2021年3月22日発売の週刊ヤングマガジン2021年17号で、『寄生列島』30話が掲載されました。
『寄生列島』30話は、粛正を行おうとやって来た桂。
千尋の為に犠牲になろうと奮起する寛太でしたが、そこへやって来たのは……。
そして、島を離れた蟹江達には衝撃展開が待っていました。
本記事では、『寄生列島』30話『粛正を始めよう』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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寄生列島30話のあらすじネタバレ
千尋の父・瑞樹の治療の為に島を出ようと船を直した寛太は、千尋とともに瑞樹を迎えに行こうとしました。
そこへ、金属バットを持ち笑顔でやって来たのは生徒会長兼空手部部長の桂でした。
桂は自分にたてつき規律を乱したとして、空手部員を引き連れて再教育しなければならないと立ちはだかります。
千尋を逃がすために、一人犠牲になろうとする寛太は数名の空手部員を相手に拳を握り向かっていきました。
部員の一人に掴まれたものの、その男の方に悠然と乗ったのは柿島でした。
さっさと行けと言われ、寛太と千尋はすぐに走り出しました。
殴りかかる部員の腕を掴み、柿島はその肘を小突いただけで腕を痺れさせ締め上げました。
顔を掴み、目玉・喉仏・金玉を確実に潰していくと宣言すると、挑発された桂は目に寄生虫を這わせて笑いました。
逃げる道中も柿島の事を心配する千尋でしたが、今は親父さんが先だと寛太に窘められます。
そんな柿島の助けのもの逃げ切った千尋と寛太は、無事に瑞樹を迎えに行くことが出来ました。
寛太におぶられた瑞樹の様子から、不安になった千尋は声を掛けるものの返事はありません。
容態を診ていてくれた寛太の祖父は、高熱が出ていて意識が朦朧としていると言い、二人は急いで船に戻ります。
その道中、ある家の外には二階のベランダで首を吊っている婦人の姿があったり全裸で佇むおじさんがいたりと、もはや正常さは見られません。
必死に瑞樹に声を掛ける千尋に、ようやく反応して名前を呼ぶ瑞樹。
あちらこちらに感染しているように正常な様を見せない島民達がいて、この島はもうダメなのかもしれないと千尋にもにわかに感染状況に進行具合が伝わりました。
一方、本土からやって来た厚生労働省を名乗る蟹江達の船では異変が起きていました。
島の感染源・スーパースプレッダーとして捉えた千尋の姿に変態した莉子は拘束されたベッドを抜け出しました。
返り血を浴び、にこりと楽しげな表情で血の付いた消化器を持ち蟹江と対峙します。
怯えて座り込む蟹江の前で、莉子は大口を開けて再び変態を始めました。
新たに変わった姿は目の前にいる蟹江でした。
スーパースプレッダーの能力をまざまざと見せつけられた蟹江でしたが、莉子が手にしていた消化器は振り下ろされ、蟹江は命を落としてしまいました。
島を消すことで感染症を封じ込めようとした蟹江。
その計画は日本政府のものであり、計画は失敗しこうしてスーパースプレッダーを島から出してしまう事になりました。
寄生列島30話の感想と考察
衝撃展開の終盤でしたが、冒頭も熱い展開でした。
一度は千尋の命を狙った柿島でしたが、蜷川の働きもあり今ではすっかり頼もしい協力者になってくれました。
敵が味方になるという、少年漫画の鉄板展開ですがやはり熱いですし、来てくれるだろうなとわかっていてもわくわくする展開です。
桂を相手に出来るのは他にいませんからね。
部員相手ならまだしも、寄生虫の力を持った桂を相手にするのは『始末屋』の柿島といえど骨が折れるかもしれませんが、きっと勝ってくれる事でしょう。
そんな戦いの現場に千尋と寛太は戻ることになりますが、なんだかんだで寛太も加勢して千尋一人で瑞樹を連れて島を出ることになるかもしれません。
先週帰宅し、家族が感染していた委員長こと加奈と功太の様子も気になるところですが、すっかり動けなくなっていた二人はあのまま襲われてしまった可能性もあります。
次回は一緒に脱出するために戻ってきてくれる事を願いますし、出来るなら助けてくれた柿島も一緒に島を出て欲しいです。
道中で感染者が多数描かれてまるでゾンビ映画のようなワンシーンもありました。
『感染』と『島』というキーワードから同誌の別作品が浮かんできましたが、人間の形を保っているだけまだこちらの方がマシかもしれません。
などと思いながら読んでいると、すっかり忘れていましたが蟹江達の姿が描かれていました。
本土を離れてまる一日以上は経っていると思いますが、まだ到着していないことから花山島がいかに離れているかを物語ります。
しかし、見返してみると蜷川が40キロの距離を泳いでやって来たと言っていたので、スーパースプレッダー莉子が暴れ出して船が停止していただけかもしれません。
目の前で自分の姿に変わった莉子に、蟹江は殺されてしまいますがここまで良いように事を進めてきた男の末路としては納得の終わりでした。
このスーパースプレッダーが中身まで蟹江の力を得られるのかはわかりませんが、このまま船を操縦して本土まで戻ってしまうのでしょう。
せっかく蜷川が島の感染源を突き止めたものの、『寄生列島』はいよいよ花山島だけではなくタイトル通りになり、これからが本番なのかもしれません。
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