2021年6月7日発売の週刊ヤングマガジン2021年28号で、『マイホームヒーロー 』第137話が掲載されました。
マイホームヒーロー第137話は、窪と洋二・次郎親子の対決にひとつの帰結が訪れます。
次郎の指揮の下、直属の部下である村人たちは窪を追い詰める。
追い立てられ、逃げるだけの窪であったが、実はある考えがあった……
その頃、鳥栖家屋敷では月夜見が天照の部屋を訪れていた。
本記事では、マイホームヒーロー第137話[親父の全て]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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マイホームヒーロー第137話のあらすじネタバレ
【山道】
一向に窪を仕留められないでいる洋二に代わり、父親である次郎が窪狩りの指揮をとることに。
次郎は身を切らせて骨を断つ作戦を遂行。
数の有利を活かし、犠牲を覚悟で部下に窪を包囲させ襲撃。
経験値に勝る窪がその包囲を突破するのは百も承知。
それでも何度も包囲と襲撃を繰り返すことで窪の体力を削り、弱った所を仕留める腹づもりでいました。
この作戦は半分成功。
次郎の目論見通り、さすがの窪にも疲労の色が見えはじめていました。
しかし、窪もただ闇雲に逃げていたわけではありませんでした。
窪は次郎たちが着かず離れずの距離を保つよう計算して移動を繰り返していたのです。
全ては次郎たちをある地点まで誘導するため。
窪が向かっていた先は、小沢が窪暗殺を狙って爆弾を仕掛けていた山道でした。
窪によって爆弾と起爆装置を繋ぐ線が切られ、小沢の爆弾は無力化してはいましたが、起爆装置も爆弾も壊されずそのままの状態。
つまり線さえ繋げてしまえば爆弾は息を吹き返します。
それは線を切断した窪が一番よくわかっていました。
窪は追われながら小沢の爆弾を利用することを思いつき、次郎たちを誘導していたのです。
山道の爆弾が埋められている場所は、小沢の仕掛けた倒木が目印。
そこさえわかれば切断した線がある場所に辿り着くのは容易なことでした。
窪は倒木を確認すると脇の林の中へ入り、自分が切断した線を見つけ出します。
すぐさま線を繋げ、今度は線を辿って小沢の作った起爆装置を確保。
これで準備は万端。
窪は起爆装置を持って山道の爆弾が埋められている場所へ向かい、洋二と次郎たちを待ちます。
洋二たちは山道で窪を発見。
次郎の部下たちは一斉に飛び掛かって窪をまた包囲しようとしますが、洋二は目ざとくも窪が手に何か持っているのを確認し、部下を止めました。
警戒する洋二。
すると遅れて洋二の後方に次郎が到着。
動きの止まった洋二たちを不審に思い、窪を捕らえたのか?と次郎が歩きはじめた次の瞬間!
ドォン!!
小沢が作った圧力鍋爆弾が見事爆発。
窪は次郎が爆弾が埋められている場所の上を通るのを見計らい、起爆スイッチを作動させたのでした。
爆弾は小沢が研究を重ねて作りあげた物だけに破壊力は凄まじく、次郎とその周りにいた部下たちに致命傷を与えます。
爆弾内に仕込まれた無数の金属片が四方に飛び散り、無数のケガ人を作る結果にも。
至近距離で爆弾の餌食となった次郎は左手が吹っ飛び、脇腹にも致命傷を負ってしまいました。
洋二は吹っ飛ばされて仰向けに横たわる次郎に駆け寄ります。
見た目にも次郎がもう助からないのは明らかでした。
言葉を失う洋二に虫の息の次郎が発破をかけます。
この状況を立て直し、窪を早急に殺せと命令。
瀕死状態にもかかわらず、気丈に仕事を全うするよう命令する父親の姿に、洋二は感服するばかり。
次郎は最後に窪を殺し、村民の信頼を得て村の全てを手に入れろと洋二に告げ絶命。
洋二は涙ながらに必ず窪を殺すことを約束し、次郎の最後を見届けました。
そんな親子の最後の別れなど知ったことかと、まんまと次郎を仕留めた窪はスタコラ逃走。
洋二は立ち上がり、父親の仇を討つべく部下たちに激を飛ばし、追撃を再開させるのでした……
【鳥栖家屋敷】
自室で体を休め、横になっていた天照。
その傍らには月夜見が。
月夜見が部屋をたずねたのは天照から刀を借りる許可をもらうため。
天照は何のために刀が必要なのかを訊ねます。
月夜見は外の世界で知る愛が正しいのか間違っているのかを確かめたいとだけ答えるのでした……
マイホームヒーロー第137話の感想と考察
【さよなら次郎】
すっかり小沢の圧力鍋爆弾のことなど忘れていました。
そういえばあの時、窪は鍋を爆破処理していませんでしたものね。
いわば仮死状態に留めておいたわけです。
それは単に仕掛けた小沢を炙り出すためにあえてそうしただけだと思っていました。
実際、窪も爆弾を蘇生させようなんてあの時はこれっぽっちも考えてはいなかったでしょう。
悪運が強いというか、原作者の窪愛が強いというか、これでもかこれでもかという窪の不死身、悪運の強さには呆れるしかありません。
洋二は父親の仇討ちだ!と意気込んでいましたが、数で勝っている以外に有利なところははありません。
結局次郎が現れる前の状況に戻っただけ。
決着までダラダラと消耗戦が続くのか?
何か劇的な動きが起きるのか?
今回、こんな劇的に親子の別れが描かれ、洋二に肩入れしたい気持ちが少し沸きましたが、どうしてもこの先 洋二が勝利する姿を想像できません。
それどころか次郎が意外な死に方をしたことで、洋二の死に方に変な期待感すら。
それにしても、前回の考察でも述べましたが、次郎のあの無防備さは死んで当然かなと……
【確かな答えなどないよ、月夜見】
今回のラストで月夜見は「外の世界で知る愛が正しいのか間違っているのか確かめたい」と刀を手にしていましたが、今更感は否めません。
零花と哲雄家族に張り付き、これまで幾度もその絆は見てきたはず。
その絆が偽りの愛である確かな理由、根拠を見つけられなかったからこそ、自身悩み、葛藤し、結果零花を見逃がして歌仙も逃がしたのではなかったのか。
それが哲雄を殺すことで何がスッキリハッキリするというか。
大体こと「愛」に関しては正解などあるのでしょうか。
「世界」も「倫理観」も「宗教観」も違うのならば、それら価値観の上にある「愛」がそれぞれ異なるのは当然のこと。
結局 月夜見がハッキリさせたいのは、自分の「愛」が正しいのか間違っているのかでしょうけれど、何を今更って感じです。
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