2021年6月28日発売の週刊ヤングマガジン2021年31号で、『マイホームヒーロー』第139話が掲載されました。
マイホームヒーロー第139話は、月夜見と洋二のその後が描かれます。
屋敷を出た月夜見は武器庫近くの山道で洋二と遭遇。
洋二と月夜見はお互いに状況を説明。
その時、村の方から立ち昇る煙が……
本記事では、マイホームヒーロー第139話[暴かれた策略]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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マイホームヒーロー139話のあらすじネタバレ
【武器庫近くの山道】
窪に殺された村人たちの血が地面を覆いつくす中、洋二は両膝を着いたまま立ち上がることすら出来ずにいました。
窪が村から脱出するために殺しをしているのではなく、ただ単に何人殺せるかを試しているだけだと確信したからです。
洋二は窪を殺して親父の仇を討つと思う反面、このまま窪が村から出て行ってくれれば…という願いにも似た思いも心の奥底にありました。
しかし窪は殺害記録を作るために村へ逆戻り。
まるで自分の秘めた願いを一笑に付すかのような窪の行動に、洋二は絶望のようなものを感じ、動けなくなっていたのです。
そこへ偶然 哲雄を捜しに屋敷を出た月夜見が。
月夜見は目の前に広がる惨劇に驚愕の表情を浮かべ、何があったのかを洋二に訊ねました。
洋二は月夜見に声をかけられたことで我に返り、立ち上がって状況を説明。
月夜見もまた自分がなぜここにいるのかを説明し、教祖殺しの真犯人は哲雄であること、哲雄の策略で自分たちは窪と戦っていることを伝えます。
この見立ては十中八九間違いないと……
その時、
洋二の部下が慌てた様子で駆けつけ、村の方から煙が立ち昇っていることを知らせました。
洋二は煙を確認し、それが窪によるものだと確信します。
月夜見にはこのまま哲雄を追うように指示を出し、部下を引き連れ村へ急行。
火災現場までの道すがら、この異常な状況が全て哲雄の仕業だったことに、洋二は言いようのない感情を覚えていました。
【火災現場】
燃えていたのは予想通り民家でした。
現場に到着した洋二は部下に消火活動を命じます。
しかし村には消火栓も消防車もありません。
部下たちは桶を使ってのバケツリレーで消火に当たるしかありませんでした。
洋二も桶で水をかけます。
懸命な消火活動を続ける中、突然数人が倒れる事態に。
一酸化炭素中毒が疑われたため、洋二は倒れた部下を火元から離すよう指示。
すると今度は火元から離れていた部下に異変が。
その部下は突然腕に痛みが走り、出血。
傷口から撃たれたことを確信した部下はそのことを急ぎ洋二に報告。
洋二はそれを聞き、倒れた部下が一酸化炭素中毒などではなく、狙撃によって倒されたことを悟ります。
昼間屋敷に撃ち込んだ狙撃銃を窪が手にしたのだと確信。
撃ち込まれた方角から狙撃ポイントを絞り、数名の部下を引き連れポイントにある佐田家へと向いました。
【佐田家】
暗闇の中、音を立てぬよう佐田家に接近する洋二たち。
近づいて家の様子を窺うと中で何かが燃えているのが確認出来ました。
洋二たちは窪を警戒しつつ家の中へ侵入。
部屋の中で燃えていたのは一本の薪木でした。
すぐさま消火し、窪の姿を捜しますがどこにもいません。
すると横の民家でも薪が放置されていたことが部下によって報告されます。
話を聞いて嫌な予感がした洋二は慌てて外に飛び出し、村が見渡せる高台へと一気に駆け上りました。
洋二の予感は的中。
高台から村を見渡すといくつかの家からすでに炎が上がっていました。
窪は村中の家を放火して周り、消火によって分散した村人たちを狙撃による各個撃破で減らしていこうとしていたのです。
【山中】
足の痛みと疲れで意識を失っていた哲雄は幻影を見ていました。
それは県道で哲雄を待つ歌仙と零花の姿。
しかし二人はなぜか哲雄を残してタクシーで走り去ってしまいます。
そんな身も蓋もない幻影にうなされていた哲雄には、目の前に月夜見が近づいてきていることなど知る由もありませんでした……
マイホームヒーロー139話の感想と考察
【踊る洋二】
哲雄と窪によって振り回され、二人の手のひらで踊るしかない洋二に、徐々に哀切感みたいな雰囲気がただよってきたように思えます。
父親の築き上げた地位と権力の笠の下でしか生きてこなかった洋二と、自らの力で生きてきた哲雄と窪とでは差があり過ぎました。
その差が何話にもわたって描かれ続け、洋二のメッキが落ちまくって、もはや地肌丸見えの状態。
今回この惨劇が哲雄の策略によって始まったことを洋二は知りましたが、その後哲雄への感情が怒りなのか、畏怖をはらんだものなのか見た感じまだハッキリしません。
もし単に怒りだけならば洋二の底が知れ、見ているコチラとしてはもう同情するしかないでしょう。
見下していた哲雄にいいようにしてやられ、単にアタマキター!ってなる洋二ではないことを願います。
だってこれ以上小物っぷりを露呈されたら同情を超えて好きになってしまう……
洋二は窪に対してこの先どう出るでしょうか。
自分に窪を止まらせる実力がないことはすでにわかっています。
そこで犠牲をこれ以上出させないために和解案を提示するのかも。
哲雄によって戦争が始まってしまったことを窪に説明し、犠牲と譲渡でひとまず戦争を終結させようとするのでは?
ですが殺戮をお楽しみ中の窪に話が通じるかどうか……
【伏線の回収】
月夜見は刀を携えています。
その刀で哲雄を切るつもりなのかはわかりませんが、月夜見に哲雄を切る覚悟などおそらくありません。
ですから哲雄は少なくとも月夜見には切られません。
ですが、その刀によって切られる可能性はあるのです。
第49話冒頭数ページは、この惨劇のクライマックスが描かれていました。
哲雄と窪が対峙している場面が描かれているわけですが、この時 窪は刀を手に持っています。
この刀、月夜見が手に持っている刀にそっくり。
偶然に手にしたのか、それとも誰かから奪ったのか経緯が謎でしたが、この謎の答えがいよいよ判明しそうで楽しみです。
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