2021年7月19日発売の週刊ヤングマガジン2021年34号で、『アンダーニンジャ 』第56話が掲載されました。
『アンダーニンジャ』第56話は、九郎のポケバイ「テオ」と、講談高校に侵入した猿田のその後が描かれます。
NIN研から連絡が入ったのか、事態を知ったテオは川戸さんにエンジンの始動をお願い。
それを外階段で聞いていた猫忍「猫平」は……
その頃、講談高校で殺戮を開始していた猿田は、¥工の隈取り娘マコの仲間二人がデブ竹をシメている現場に出くわしていた……
本記事では、『アンダーニンジャ』第56話[パシりパシられ]のあらすじと感想を紹介していきます
※ここから先はネタバレ注意です。
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アンダーニンジャ56話のあらすじネタバレ
【九朗のアパート】
外階段の下に駐車されていたNIN研のポケバイ「テオ」
階段横の部屋に住む川戸さんとは、すっかりおしゃべり仲間。
テオは窓辺で仕事終わりの朝の一杯を呑む川戸さんに、お願いがあると声をかけました。
お願いと聞き、またオッパイ見せて要求か?と川戸さんは呆れますが、テオの要求はオッパイではありませんでした。
川戸オッパイにはとっくに飽きていたテオのお願いとは、自身のエンジンの始動。
現在緊急事態が発生中らしいからと、その理由を説明します。
川戸さんはテオのお願いを聞いてあげることに。
そこへアパートに住みつく猫、シノブが。
この猫、川戸さんにとってはシノブですが、本名は猫平。
NIN研によって脳の一部を猫に移植された元下忍でした。
猫平はニャンニャンと猫語を使い、テオに事情を説明して同乗を願い出ました。
テオはなぜか猫平のオリジナル造語であるはずの猫語を理解。
猫平の事情を鑑み、乗せてやることにします。
ブルンッ
ドルン
ドルルルルルル
川戸さんによってテオのエンジンは無事始動。
猫平はテオのシートの上に飛び乗りました。
誰の支えもありませんでしたが、さすがNIN研出のテオと猫平です、バランスを保ったまま転倒などしません。
テオは川戸さんに礼を言い、行ってきますの言葉を残し、猫平と共に現場へ。
一台と一匹を見送る川戸さん、無人のポケバイが猫を乗せて自走するという、ナニコレ珍百景な現象にも何ら動じはしないのでした……
【講談高校・校内】
侵入早々に昇降口玄関で教師をサクッと殺した完全透明化状態の猿田。
登下校の時に石蹴りしながら歩いた過去に思いを馳せつつ、刎ねた教師の首を石に見立て、蹴飛ばしながら廊下を行きます。
ゴロン
ゴロゴロ
ゴロンゴロン
はたから見れば首が自らの意思で転がり移動しているよう。
意思はなくても石状態な首が転がった先にいたのは、九郎が転入初日に戦った隈取り女子マコと一緒にいた¥工の二人の女子とデブ竹。
デブ竹を間に挟む形で、¥工の二人はデブ竹を恫喝中。
恫喝理由はヤキソバパンを買ってこいと命じたのにソーメンパンを買ってきたことにありました。
デブ竹がパシり仕事を全う出来なかったことに腹を立て、軽くシメていたのです。
そんな中、突然足元に転がってきた教師の首。
¥工の二人は瞬時にNINの仕業を疑います。
一人は対摩利支天用タガーを取り出して迎撃態勢。
しかし辺りを見渡せど誰の姿も見当たりません。
国内用摩利支天は完全透明化が禁止されているにもかかわらず、全く見えない敵に、NINではないのか?と疑いを持つ二人。
タガーを持った¥工女子の一人はデブ竹を背後から首を羽交い絞めにして拘束し、前方からの攻撃に対する盾にします。
左手でデブ竹のネクタイを掴み、右手に持ったタガーで辺りを警戒。
この事態をマコに知らせるよう、もう一人の¥工女子に声をかけたその時、
ボトッ
床に転がり落ちたのは声をかけられた¥工女子の首。
この時、デブ竹は背後の¥工女子の身体が急に軽くなったような感じがしました。
それもそのはず、羽交い絞めにしていた¥工女子の身体は上下真っ二つに切断され、デブ竹に掛かっていた体重は上半身分だけになっていたのです。
猿田は難なく数秒で¥工女子二人を殺害したのでした。
絶命し、デブ竹の背中から崩れ落ちそうになる¥工女子。
猿田はその¥工女子のタガーを持った右腕を掴み、そのままデブ竹のネクタイを掴んでいた左腕にザクッと刺して固定。
これでデブ竹は半身女子マントを羽織った状態に。
猿田はデブ竹の耳元で、10秒の間に逃げろと囁き、とりあえずこの場で殺すことはしませんでした。
デブ竹を見逃した理由は二つ。
一つは、半身女子マントをひるがえしたデブ竹を駆け回らせることで校内を混乱させることが狙い。
もう一つは、デブ竹のような「パシり」に対し、猿田自身が特別思うところがあったからでした……
【過去・忍者養成学校時代】
養成学校・体育館裏。
猿田と猫平がアオハルらしく将来の夢を語っていると、そこへ突然目つきに特徴のある男子生徒が一人。
彼は猿田と猫平に購買部で兵糧丸を買ってくるようパシらせていましたが、猿田と猫平はパシリませんでした。
そこで彼はそんな二人を再度パシらせるため、脅しを兼ね現れたのです。
【現在・講談高校】
猿田はシメられているデブ竹を見て、”あの時”の自分たちとダブらせていました。
この時、猿田の脳裏に自分たちをパシらせた男の目がよぎります。
パシらざる得なかった悔しさに、絶対に忘れないと自身に誓ったあの目を……
アンダーニンジャ56話の感想と考察
【テオと猫平、そして加藤】
今回テオと猫平が現場へと向いましたが、何処へ向かっているのかがハッキリしません。
これは加藤の場合と同じです。
目的地が明かされないのは、演出上明かされていない方がより効果的になる場面が先々に用意されているからでしょう。
ただ因果関係から考えると、
加藤は鬼首と連絡を取り合っているので、現れるのは講談高校と考えるのが普通。
ところが加藤の乗った宅配車はヤンキー校へ向かう通学路の道路を走っていました。
テオは九郎が譲り受けた忍具ですから、テオが主である九郎を助けにヤンキー校へ向かうと考えるのが普通。
ところがテオに同乗を頼んだ猫平は猿田の親友なので、講談高校へ向かっている可能性もあります。
いずれにせよ、これはNIN研製品に期待してねっていう作者からのメッセージと受け取れますので、ワクワクして登場を待ちましょう。
【みんな同級生?】
回想シーンで猿田たちをパシらせていた人物が描かれていましたが、その人物の目はどう見ても九朗です。
でも我々読者がよく知っている”あの九朗”でしょうか。
猿田と猫平、鈴木と鬼首は同級生ということがわかっています。
そして九郎と日比は同級生。
これだけを見れば、全員が同級生か、九郎と日比が別学年かもしれないことが窺えると思います。
鈴木と鬼首はハニトラ試験において二人で男子全員を見事騙したと作中にありました。
いくら目しか見えない状態とはいえ、鈴木も鬼首も引っ掛けた男子の目ぐらいは覚えているはず。
現に鈴木の記憶に猫平は残っていたわけですし。
ならば九朗の目を覚えていても不思議ではありません。
ところが講談高校で九郎と顔を合わせた時、鈴木は初対面の反応を見せていました。
九郎も鈴木の名字を聞いていましたよね。
やはり鈴木たちは、九郎と日比とは学年が違うか、同学年でもコースが違うのでしょうか。
ただ、このところ作者が九朗と同じ目をアチコチでクローズアップさせているのは、クローンの存在を匂わせているのではないかと。
雲隠れという九郎の名字は文字通り身を隠すことを指していると考えます。
であるならば、昔はともかく現在の雲隠一族は、大勢のクローンを作り、その中に身を隠す術を用いているのでは?
もしそうだとしたら、九郎が何人かいてもおかしくありません。
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