ考えつつ、次回を楽しみに待ちたいと思います。
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