2021年1月9日発売の週刊ヤングマガジン2021年7号で、『寄生列島』25話が掲載されました。
『寄生列島』25話は、瑞樹を助けに来た千尋でしたが、どうもその様子は明らかに異常でした。
果たして瑞樹は無事に助け出されるのでしょうか。
そして、花山島に更なる事件が起こります。
本記事では、『寄生列島』25話『君は誰だ?』のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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寄生列島25話のあらすじネタバレ
拷問の末、意識を失っていた千尋の父・瑞樹。
その監視を殺し、助けに来たのは千尋の姿をした誰かでした。
島民の誰もが千尋と思い込み、感染症が拡大した原因とまで決めつけられたこの人物を、瑞樹は千尋とは認識しませんでした。
君は誰だ? と問いますがその答えはなく、千尋のような人物は瑞樹の有様をただひどいと言うばかりでした。
近づいてくるその人物に怯える瑞樹でしたが、椅子に縛り付けられているため逃げることも出来ません。
舌を出しながら顔を近づけるその人物から逃れるために、瑞樹は椅子ごと倒れてしまいます。
もういいやと呟き、千尋の姿をしたその人物は監視に刺したままの包丁を手に取り瑞樹に向けました。
その顔には無数に血管が浮き上がり、目には多量の寄生虫を這わせもはや人間とは思えません。
殺されそうになったその時、懐中電灯の光が当てられ、防護服を着た男達に囚われました。
同時に、本物の千尋も助けにやって来ました。
奇声を上げる感染者は、おねえちゃんと千尋を見て呟き、それが莉子だと千尋も理解しました。
その一部始終を見ていた蟹江は、状況を理解したようでしたが、再び千尋と瑞樹は引き離されてしまいました。
島民全員の検査が終わったことを告げる厚生労働省の作業員は、住民に14日間の自宅待機を要請しました。
陽性反応が出た場合は医療班が向かうことを宣言し、街の消毒作業は続行されました。
一方、千尋の抗体検査の結果は陰性であり、蟹江もようやく感染源が千尋ではないと認めました。
そして、千尋に変態した莉子こそが感染を拡大したスーパー・スプレッダーだと確信しました。
莉子をどうするきなのかと問い詰める千尋に蟹江は、データは十分に採れたと言うだけで答えにはなりません。
忌まわしき負の遺産と呼んだこの感染症は、治療法もなく特効薬もワクチンも開発の目処は立たないと言い切ります。
この島は政府によって破棄されると言うやいなや、島の灯りが全て消えてしまいました。
蟹江が破棄という言葉で表したように、既に島の発電所には火が点けられており、燃えさかる炎を前に島民達は消防団の到着を待つばかりでした。
灯りが消えた島を見渡し戸惑う千尋に、花山島の地図を破って見せた蟹江は再度『破棄』を強調しました。
寄生列島25話の感想と考察
親子だからこそと言うべきか、単純に父を助けるためとはいえあっさり人を殺して見せた人物を、姿形は同じでも娘と思いたくなかっただけなのか、瑞樹はすぐに千尋ではないと判断しました。
お父さんと呼んで見せた事から、千尋の記憶までコピーしているのかただ千尋の父と知っていただけなのかはわかりませんでした。
大の大人が数人がかりとはいえ、あっさり捕まってしまった莉子は完全に拘束されてしまいただ殺されてしまうのを待つだけに思われますが、更に感染症のステージが存在しより異形な変態を遂げるという展開もありそうです。
疑いが晴れた千尋でしたが、このまま島が破棄されるのを大人しく見ているだけのはずがありません。
今では友達も出来ましたし、なにより父を拷問に掛けさせた男に対して黙っているわけがありません。
しかし島の破棄は政府の決断のようで、敵はあまりにも強大です。
抗体検査をして、14日間の自宅待機を命じ陽性なら医療班が駆けつけると言っていましたが、それは島民を家に閉じ込めておくための建前のように思えました。
そもそも本当に厚生労働省の人間なのかと言う点は、登場した時から疑いはありましたが、今回で更にその疑惑は深まったように思えます。
今後の展開はどうなって行くのでしょうか。
作品名が『寄生列島』ですので、今回のデータを元に日本中にパンデミックを起こすという事もありえるので楽しみです。
現実社会で起きている感染症は人の姿を変えるほどの症状はないにしろ、列島どころか世界中で再び猛威を振るっています。
危機感が薄れているのもあるかもしれませんが、政府のしっかりとした対応がされていないからというのも感染予防への意識行動の欠如の原因にもなっているように思います。
コロナが流行るのとほぼ同時期に始まったこの作品のように、いつか感染を抑えられなくなった国や地域が『破棄』という決断を迫られる時が来るかもしれません。
それは諸外国かもしれませんし、日本かもしれません。
感染症と言うことで、寄生列島を読むと毎回ニュースの記事などを思い出してしまいます。
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