2021年1月9日発売の週刊ヤングマガジン2021年7号で、『アルキメデスの大戦』第248話が掲載されました。
『アルキメデスの大戦』第248話は、日本の圧勝かと思われた演習の戦局が一変する様が描かれます。
黒沼は青軍の主力部隊が索敵機に発見されたことを知り、動揺を隠しきれない。
そして櫂の敵配置を事前に読んだ作戦、その布陣から赤軍の真の狙いに気がつく。
一方、統監室でも赤軍の狙いを知った南雲たち将校は皆、櫂の手腕に驚きを隠せないでいた……
本記事では、『アルキメデスの大戦』第248話[決着]のあらすじと感想を紹介していきます
※ここから先はネタバレ注意です。
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アルキメデスの大戦248話のあらすじネタバレ
【兵棋演習・青軍(日本軍)室】
自軍の主力部隊が敵の索敵機に発見されたとの判定を聞き、激しく動揺する黒沼。
それは距離からいってミッドウェーからの索敵機でないことは明らかだからでした。
つまりは別の機動部隊からの索敵。
自軍と先ほど交戦した赤軍(米軍)機動部隊の間は索敵済みであり、そこに別動隊はいない。
であるならば……
黒沼は赤軍の別機動部隊が主力部隊の南方に位置していると読みます。
それは事前にこちらの配置を読んだ上での伏兵布陣!
ここではじめて櫂の狙いがはじめからミッドウェー攻略部隊を載せた輸送船団と護衛の主力部隊であり、先程自軍が壊滅させた米軍の空母部隊が囮であったことを知ったのです。
仮に今から自軍の攻撃部隊を反転させ、急ぎ主力部隊の救援に向かわせたとしても、攻撃部隊が到着する頃には主力部隊は壊滅的打撃を被った後になるのは明白。
それだけの距離が攻撃部隊と主力部隊にはあったのです。
黒沼は壊滅させた空母部隊が囮であったことを将校たちに説明。
資源も予算も乏しい日本にとって空母とはいわば「虎の子」であり、その空母を無為に失う櫂の戦法に納得がいきません。
これに対し黒沼はそれが櫂の戦い方であり、米国という大国との差なのだと将官たちにいって聞かせるのがやっとでした。
その時、統監室から入電が入ります。
ミッドウェー島に向かわせた索敵機からの報告でした。
ミッドウェー島の米軍基地に配置されていたのは爆撃機100機、それも4発重爆撃機のB-17、通称「空飛ぶ要塞」
報告を聞き終え、愕然とする黒沼でした。
そこに駄目押しとばかりに統監室より伝令が入ります。
そのB-17重爆撃機100機が基地を発信し、自軍の攻撃部隊に向かっているとの報せ。
さらに立て続けに統監室から伝令!
米軍空母攻撃部隊210機が自軍の主力部隊を攻撃、被害甚大、輸送船団壊滅という判定がもたらされたのです。
これで黒沼の動かせる手駒は囮である米軍空母部隊を壊滅させた攻撃部隊だけ。
しかし現在攻撃部隊は収容した艦載機への燃料補給、そして爆装への変換作業が進められている最中。
作業を今から攻撃用に再度変換するよう命令を出したとして、迫りくるB-17編隊の方が先に攻撃を仕掛けてくることはもはや避けられない状況。
黒沼は負けを認めざる得ませんでした。
【統監室】
悪しき習慣を排除し、日本贔屓なしで戦況の判定を下してきた結果、櫂の指揮する米軍の圧勝となった兵棋演習第二戦。
将官たちは皆 たった一度の海戦でここまでの戦果を上げた米軍と櫂の指揮力に感嘆しきり。
主計長ごときと櫂を思っている南雲としてはこの結果が面白くありません。
所詮は机上の空論に過ぎないのだから騒ぐほどでは無いと、まるで負け惜しみのように発言。
しかし山本は違いました。
櫂の発想は興味深く、研究の価値があり、学ぶべきところが多々あると将校たちに話します。
そして南雲に対し、空母は敵に襲われたら終わりだということを空母を与る立場の者は肝に銘じるべきだと言って聞かせました。
改めて山本はこの兵棋演習第二戦が赤軍アメリカの勝利に終わったことを宣言。
青軍、赤軍それぞれに判定結果の伝令を出すのでした。

アルキメデスの大戦248話の感想と考察
前回までのペースが嘘のように今回はトントン拍子に話が進み、もう何週か引っ張ると思われた演習に決着がつきました。
ちょっと詰め込み感が否めず、説明セリフだらけで若干ライトノベルのように感じる回でしたね。
この演習の最大の勝因は櫂の読みであったことは間違いありません。
けれど言い換えれば、黒沼が櫂の読み通りではない作戦行動を取っていれば勝敗はわからなかったともいえます。
ですから”たまたま偶然”に櫂の読みが当たっただけだと難癖をつけることも今の段階では可能でしょう。
このあと総括が行われるはずですので、そこで櫂は黒沼や山本、南雲から説明を求められるかもしれません。
この勝利が”たまたま”だったのか、そうでないのか、櫂の口から理論的に作戦の行動理由が語られることを期待したいです。
なんせドンピシャに黒沼の作戦を読み当てましたからね。
黒沼だって教えて欲しいでしょう。
この演習により、日本がハワイ島を仮に占拠したとしても、早期講和どころかアメリカに倍返しされる可能性が濃厚だということが実証されました。
はたしてこの結果に山本は何を思うのか?
櫂が望んでいるようにこれでハワイ攻撃を断念してくれるのでしょうか?
おそらくそうはならないでしょう。
山本はこの演習から日本軍の弱点を黒沼に洗い出させ、改善策、打開策を練らせる腹づもりなのではないでしょうか。
いずれにせよハワイ島奇襲成功という確実視される戦果を軍人・山本が手放すとは思えませんので、櫂の思いに反し、作戦自体が立ち消えることはないと思われます。
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