2021年3月8日発売の週刊ヤングマガジン2021年15号で、『マイホームヒーロー』第128話が掲載されました。
マイホームヒーロー第128話は、教祖死亡の報せが村中を駆けまわる様子が描かれます。
小沢が治療を受けていた民家にも教祖襲撃の報せが届く。
絶好の脱出タイミングに小沢は……
その頃、半グレを追って山狩りを指揮する次郎に、洋二はある疑惑を話す。
教祖を殺したのは半グレではないのかもしれない、と……
本記事では、マイホームヒーロー第128話[山狩り]のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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マイホームヒーロー128話のあらすじネタバレ
【村内のとある民家】
外界から迷い込み、事件に巻き込まれてしまった気の毒な少年として、小沢は民家で治療を受けていました。
タイミングを見て、はやいとこ村から脱出したい小沢でしたが、看病する村人は怪我が治るまで、ありがたい経典を読み聞かせてあげると言って小沢のもとから離れません。
その時、玄関から火急を知らせる声が!
息せき切って村人が訪れ、教祖が襲われて死亡したと、教えに来たのです。
とにかく急ぎ教祖の家へ向かうよう言い残し、その村人はまた別の家へ。
報せを聞き、看病していた村人は小沢の存在などまるでなかった事のように、大慌てで家を飛び出しました。
民家にひとり取り残された小沢。
ポツネン……
こうなることも実は想定済み。
辺りに注意を払いつつ、誰にも見つからず無事に民家の外へ脱出成功。
痛む傷口を押さえ、窪が死んでくれるといいな、と思う小沢でした。
【鳥栖家屋敷】
屋敷に次々と訪れる村人たち。
自分の目で見るまでは信じられないと、皆が中庭に集結。
中庭に面した教祖の部屋の戸は開かれ、室内には教祖の遺体が……
恐れていた現実を目の当たりにし、村人たちは皆 膝から崩れ落ちるようにして地面に突っ伏して号泣。
やがて侍女に支えられた天照が現れ、教祖は悪しき外の犯罪者たちによって殺されたと涙ながらに訴えます。
皆の父(教祖)をこんな目に遭わせた奴らに天罰を下せと、実質的に村人に半グレたちの殺害を命じる天照でした……
【山中】
洋二の部下たちと村の男たちは、松明と武器を手に半グレを探していました。
この”山狩り”を指揮しているのは、村の警護を受け持つ次郎と洋二。
男衆を指揮していた次郎のもとへ、話があると洋二がやって来ました。
洋二は今回の教祖殺しに関して抱いている違和感を説明。
教祖を殺したのは半グレではないのではないか?と……
次郎は説明を聞いて違和感には納得するも、犯人が半グレでないとしたら一体誰が犯人なのかと洋二に訊ねます。
この時、洋二の頭には哲雄の存在が浮かんではいましたが、哲雄にそんな度胸など無いと思っていたため、確信が持てないでいました。
押し黙る洋二に、次郎は犯人が誰であろうと構わないと言いのけます。
もはや村人も天照も犯人は半グレだと信じているこの状況に乗っかり、ただ半グレたちを皆殺しにすればいいだけのことだと。
次郎は郷一郎が殺されたこの状況はむしろ歓迎すべきことであり、村の実権を収奪する絶好のチャンス到来だと考えていました……
【村外れの神社】
歌仙と神社で落ち合うことになっていた哲雄は細道をひた走っていました。
計画通りに事が運んだ安堵感から、この先のことも楽観視してしまい、つい笑みがこぼれます。
二人で村を脱出して、タクシーを呼んで、零花に追いつこう……
それで三人で家に帰って、北か南へ高飛びしよう……
万が一、麻取か郷一郎の件で警察に追われたら、自分だけ出頭して服役を終えてからまた家族と落ち合えばいい……
具体的にこの先を考えるうち、哲雄は楽観視など決してできないことを思い出します。
服役後、はたして彼氏を殺した父親を零花は待っているだろうか……
父親を殺した自分を歌仙は待っていてくれるだろうか……
そもそも、すでに何人もこの手で殺した自分に服役後なんてあるのか?
自分が仕掛けたこの騒動で何人も死ぬことになるのに、服役後なんて……
そんなことを自問しながら走っていると、やがて神社の前まで到着。
すぐに境内の社にいる歌仙のもとへ向かいたいところでしたが、後ろから人の気配を感じ、哲雄は木の陰に隠れます。
やがて巫女と侍女の二人が小走りでやってきて、社へとつながる階段を駆け上がって行きました。
哲雄も二人に気づかれぬよう階段を昇り、物陰から様子を窺うことに。
巫女たちは社の中にいた歌仙に声をかけて呼び出し、事件が起こったので屋敷へすぐに戻ってほしいと頼みました。
歌仙としては哲雄とここで待ち合わせをしているため、動くわけにはいきません。
もう少しここでお祈りをしたいからと、誰が聞いても違和感を覚えるような理由で断ります。
案の定、巫女も侍女も予想外の返事に「えっ?」といった顔でキョトン。
侍女は歌仙が半グレたちを家に手引きしたのではないかと胡蝶が疑っていることを伝え、違いますよね?すぐに戻って誤解を晴らしてください!と必死に頼むのでした……
マイホームヒーロー128話の感想と考察
いやぁ……まいりました。
考察予想がことごとく外れてしまい、悔しいやら恥ずかしいやらでございます。
まさか小沢がこのまま村から脱出するだけでお役御免の脚本を哲雄が書いていたとは……
手負いの小沢では窪を殺すのは不可能だと判断してのことなのでしょうけれど、残念です。
もっと言えば、小沢自身も自分ではもはや窪殺しは不可能だと思ってしまっているのがとても残念でなりません。
刺し違えてでも…といったあの執念はどこへいってしまったのか……
それでも、いち読者として、まだ小沢のアドリブ演技に一縷の期待を残したいと思います。
アドリブといえば、イレギュラーな演者が舞台に上がってきてしまいました。
胡蝶です。
歌仙は上手くアドリブで対応し、胡蝶を舞台袖に捌けさせたはずでしたが、また勝手に舞台に上がってきてしまいました。
これで歌仙が屋敷に戻らないとなれば、半グレと歌仙はグルという疑いが確定事項となってしまうでしょう。
つまり、村人たちにとって歌仙は敵ということになってしまいます。
それは村を脱出する上でも、外界にいる信者たちに脱出後に狙われなくするためにも避けたいところ。
歌仙は疑いを晴らすため、屋敷へ戻らねばならないでしょう。
けれどそれは村からの脱出が遠のくことでもあります。
屋敷へ戻らなくても戻っても遠のく脱出。
哲雄は脚本の修正を余儀なくされてしまいましたね。
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