『テセウスの船』は、週刊漫画雑誌モーニングの2017年30号から2019年30号まで連載されていた東元俊哉先生による人気漫画で、俳優・竹内涼真主演で2020年にドラマ化もされました。
2巻は、雪崩が起きて一人重体になるという事故を、ノートを見て事前に知っていた心は、雪崩被害を止め、過去を変えたところから話が始まります。
佐野文吾は鈴を助けたこと、雪崩事故を防いだこと、そして千夏を助けるために心がパラコートを捨てたのではないかと問い詰め、心はそれを認めます。
心は未来から来たことを佐野に伝えると、二人でこれから起きる事件を止めようと提案します。
臨時教員として音臼小で働くことになった心。
ノートには書いてなかったうさぎが殺される事件が起きます。
佐野と心は、これから起こる事件を全て未然に防ぐことができるのか・・・。
本記事では、『テセウスの船』2巻のあらすじと感想を紹介していきます。
※ここから先はネタバレ注意です。
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テセウスの船2巻のあらすじネタバレ
8話 雪崩の日
心の免許証を見た佐野文吾は、怪しいから家に置いておけないと和子に相談するも、相手にされず、心をしばらく家にいさせてああげようと言います。
心はこれから音臼村で起きる事件を止めようと、由紀がまとめたノートを見直します。
ノートの新聞記事には明日、小学校教員木村さつきの父、木村敏行が音臼岳の荒川橋付近で雪崩に巻き込まれ重体になることを知った心。
過去を変えたら元の未来にはもう戻れないかもしれないという不安を抱えながらも、これから起きる悲劇を見て見ぬふりはできないと立ち上がります。
雪崩が起きる日の朝、心は木村敏行の家を訪れ、木村に雪崩が起きるから音臼岳には通らないよう助言します。
木村は心の言ったことを全く信用せず、出かけようとすると心が全力で止めようとし、その声を聞いたさつきも外へ出てきます。
遅刻すると慌てて軽トラに乗ってでかけてしまった木村。
そこへたまたまパトカーで通りかかった佐野文吾を見つけた心は、慌ててパトカーに乗り込み、前を走る木村の車を追うように言います。
サイレンを鳴らしてもっと早く飛ばし、木村の車を停めるようにと焦る心に、目の前で雪崩が起きます。
9話 紙切れの正義
心が子どもの頃、拘置所にいる佐野が弁護士を通じて「正義へ」と描かれたメモと一緒に、誕生日プレゼントが宅配されたことがありました。
届いたプレゼントを全部捨て、鬼の形相の母和子が二度とこんなものを送ってくるなと弁護士に電話をします。
本当は心という名前ではなく、「正義」という名前になるはずだったが、父親が殺人犯で捕まっているのに生まれてきた子を「正義」とは名づけることなく、鈴が「心」と名付けたことを知ります。
雪崩は起きましたが、木村敏行は無事でした。
過去は変えられると確信した心。
家に戻ると、お腹にいる赤ちゃんの名前を決める家族会議が始まります。
もちろんお腹にいる赤ちゃんの名前とは、心のこと。
慎吾や鈴は各々に考えた名前を発表します。
そんな中、佐野文吾は「正義」がいいと言います。
それを聞いた心は、昔、姉の鈴から本当は「正義」という名前になるはずだったという話を思い出します。
心は佐野にとって正義とは何なのか?と真面目な顔で聞きます。
そんな心を見て、佐野は悪い人だって最初から悪かったわけではなく、何かをきっかけに悪い人になってし舞ったのだと思うから、そんな一人の悪い人間を助けたい、生まれてくる子どももそんな人間になってほしいと言います。
小さい時から自分はなんのために生まれてきたのかずっと疑問に思っていましたが、正義のために生まれてきたということが分かった心。
そこへ金丸という刑事がやってきます。
10話 もう一つの選択肢
金丸は、千夏の事件について心が殺したのではないかと言い、所持品を見せるよう心に問い詰めます。
心は、佐野が怪しいと金丸に言ったらどうなるのか、もし佐野が捕まったら家族はまた加害者家族として生きていかないといけなくなる、心の免許証を見られたら何にしろ佐野の家にいることはできない、心の頭の中は選択肢でいっぱいになります。
そこへ佐野文吾が現れ、心の持ち物は雪崩に巻き込まれてしまったことや拾ったパラコートの容器は中身は洗剤だったと金丸に伝えます。
金丸は心にまた来ると告げ、駐在所を後にします。
11話 世界で一番
金丸刑事が帰った後、佐野文吾は心を金丸に引き渡すつもりだったと心に謝罪します。
心が鈴を助けたこと、雪崩から木村を助けたこと、そして千夏を救うために心がパラコートを盗み、捨てたのではないかと尋ねます。
全て佐野の言う通りだった心は自分がパラコートを捨てたことを認めます。
すると突然、温泉に行こうと誘う佐野文吾。
猛吹雪の中、二人は温泉に浸かり話をします。
正直に話して欲しいと言う佐野に、心はついに2017年の未来から来たことを伝えます。
それを聞いた佐野は大声で笑い、やっぱりそうかと自分の読みが当たっていたことに興奮します。
「北の国から」はどうなったかと聞く佐野に、ネタバレを話し出す心。
二人とも「北の国から」の大ファンであることが分かり、盛り上がります。
未来でも家族仲良くしていたいという佐野に、まだ事件や事故が続くと伝える心。
事前に分かっているのなら二人で、事件事故を止めようと佐野は提案します。
その夜、心はいい父親とは家族と向き合える男だと確信します。
12話 守るため
佐野の家に音臼小の教員木村さつきが来ました。
心が働けるようにと母和子がお願いをしてくれたおかげで、心を3学期だけ臨時教員として働かないかという用件でした。
履歴書を書いている時、佐野は心にどうして教員になりたかったのかを尋ねます。
心は、昔事件があり、子どもたちを守ることしかできないと思ったと動機を言います。
そして妻由紀のことも聞かれ、由紀は教員をしていて大学が一緒だったことや教員を目指していなかったら妻とも出会っていなかったし、娘も生まれていなかったと伝えます。
それを聞いた佐野は、心がタイムスリップしたのもきっと意味があると言います。
翌日、音臼小の校長との面談では、即採用が決まり、ついに心は夢であった教員として音臼小で働くこととなります。
13話 5年田村学級
初出勤の日、心は全校生徒の前で挨拶をすることに。
あまりにも緊張した心は小声になってしまい、鈴から「声が小さい」と言われてしまいます。
心は、鈴のいる5年生のクラス担任になります。
子どもたちへの掴みはOKで、クラス全員の顔と名前が分かっていると言い、一人ずつ名前を当てていきます。
しかし、この子どもたちの多くは5か月後の事件で被害にあう子どもたちでした。
心はこの子どもたちをなんとしてでも守りたいと強く思います。
14話 子供たちの希望
学級会が終ると子どもたちは心に見せたいものがあると校庭に誘います。
すると学校の門の外で新聞配達員の翼が子どもたちに声をかけ飴を渡し、心と目が合います。
子どもたちは学校で飼っているうさぎを心に見せます。
一匹のうさぎが妊娠していて赤ちゃんが生まれるのを子どもたちは心待ちにしています。
心が家に帰ると家族みんなが心の就職祝いをします。
佐野家のお祝い料理は、カニが入った特製カニラーメン。
みんなで美味しく食べながら楽しいひと時を過ごします。
その夜、心は由紀のノートを見ながら、2月5日に元町議の田中義男が心筋梗塞で死亡する新聞記事を見ます。
翌日、佐野にこれから起こる田中のことを伝え、佐野は様子を見に行くと伝えます。
鈴と心が学校へ行くと、子どもたちがうさぎ小屋の前で集まっているのを見つけます。
赤ちゃんが生まれたのかと嬉しそうに近づくと、そこにはうさぎが死んでいました。
15話 殺人鬼のおもちゃ
うさぎは近くにあったスコップで首を斬られて死んでいました。
ショックを隠せない子どもたち。
心はさつきからうさぎが殺されたのはこれが初めてではないと聞かされます。
その頃佐野は心に言われた田中の様子を見に自宅を訪れます。
田中は目がほとんど見えておらず、ほとんど寝たきりの一人暮らしだが、夕方になると音臼小の子どもたちが遊びに来るから病院のある遠い町までは行かないと佐野に伝えます。
5年のクラスではうさぎが殺されたことにみんなが落ち込み、一人の子が心に、なぜうさぎが殺されたのか聞きます。
心は、知らない人から物をもらってはいけないと子どもたちに言うと、新聞配達員の翼を疑っているのかと子どもたちから責められます。
翼は子どもたちの間でも人気があり、子どもたちは心に猛反発します。
16話 死んじゃえばいい
うさぎが殺されたことを聞き、小学校へやってきた佐野文吾。
田中の様子を心に伝え、町の病院に行くよう田中を説得してほしいと伝えます。
子どもたちが田中の家に寄って帰る道中、三島明音が翼を疑う心が信じられないと言います。
さらに千夏が死んだ時、心が三島病院にいたこともあり、信用できないと続けます。
すると鈴が心のことを悪く言わないでと2人は喧嘩を始めます。
明音は鈴にランドセルに付けているお揃いのキーホルダーを返してと言い、無理やりひきちぎろうとする明音に抵抗し、鈴は明音を突き飛ばしてしまいます。
田中の家に行った心と佐野は田中と長男に会います。
田中に病院に行くのが嫌なら医者にきてもらうのはどうかと提案し、田中はそれを了承します。
鈴は心に、明音があんなひどいことを言うのが信じられない、死んじゃえばいいのにと言います。
それを聞いた心は表情を変え、本心じゃなくても言ってはいけないと強く諭します。
鈴はショックで泣きながら心から離れていきます。
田中の事件なのか事故なのか分からないが2月5日までの2週間、毎日心と佐野は田中の家を訪れます。
そんな時、机に置かれたノートを見つけます。
目が見えない田中に代わって、思いついた詩をその場にいる人に書いてもらうのだと説明する田中。
そのノートをパラパラ見ていると、一枚の奇妙な絵が描かれているのを見つけます。
テセウスの船2巻の感想と考察
佐野と心が温泉に浸かりながら、未来から来たことを告白するシーンはドキドキしましたね。
普通だったら何言ってるの?と笑い飛ばしたり、未来からどうやってきたのかと困惑しそうですが、佐野はやっぱりそうだったかという笑いに、ものすごく受容性が高い人だなと思いました。
親子そろって「北の国から」の大ファンだというところが面白いですよね。
佐野も心もとても家族想いだから、好きな物は一緒になるンだなぁと思いました。
家族みんなで心の就職祝いをするシーンもほのぼのします。
家族愛が描かれているところがこの2巻ではとても多いように思います。
特製カニラーメンは一人一杯のカニが入っていて1989年当時としてはかなり贅沢な食べ方なんじゃないでしょうか。
漫画を見て同じものを食べたいと思ったことはないですが、さすがにこの特製カニラーメンは食べてみたいです。
これから起こり得る事件を全て阻止することができるのか、3巻がとても楽しみです。
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