2021年7月5日発売の週刊ヤングマガジン2021年32号で、『マイホームヒーロー』第140話が掲載されました。
マイホームヒーロー第140話は、ついに洋二と窪の戦いに一区切りがつきます。
窪の狙いを知った洋二。
部下たちに注意を促そうとしたその瞬間、窪の放った弾が……
その頃、月夜見は哲雄と対峙。
刀を哲雄の胸に当て、教祖殺しの真相を問いただすが……
本記事では、マイホームヒーロー第140話[追及]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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マイホームヒーロー140話のあらすじネタバレ
【村の高台】
高台に駆け上り、村のアチコチで民家が燃えているのを目の当たりにした洋二と部下たち。
洋二は窪の狙いが消火で分散した人間の各個撃破であること、つまり罠であることを確信します。
一方、部下たちは村の家々が燃やされている事実にプチパニック。
皆、洋二の指示を待つまでもなく、消火に向かうため高台を下りはじめていました。
慌てた洋二、それでは窪の思うつぼになってしまうと、移動を始めた部下たちに声をかけようとしたその瞬間、
パスッ
窪の放った空気銃の弾が洋二の腹部を直撃!
空気銃とはいえ、窪が使っているのは害獣駆除にも使われているもの。
市販のエアガンとは比較にならない威力があり、十分な殺傷能力がありました。
洋二は腹部から出血。
消えゆく意識の中、そういえば集団の敵と戦う時は指揮官から狙うのはセオリーだったよなぁ……と、今更思う洋二なのでした。
【山中】
月夜見は気を失っておかしな幻惑を見ていた哲雄を起こします。
突然起こされ、目の前に刀の切っ先を突きつけられている状況にビックリするも、態度から月夜見が相当お怒りなことを察します。
何を怒っているのか?
思い当たる節は一つしかありませんでした。
そして次の月夜見の言葉でそれは確信へと変わります。
月夜見は哲雄が教祖・郷一郎を殺したのだろうと自供を求めてきたのです。
焦りの色が隠せない哲雄。
押し黙る哲雄に月夜見は刀の切っ先を哲雄の胸に押し当て、嘘をつくと切ると言って脅しをかけます。
さらに月夜見は哲雄がその罪を半グレに擦り付けて村と半グレの抗争に導いたことにまで自供を求めました。
月夜見の態度から相当な確信を持って質問をしていることが窺え、哲雄は下手な嘘をついても仕方がないかと諦めの胸中に。
この時 哲雄が思ったのは歌仙と零花のことでした。
ここで自分が殺されるという結末は、ある意味キリのいい最後ではないのかと。
歌仙と零花は「村」と「半グレ」という二つの難から逃れ、もう一つの難である「殺人犯である自分」が家に帰らない……
この選択の方が、歌仙と零花に肩身の狭い思いをさせなくて済むのではないかと思えてきたのです。
哲雄は何ら言い訳をするでもなく、月夜見の読み通りであることを認めました。
目を閉じ、頭の中で歌仙と零花に別れを告げ、月夜見に切られるのを静かに待ちます。
……
しばらく待ちますが、しかし一向に切られる気配を感じられません。
すると月夜見は哲雄の背後に回り、黙って言う通りに歩けと命令。
言われるがまま歩きはじめる哲雄。
連れていかれた先は武器庫近くの山道。
そこにはつい先ほど窪に殺されたばかりの数十人の村人の遺体が、道を埋めつくように整然と横並びに寝かされていました。
哲雄は目の前に広がる信じ難い光景に絶句。
月夜見は哲雄が望んだような半グレ全滅には至っておらず、窪がただ一人生き残り今も殺戮を続けていることを告げました。
【とある屋敷内】
意識を失った洋二は部下によって屋敷へと運ばれ、治療を施されていました。
洋二は「起きろ」という言葉で目を覚まします。
洋二を起こしたのは窪でした。
目の前には窪、辺りには部下たちの死体がゴロゴロ。
この状況を呑み込めない洋二に、窪はやや上機嫌でここまでの経緯を教えます。
洋二の部下たちを全員殺したこと。
その数が全部で107人に及んだこと。
人生で最高に楽しい夜になったこと……。
窪が嘘を言っているとは到底思えず、洋二は自分たちの完敗を認めざるを得ませんでした。
痛む腹部を押さえながら起き上がり、窪に土下座。
村の全財産と引き換えに村人をこれ以上殺さないで欲しいと頼みました。
しかし窪は食い気味に洋二の頼みを断ります。
金などいらない、殺し合いを楽しみたかっただけだと一蹴。
そうどこか自慢げに語る窪に対し、つくづくおめでたい男だと洋二は呆れて半笑い。
踊らされているのも知らず自ら踊った気でいやがると、自身も照らし合わせやや自嘲気味に呟きます。
洋二はこの抗争がたった一人の一般人の男によって仕組まれたものであることを窪に教えてやるのでした……
マイホームヒーロー140話の感想と考察
【哲雄の次の策】
哲雄は決して窪を舐めていたわけではありません。
少なくともこれまでの経緯から、洋二や次郎よりも窪の恐ろしさはよくわかっています。
ただ、それでも多勢に無勢。
いかに窪といえども圧倒的多数である村側によって始末されるに違いないと哲雄が読んだのは無理もありません。
おかしいのはチートすぎる窪なのです。
窪が一人でも村側を圧倒している事実を知った哲雄はこの先何を考えるでしょうか。
たとえ村が歌仙と零花との縁を切ったとしても、窪が生きている限り二人の身の安全は保証されません。
ですから窪を何としても殺さなければならないと考えるはずです。
敵の敵は味方じゃないですけれど、結果的に窪を殺すために月夜見なり小沢を利用することになるのではないでしょうか。
そうなると自ら餌になって窪に近づこうと考えるかもしれません。
【洋二の提案】
洋二が窪に真相を伝えたのは、村の被害を食い止めようとしているからなのでしょうか。
つまり自分らを殺すよりもっと殺さなければいけない奴がいるだろと。
洋二は月夜見が哲雄を捜しに行っていることを知っていますし、おそらく捕縛するであろうとも思っています。
であるならば、哲雄を差し出すことを条件に窪と交渉しようと考えついたとしてもおかしくありません。
いずれにせよ、真相を伝えたことで窪に多少動揺を与えたのは確かっぽいので、何かしらの交渉の余地が生まれたとは思います。
ただ、哲雄を差し出す案が殺し合いを楽しみたい窪を魅了するとは思えませんので、ゲーム的な何かを窪の方から提案したりして。
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