2021年5月10日発売の週刊ヤングマガジン2021年24号で、『寄生列島』33話が掲載されました。
『寄生列島』33話は、海上に現れた一帯の海上封鎖を告げる巨大な船。
戻れば感染者の溢れる島、進もうにも進路は阻まれ、千尋達は立ち往生する中、負傷した瑞樹の容態は悪くなるばかりです。
本記事では、『寄生列島』33話『言ったよね?』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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寄生列島33話のあらすじネタバレ
負傷した瑞樹の治療の為に、小さな釣り用ボートで本土へ向かう千尋と寛太ですが、突然海の真ん中に巨大な船が行く手を阻んでいました。
その船はこの一帯が海上封鎖されていると言い、この海域から離れるように千尋達に通告しました。
父が大変な状況であることを、千尋は声を張り上げて伝えますが何の反応もありません。
海の上で、相手も巨大な船の中にいるために声が聞こえないのかもしれないと寛太は考えて、近づくことにしました。
命令に従わない場合、攻撃も辞さないと言う船に対し、寛太は両手を挙げて病人がいることを伝えました。
勧告の放送は繰り返されると思いましたが、声は止み、通じたかもしれないと千尋は言いました。
痛みに顔を歪め、苦しそうな声を出す瑞樹に、千尋は焦りを見せます。
その時、寛太は何かを見つけました。
それは漁船の破片とオイルで、振り返ってみるとバラバラになった船の残骸が辺りに浮かんでいました。
慌てて引き返す寛太は、千尋に状況を説明しました。
命令を無視した船を本当に沈めている事を察した寛太は、勧告通りに海上封鎖されていることを察し、島に戻るしかないと言いました。
瑞樹の表情を見ながら、千尋は駄目とは言いますが進めないことも理解出来ているのでその声に力はありませんでした。
近づいてきた島の様子を見て、千尋は驚きの声を挙げました。
至る所の民家が燃えており、立ち尽くす二人。
そこへ、蟹江に変異したスーパースプレッダーとなった莉子がやって来ました。
防護服を着た男や島の住民を引き連れ、顔はボコボコと腫れ上がり元の莉子や人間らしさは見る影もありません。
千尋が莉子を守ると言ったことを、莉子は強調しますが、島を出て行ったことに対して嘘つきだと言いました。
そして、死んじゃえと言うなり命令に従うようににじり寄ってくる感染者達。
膝を付き、もはや抵抗する力も無く千尋は終わりを予感し覚悟するしかありませんでした。
そこへ、一台の軽トラがやって来ました。
荷台に立っていたのは蜷川で、いつもの自信に満ちあふれた表情を見せ、ぼうっとしている千尋の胸ぐらを掴みました。
こんな壊れた世界でも、まだ諦めるには早いかもしれないと言い、二人を荷台に乗せて走り去りました。
その様子を、莉子は視点の合わない目で眺めていました。
島のあちこちが燃え、住人すら感染者に溢れているというのに、一体どこへ向かうのかと寛太が尋ねると、蜷川は『寄生虫の巣』に向かうと断言します。
寄生列島33話の感想と考察
せっかく脱出したものの、島に戻ることになってしまった今回ですが、島に戻れば強力な味方がいました。
運転していたのは柿島か、同行していた鴻島かわかりません。
船で戻る道中、島まで泳いで帰ると犠牲になった駒井の姿は無かったのか、来たときとは少しルートがずれていたのかわかりませんが、もしも海上に駒井が浮いていたら一気に雰囲気が重くなりますし危機感や絶望感も更に増していたと思います。
どうにか感染を逃れ、のちに良いタイミングで助けに来てくれるための伏線として、今回は駒井の事は触れられずに過ぎたのかもしれません。
なにより、宣言通り本当に沈められた船を見て、寛太はそれどころではなかったのかもしれません。
そんな二人を待ち受けていたのは、もはや蟹江ですらなくなったスーパースプレッダーの莉子でした。
某ゾンビゲームのボスキャラみたいな変異を見せている莉子ですが、他の感染者を従えているようにも見えたので、この作品におけるボス的役割を担いそうです。
守ると言いつつ、島を出て行った千尋を嘘つき呼ばわりしていましたし、もしかしたら蟹江に捕えられた時に守ってくれなかった事に対して嘘つきと言っているのかもしれません。
だからこそ蟹江に変異し、海上封鎖させて島から出られないように仕向けたのだとしたら、元々の莉子以上の知恵が備わっている可能性もあります。
そしてやって来たのは当方の最推しキャラ蜷川です。
無事に島から脱出できたらもう出番は無いかなと思っていたので、再登場が嬉しくもありますし、いつもと変わらぬ余裕に満ちた態度や表情が実に頼もしいです。
突き止めた寄生虫の巣の様子や、予告によれば原因究明されるようなので次回が楽しみでもありつつ、物語も終盤に近づいているようにも思えます。
今回寛太が引き返したのは、最後に島を出るための船でもあるのかなと思いましたが、恐らく莉子が燃やしてまた絶望するのかと思うと、この先の展開が非常に怖いところでもあります。
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