『溺れる花火』は2009年からモバMANにて連載の峰浪りょう先生による人気漫画です。
1話では、主人公泳太と、ヒロイン小秋の関係性が描かれています。
仲良さげな二人ですが、そこにはある障害がありました。
本記事では、『溺れる花火』1話『始まりの夏』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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溺れる花火1話のあらすじネタバレ
女性との激しい性行為に励むのは、主人公の泳太……ではなく、テレビの画面に映る女性の映像を見ながら、泳太は自慰行為にふけっていました。
ベタベタのじっとりとしたものに触れる自分のそんな行為の後、それから数時間後にはさらさらで綺麗な彼女に触れなくてはいけないことに、十九歳の泳太の手は躊躇していました。
彼女の小秋は病院生活を送っていました。
泳太はその病室にお見舞いに行き、病室の窓から見える海辺ではもう泳いでいる人がいました。
小秋はもうすぐ夏が来ることを楽しげに泳太に話しますが、あんまり外の風にあたるとよくないと、泳太はそれどころではありません。
そんな泳太を小心者呼ばわりする小秋。
それをいうならと、ムッとしながらも心配性と訂正し小秋をベッドに戻らせました。
大学の夏休みがいつからなのかと小秋は尋ねると、7月半ばくらいからと泳太は言いながら窓を閉めようとします。
風を浴びていたい小秋は窓を開けておくように頼みますが、外の風に当てたくないのか泳太は何か言いたげな表情で閉めることをやめました。
このまま行けば夏に退院できると先生に言われたことを報告する小秋に、泳太も嬉しそうです。
じゃあさ……と言いかけて泳太は安静にして絶対に退院しようと言いました。
大学に行かなければいけないため、明後日の午前に来る約束をして、泳太は帰ろうとしました。
そんな泳太にキスを求める小秋。
二人が出会ったのは十五歳の高校一年生でした。
体が弱い小秋は学校を休みがちでクラスに馴染めずにいました。
泳太はその儚さからくるこの世のものではないような特別感に強く惹かれ、三年で再び同じクラスになったことを機に告白しました。
みんなのように深くは付き合えないという条件付きで、小秋は告白を受け入れました。
大学に席についていると、友人に昨日のコンパに来なかったことを咎められました。
バイトが抜けられなかったことを理由にしましたが、友人はもったいないことをしたと実に残念そうです。
可愛い子がいたとかはさておき、ヤリコンだったと告げられ泳太もうらぎりものと立ち上がって言います。
どうやら友人の先輩はまたセッティングしてくれるようなので、バイトのない日をメールで教えておけと言ってくれますが、泳太は唾を飲み込みながらも断りました。
理系学科で彼女なんか出来るわけがないと言う友人には、小秋の事は話していません。
体が元気でもこんな風に浅い付き合いしか出来ないと考えている泳太は、身体の関係は無くても深い付き合いをしていると思っていました。
退院できると言われ、じゃあ二人で旅行でも行こうと言いたかったけれどそれを泳太は飲み込んでいました。
約束していた時間に病室を訪れると、ドアを開けるとそこには小秋が二人いるような錯覚が見えました。
ベッドにいるのは勿論本物の小秋、そして椅子に座っているのは従姉妹の夏澄と紹介されました。
二年前に大学を卒業してから福岡に就職した夏澄は、今年の夏に異動でこちらに戻ってきたとのことです。
やっとお会いできましたねと、泳太に言う夏澄。
小秋の母から彼氏がいることを聞き、悪い虫じゃないか見ておきたかったと夏澄は笑いながら言います。
一緒に帰りながら、泳太は良い人そうで安心したと夏澄に言割れました。
小秋の母に頼まれたスパイと告げる夏澄は、小秋は親に会わせようとしない理由を、親と会わせるほど深く付き合えないと思っているからだと言います。
ただ恥ずかしがっているだけだと思っていた泳太は、小秋は『深さ』を履き違えていると言います。
自分の身体が弱いからそっちに考えがちになってしまいますが、泳太は周りのどのカップルよりも心で深く付き合っていると言いました。
しかし、それは無理と断言する夏澄は、小秋は生身と言い泳太にも同意を求めます。
電車に間に合わないと駅に走り出した夏澄に、小秋が全速力で走っている姿を重ねてしまいます。
息を切らしながらもどうにか間に合った二人。
ホームでつまずく夏澄を受け止めた泳太は、汗ばんだ首元の素肌に触れました。
これまで小秋とキスまでしてきたものの、はじめて女を触ったと無意識のうちに泳太は思っていました。
溺れる花火1話の感想と考察
冒頭からいきなりの性行為に驚きましたが、それは泳太が鑑賞中の映像でした。
2009年からスタートした作品なので、今とは違い『メール』だったり今後出てくる携帯電話の形だったり最近の作品とは違ってそこもまた時代感があって面白かったです。
本編の内容としては、儚げな雰囲気の小秋との恋模様というよりは、十九歳という若さ故の欲求の中で足掻く様子が描かれていくという感じでしょうか。
ヤリコンに誘われたときに唾を飲み込みながらも拒否したのが、小秋と深く付き合っていると言う泳太の言葉が象徴されていたように思えます。
身体だけの関係や、仲間内で馴れ合いの付き合いしか出来ないという人も実際に多いし、そんな周囲の中で泳太の言う『深い付き合い』は貫けるのでしょうか。
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